09.26.08
Adam Gussow のワークショップ - その1
先日、アムステルダムで行われた、アダム・ガッソー (Adam Gussow) のワークショップに参加してきました。アダム・ガッソーといえば、YouTube で見られるハーモニカ・レッスンで有名。現在のブルース・ハープ事情をチェックしている人ならば、誰でも知っている有名人です。
写真はワークショップの様子です。詳しくはまた後日書きます (今日帰って来たばかりで、くたくたに疲れているのであります)。
>Adam Gussow のワークショップ - その2
>Adam Gussow のマスター・クラス
>Adam Gussow のコンサート
>Adam Gussow のコンサート (おまけ)
09.21.08
息切れ
先日は、またジャムに参加しました。曲が私の得意なキーだったということもあり、なかなか上手く行ったと思います。この間のジャムで反省した 「ソロがワンパターン」 というのも (>ジャムの反省)、今回は意識して演奏したためか、かなり改善されました。
さて、今更ながらに思ったのですが、ハーモニカって息のコントロールが難しいですね。今回のジャムでも、息が続かなくてやりたいことができなかったという場が数回ありました。他の管楽器や歌の場合も息が続かないということはあるでしょうが、ハーモニカは吸って音を出す楽器でもあるので、そういう面で息の配分が難しいです。実際、ブルースハープの場合は、「息を吐きすぎる」 ことよりも 「息を吸い込みすぎる」 ことによって演奏が続かなくなることが多いです。
息の吸い込みすぎの解決方としては、ブロウ音の時に、口からだけではなく鼻からも息を出して、肺に溜まった空気を少なくする方法があります。でもこれは、ドロー音を長く吹き続ける時などには使えませんね。
・・・などと今日は色々と考えていて、そういえばリトル・ウォルターが息に関することを言っていたなあ、と思い出しました。・・・
You can fill that harp with air. If you don’t it’ll kill you. I don’t be blowin’ that hard. That’s the reason I snuggle up that mike, see, ‘cause I can keep a whole lot of wind in that harp. I don’t have to do nothin’ but navigate with it then. And I can blow the same thing in I can out. But you have to know what you’re doin’, don’t miss your key.
ハーモニカを息で満たして、後はナビゲートするのみ、、、。上手い人というのは、体が要求する空気の量に合わせて演奏しているのだと思いますね。肺に空気が余ってくるとフレーズにブロウ音を入れたり、空気が足りなくなってくるとドロー音で吸い込んだり、というのを自然に、しかも音楽的に上手くやってのけるのだと思います。
試しに夫に聞いてみたら、「そういうのは慣れで考えなくてもできるようになる」 とのことでした。経験を積まなくては学べないことはたくさんありますが、息のコントロールもそのひとつのようです。
09.16.08
ハーモニカ吹きの男
山崎ハコさんの 「ハーモニカ吹きの男」。
どういう経緯だったのかは忘れましたが、ネットでこの歌の存在を知って、「これはブログに載せねば!!」 と思ったのであります。ハーモニカが 「忘れていた何かを思い出させてくれる」 存在であるところが素敵です。
山崎ハコさんはそんなによく知っているわけではないのですが (この歌も知らなかった。)、すごい歌を作る人だとなあ思いますね。こういうストーリー性のある日本のフォーク・ソングは、実はけっこう好きだったりします。
09.15.08
続 ・ ブルースハープな夜
先日また、例のハーピストの友達の家に遊びに行きました (過去記事はこちら>ブルースハープな夜)。
ハープについての色々な話をしたり、バッキング・トラックに合わせて演奏したりしたのですが、一番楽しかったのが、バッキング・トラックを使わずに、ハープ1本で演奏した12barブルース。友人→私→夫→友人→私→夫、、、というように、1人12小節ずつ順繰りに、延々と演奏します。これが思いの外楽しい!前の人が吹いたソロを受けて、「うおー!そう来るか?じゃあこれはどうだ?」 みたいな感じで、3人ともどんどん熱くなって行ったのでありました。私はまだ初心者ですが、2人のベテランに混じってがんばりましたよ。家で孤独にこつこつと練習することはもちろん大切ですが、たまにはこうして他のプレイヤー (できれば自分より上手い人がいいですね。) と一緒に演奏して刺激を受けることも大切だなあ、と思ったのであります。ブルースハープな夜はまだまだ続きます。
09.10.08
カスタム・ハーモニカ - その2 (West Weston のハープ)
ウェスト・ウェストン (West Weston) のカスタム・ハーモニカをオーダーしたので、届いたらこちらで報告します、と書いたのが先月のこと (>West Weston)。報告せずに一ヶ月が経ってしまいました。実はあの記事を書いてからすぐに届いていたのですが、なかなか文章がまとまらず (大したことのない文章とはいえ、一応いろいろと考えて書いているので、まとめるのにけっこう時間がかかるのです。)、今日まで来てしまいました。ウェストンのハープについて書くには、まず 「カスタム・ハーモニカがどういうものなのか」 から書かなくてはなあ、、、などと考えているうちに、延ばし延ばしになってしまったのです。何が言いたいのかというと、先日書いたカスタム・ハーモニカについての記事は、今日の前置きだったということです。読んでいない方は、こちらをどうぞ。
>カスタム・ハーモニカ - その1
先日の記事では有名なハーモニカ・カスタマイザーの名を挙げましたが、その他にもカスタマイズや修理を行っている職人はたくさんいます。カスタマイザーと一言で言っても、非常に細かい作業をして仕上げる人から、ちょっと吹きやすくするぐらいの人まで、色々と存在するのです。ハーピストでも、自分に合うようにハーモニカをいじる人はけっこういますね。私はまだやったことがないのですが、夫はたまに自分のハープをチューニングをしたり、吹きやすくしたりしているみたいです。見たところ、ものすごく細かい作業で時間もかかるので、「これは高くつくはずだわ~」 と思います。
さて、肝心のウェストンのハープは、Hohner の マリンバンド (Marine Band) をカスタマイズしたものです。コームは角が取れて丸みがあり、口当たりよく仕上がっています。木製のコームは長く吹くと水分で膨れ上がってしまうことが多いのですが、それを防止する加工もされています。更に、従来のマリンバンドは釘で止めてあるので、自分で洗ったりチューニングをしたりするのが困難でしたが、ウェストンのハープはそれが可能なように、釘をねじに替えてあります。写真は、上がウェストンのハープ、下が普通のマリンバンド。
リードの作業としては、チューニングとギャッピングがされています。ギャッピングというのは簡単に言うと、リードとリードプレートの間の隙間を調節して、吹いた時の感度を変える作業です。ハーモニカ・カスタマイズにおいて、最も重要な作業ともいえると思います。ウェストンは彼自身がオーバー・ブロウを演奏で使わないため、オーバー・ブロウのセッティングはされていません。
吹いた感じは、チューニングも気に入ったし、感度も良くて吹きやすいです。3穴が私にはちょっと重いのですが、ウェストン自身が優れた奏者なので、これは彼の好みなのだろうな、と思います。それから、コームにコーティングがしていないので、速く動く時やタング・トリルをする時にちょっと動きにくいと感じますが、これも慣れでカバーできると思います。
音色は、ワイルドでブルージー。マリンバンドをアップグレードしたものに、マリンバンド・デラックス (Marine Band Deluxe) がありますが、ウェストンのハープはデラックスよりもマリンバンドに近く、良い意味での粗さがあると感じます。先日の記事にも書いたように、近年のマリンバンドは色々と問題があるのですが、それでもこのマリンバンドの音色がやはり好きだという人にはぴったりのハープだと思います。ウェストンのハープを使っているポール・ラム (Paul Lamb) は、60年代のマリンバンドに近い楽器を捜し求めて、ウェストンのハープにたどり着いたのだと言っていました。
値段は £36 (約6800円)。カスタム・ハープにしては決して高くはない値段です。私が普段よく使うマリンバンド・デラックスは £34.99 (約6600円) ですから、大差ないですね。更に、£16 (約3000円) で修理やリードの交換もしてもらえるので、長い目で見ると安上がりになります。後々のケアもしてもらえるのが、カスタム・ハーモニカのよいところです。
ウェスト・ウェストンのカスタム・ハープのサイトはこちら (サウンド・サンプルが聞けます)。
>West Weston’s Custom ’Marine Band’ Harmonicas
ウェスト・ウェストンのサイトはこちら (ウェストのかっこいい演奏が聞けます)。
>West Weston
09.09.08
カスタム・ハーモニカ
より良い演奏を無駄な労力なしでできるように手が加えられたハーモニカを、カスタム・ハーモニカといいます。アメリカやヨーロッパでは、プロのハーピストやプロ並の演奏をする人 (または目指す人) は、カスタマイズされたハーモニカを使っていることが多いです (手直しされていないハーモニカをそのまま使う人ももちろんいます)。私は日本の事情はよくわからないのですが、吉田ユーシンさんなんかがカスタマイズをやっているみたいですね。
「どうしてカスタマイズなんかが必要なんだ。ソニー・ボーイ・ウィリアムソン (両者) やリトル・ウォルター、ビッグ・ウォルターなどの往年のプレイヤーは、みんな Marine Band をそのまま使っていたじゃないか」 という疑問が湧いてくるわけですが、その頃の Marine Band は近年の物とは比べ物にならないくらい質が良かったのです。大量生産されるようになったのと、古い機械を長年変えずに使い続けて来たのとで、近年の Marine Band は質がぐっと下がってしまったらしいです。しかし、Hohner で働く知人によると、数年前に機械に入れ替えをしたので、最近はまた質が上がって、60年代に次ぐ質の良さに戻ったのだということでした。
もともと市販のハーモニカというのはどれも少しずつ癖があって、完璧な物は稀なのです。物によって、「2穴が鳴りにくいな」 とか、「3穴がすかすかするな」 とか、難点があるのが当たり前というくらいです。特に Marine Band は当たりはずれが多い楽器だと言われます。Marine Band をそのまま使っているというプロの人もいますが、そういう人でも、「はずれ」 の Marine Band は使わないはずだと思います。それから、オーバー・ブロウなどを演奏で使う人は、それがしやすいように手を加えたハーモニカを好む様ですね。
さて、カスタム・ハーモニカの職人として有名なのが、以前紹介したジョー・フィリスコ (>Joe Filisco)。キム・ウィルソン (Kim Wilson)、デニス・グルンリング (>Dennis Gruenling)、ジェリー・ポートノイ (>Jerry Portnoy)、ハワード・リーヴィー (Howard Levey) など、トップ・プレイヤー達のハーモニカをカスタマイズしている人です。ジョー自身もすばらしい演奏をするプレイヤーであります。
他には、リチャード・スレイ (Richard Sleigh)、ジェームス・ゴードン (James Gordon)、ブラッド・ハリスン (Brad Harrison)、ジョー・スパイアーズ (Joe Spiers) などが有名どころでしょうか。前述のジョー・フィリスコをはじめ、この方達はもう、魔法のような仕事をすることで名が知られています。各プレイヤーのニーズに合わせて、膨大な時間をかけてハーモニカを仕上げます (当然値段もお高いです)。私は夫が持っているブラッド・ハリスンのハープをちょっと試し吹きしたことがありますが、これは大きな衝撃でした。驚くほど気密性が高くて感度が良く、同じハーモニカであるとは信じられないほどでした。でも逆に、感度の良いハープというのは、テクニックがしっかりしていないと使いこなすのはむずかしいなあ、と思ったのも事実です。
カスタム・ハーモニカと普通のハーモニカを吹き比べする、というのを、我らがジェイソン・リッチ (Jason Ricci) がやっております。
>Custom Harmonica Vs. Out of Box Harmonica 007
彼が吹き比べをしているのは次の3つのハーモニカ。
1.普通の Marine Band
2.ジョー・スピアーズがカスタマイズした戦前 (1920年代) の Marine Band
3.ジェイソン自身がカスタマイズした Golden Melody
聞き比べてみると、確かに、なめらかで気密性の高いカスタム・ハープに比べて、普通の Marine Band は leaky (空気が漏れやすい) ですね。音量もカスタム・ハープに比べると小さいです。ジェイソンは 「自分は、普通の Marine Band をそのままギグで使うことは絶対にない」 と言っていますね。それでも彼が吹くと、普通の Marine Band もさすがにいい音がしていると思います。
ついでに、ジェイソンがカスタム・ハープを使ってオーバー・ブロウをして見せる映像というのもあります。
>Custom Harmonicas Part 2/bending overblows 008
09.05.08
ブルースハープについての認識
先日、ジャムの後で、ギタリストの一人 (以下Dとします。) と話していた時のこと。
D: ギター弾いたことある?
私: 何回か挑戦したことあるけど、ぜんっぜんだめだった。押さえてる弦と違う弦を弾いちゃったりしてさ。あはは(笑)。ギターって難しいよね。Dはピアノ弾くの?
D: うん。C調の曲なら弾ける!がはは(笑)。そういう奴多いよね。
私: うん、多い多い。C調はピアノでは視覚的にすごくわかりやすいから。
D: ピアノは調を変えて弾くのが大変だよな。でも、一番移調が簡単なのはハーモニカだよね。曲の調によってハーモニカを変えればいいんだもんな。
私: うーん。でも、ポジションが変わると混乱したりするよ。
D: へ。ポジションて何?
私: CハープをそのままC調の曲で吹くのがファースト・ポジション。5度上の調を吹くのがセカンド・ポジション。で、5度下の調を吹くのがサード・ポジション。ブルース・ハープでは主にこの3つが使われることが多いよ。最もよく使われるのはセカンド・ポジションだけど。
D: へえ~。俺はまた、ブルース・ハープってのは、みんなクロス・ハープ (セカンド・ポジションのこと) で吹くものなのかと思ってた。
私: 一つのハーモニカでも、全ての調を吹くことはできるんだよ。ただ、幾つかのポジションはブルースにぴったりとくるけど、ブルースに合わないポジションもあるから、そういうポジションはあまり使われないというわけなの。
D: へえ~。知らんかった。
私: ハープって実は奥が深いのよ。
、、、こんな感じで、ブルース・ハープについての世間の認識というのはやっぱりこんなものなんだなあ、と改めて思ったのでありました。それにしても、ブルース・ハープってなんだか正当に評価されていない!と感じることが多いですね。曲の調に合わせてハープを持ち替えて同じことをやってるだけじゃん!と思われがちなハーピスト達。まあ確かに、そういう演奏をする人が多いのも事実なので、仕方がないことなのかもしれませんが、そこから脱出しようとあくせく努力しているハーピスト達もいるわけです。私がこのブログを始めたのも、そういうことを少し書いてみたいなと思ったのが、ひとつのきっかけであります。
今日はサード・ポジションを中心に練習しました。
09.04.08
Champion Jack Dupree with King Curtis
昨晩は、チャンピオン・ジャック・デュプリー (Champion Jack Dupree) の映像を色々と見ていて、彼がキング・カーティス (King Curtis) と演奏しているこの映像に目が釘付けとなりました。キング・カーティスはもともと好きなのですが、この演奏は本当に素晴らしくて、何度も聞いても飽きません。
>champion jack dupree with king curtis
デュプリーの歌の合間に入れるカーティスのフィルはすごく味があるし、何といっても圧倒的なソロがすごい。特に、ハイピッチ音から盛り上げていって、IVコードで落ち着くところ (5:26あたり)で は、何度聞いても 「うおおお」 と叫んでしまう私です。更に、ソロの終わり方もかっこいい。短3度で終わるかあ~。さすがだなあ、とため息が出てしまいます。
今日の記事は、ハーモニカには直接関係がなかったですが、上手いハーモニカ・プレイヤーというのは、サクソフォーンなどの管楽器の演奏を学んでいることが多いのです。特にサクソフォーンは、ベンド音とか、アタックの仕方とか、音のシェイプの仕方がハーモニカに近いと感じます。聞いていると、「あーなるほどー、サクソフォンではこういう風に吹くのか」 と学ぶことが多いです。





