02.27.09
Little Walter の未公開映像 - その後
リトル・ウォルター (Little Walter) の未公開映像がDVDで発売されるぞ!という記事を書いたのが去年の10月 (>Little Walter の未公開映像)。
その後どうなったかというと、無事に発売されたようです。YouTube に映像がアップされています。

みなさんそれぞれに思うところがあると思いますので、今回は敢えて私自身のコメントは書かないことにします。Enjoy!
>Little Walter Live in Germany (1967) #1 – Mean Old World
>Little Walter Live in Germany (1967) #2 – Untitled Instrumental
>Little Walter Live in Germany (1967) #3 – My Babe
02.26.09
Richard Sleigh オンライン・セミナー
先日、ハーモニカのコミュニティ・サイトで、リチャード・スレイのオンライン・セミナーがありました。オンライン・レッスンを行っているハーピストはいますが、こうして多数に向けたセミナーという形は、私の知っている限り、ブルース・ハープ界では初めての試みだと思います。リチャードが演奏したり話をしたりしてセミナーは進められましたが、参加者は質問することもできて、私もいくつか質問させていただきました。

セミナーの内容は、スケール (音階) を使ったアドリブ奏法、純正律 (just intonation) と平均律 (equal temperament) とその他のチューニングについて、ハーモニカのメインテナンス (ギャッピングやチューニング) の手ほどきなど、盛りだくさんでした。中でも印象に残ったのが、倍音をコントロールして音色を変えるという奏法の実演。指折りのハーモニカ・カスタマイザーなだけあって、チューニングや倍音などの音楽理論には詳しいし、耳もものすごく良いんですよね。「音色」ってみんなよく言うけど、それはつまりどの倍音を使っているかっていうことなんだよね、というようなこと (正確な言葉は覚えていません。) をおっしゃておりましたが、この言葉にはただただひれ伏しました。
セミナー終了後、Skype を通してリチャードから夫に電話がかかってきて、テレビ電話で少しお話しました。先日送ったハーモニカの調子はどうだい?と聞くためにわざわざ電話をくださったのです。や、優しい・・・。セミナーの中で聞きそびれた私の質問にも快く答えて下さる素敵な紳士でございました。
02.21.09
スケールのすすめ
私が毎日の練習に取り入れているもののひとつに、スケール (音階) の練習があります。なぜスケールを練習するかというのは人によって多少異なるのかもしれませんが、私にとってのスケール練習は、
アドリブ (即興演奏、インプロヴィゼイション) における自由を獲得するための手段
に他なりません。この 「自由」 というのは2つに分けることができて、
1.思考上の自由
2.身体上の自由
となります。
ブルース・ハーピストというのは、私を含め、他のハーピストのリフやリックをコピーしてアドリブをすることが非常に多いです。コピーをするのは大切な練習法ですが、それ以外のアプローチができない奏者が多いのも事実だと思います。知っているリフやリックを繋ぎ合わせるだけではなくて、もうちょっと踏み込んだ、又はもっとオリジナルな演奏をしようという場合には、理論的なアプローチが手助けになってくると思います。スケールを練習すると、「どこにどの音があるか」 というマップが頭の中にできやすいですし、ブレス・パターンによる演奏だけではなくて、音楽の構成に従って音を選んでいくことができるようになります。「今、バンドはこのコードを演奏しているから、このスケールの中からこの音を使うことができる」 というようなアプローチが可能となるわけです。これが、「思想上の自由」 です。
「身体上の自由」 というのは、出したい音を、出したい時に、出したいように出せるという自由です。例えば、ベンド音。何度も練習したリフの中ではうまく鳴らすことができるベンド音も、アドリブで咄嗟に 「今、ここでこういう音色でこのベンド音を鳴らしたらかっこいいだろう」 という時には、身体がついて行かないことがあります。アイディアも音のイメージもあるのだけれど、コピーし慣れたリフやリック以外の演奏にはテクニックがついて行かないのです。これも、毎日のスケール練習でかなり改善することができます。ただし、身体に共鳴した良い音色が出ているか、ピッチは正確か、身体に余分な力が入っていないか、身体の正しい場所でアーティキュレーションができているか、レガート奏法はできているかなど、色々と注意しながら練習することがあくまで大切で、何も考えずにがむしゃらに練習しても時間の無駄となるだけです。これらのことがきちんとできるテンポで始めて、徐々にテンポをあげて行くのが良いと思います。テンポが上がっても、注意点は忘れないことが大切です。
ジェイソン・リッチ (Jason Ricci) も、「ハーモニカを速く演奏する方法 (Playing Harp Fast) 」 という題で、スケール練習を取り上げています。私は速吹きを目指しているわけではないのですが、スケールが速く上手くできるようになってから、特に速くないフレーズでも、演奏するのがぐっと楽になりました。ジェイソンは、ハーモニカ専用のフォーラムでもスケール練習の重要さを話題にしていて、現在でもスケールを練習していると言っていました。
私は、ジェイソンがここでやっている練習法を含む計8パターンの練習法を、メジャー・ペンタトニック・スケール、マイナー・ペンタトニック・スケール、ブルース・スケールの3つのスケールでそれぞれ練習します。なぜこの3つなのかというと、私がブルースのアドリブで使うのは、この3つのスケールが圧倒的に多いからであります。これを、1st、2nd、3rd、4th、5th、6th、11th、12th の各ポジションで練習すると、軽く2時間はかかります。「そんな退屈なこと毎日やってられるか!」 という方も多いかと思いますが、私はこういうのはあまり苦にならないんですね。かれこれ2ヶ月ほど毎日やっていますが、効果は抜群で、最近はジャムに行くのが楽しいです。スタンダード・ポジション (1st、2nd、3rd) 以外には興味がないという方は2時間もいらないですし、スケールを毎日の練習にちょっと取り入れてみるというのはいかがでしょうか。
02.16.09
Dennis Gruenling - Sad Hours
全国のブルースハープ・ラバーズの皆様、こんにちは。このところ仕事に追われて、更新が遅れております。忙しくても、最低でも毎日2時間はハーモニカの練習をしたいし、ハーモニカ関係のサイトのメーリング・リストを読んだりフォーラムやチャットに参加したりしているうちに、あっという間に一日が過ぎてしまいます。このブログを楽しみにしてくださっている方 (果たしているのか?) には申し訳ないのですが、しばらくはスロウ・ペースで行く予定です。
ということで、今日は、私のハープ・ヒーロー、デニス・グルンリング (Dennis Gruenling) の映像です。

>Dennis Gruenling / Little Walter Tribute / Sad Hours
リトル・ウォルター (Little Walter) の Sad Hours ですね。かっこいいです。
02.07.09
ストローでオーバーブロウ
「だから何?」 というようなものでもあるのですが、まあおもしろいのでアップします。Ben Hewlett による、ストローを使ってオーバーブロウをするという映像。ジュースなどを飲むときに使うストローを使ってハーモニカを吹くと、オーバーブロウになるのだそうな。ベンはブリストルのハープ仲間で、私は実際にやって見せてもらったこともあるのですが、まさか YouTube にアップするとは・・・。愛すべきハープおたくであります。
>Overblowing with drinking straw
手を使わずにハープを吹くという映像もあります。サニー・ボーイ二世なんかもやっていたあれです。これは、Joe Filisko がブリストルのフェスティバルに来た時に、教えてもらったのだそうな。
>Hands-Free Harmonica
他にも色々とアップしているので、興味のある方はどうぞ。
>YouTube – PaulLennonUK’s Channnel
02.02.09
ポジションって何? - 五度圏
今日は、ポジションについての説明です。「ポジションってそもそも何?」 とか、「CハープでG調の曲を吹くのことを、どうして2ndポジションって言うの?」 と疑問に思っている方々への、ちょっとした音楽理論です。
西洋音楽で使われる音は、全部で12音あります。C、D♭(=C♯)、D、E♭(=D♯)、E、F、F♯(=G♭)、G、A♭(=G♯)、A、B♭(=A♯)、B です。鍵盤の上で見てみるとわかりやすいですね。

この12音を、五度圏 (circle of fifth) というシステムに当てはめると、下のような円ができあがります。

この表は、時計回りで、完全5度ずつ進んで行きます。完全5度というのは、2つの音の高さの隔たり (音程) を表す度数のひとつです。ここでは、そのキーのメジャー・スケール (長音階) をトニック (主音) から上に数えて5番目の音 (ドレミファソラシドのソの音) のことです。例えに、この表をCから見てみます。Cの完全5度上の音はG、Gの完全5度上の音はD、Dの完全5度上の音はA、、、というように進んでいって、最後にFからまたCに戻り、12の音から成る円を完成させるわけです。
実は、1st、2nd などというポジションの名称は、この五度圏に基づいているのです。例えば、Cハープを手に持っているとします。それでC調の曲を吹いた場合が、1stポジションとなります。そこから順に、時計回りで、G調の曲だと2nd、D調の曲だと3rd、A調の曲だと4th、、、と数えて行くのです。他の調のハープを使う場合も理論は同じです。例えばAハープならば、A調の曲を演奏するのが1stポジションとなり、時計回りで一つ進んだE調の曲を吹く場合が2ndポジションとなります。
こうして見ると、ハーモニカのポジションは全部で12あることがおわかりですね。各ポジションにはそれぞれのキャラクターがあるので、演奏する曲によってポジションを選ぶわけです。今日、ブルースで頻繁に使われるのは何といっても2ndで、その次に1st、3rdという感じでしょうか。これは、この3つのポジションがブルースに合うということももちろんありますが、その他の理由として、これらのポジションがブルース・ハープの伝統となっているということもあると思います。ブルース・ハープは人の演奏をコピーして学ぶことが多いので、ポジションもやはり先代のやり方を受け継いで演奏する人が多いのだと思います。最近ではこの3つ以外のポジションを使う人も増えていますし、極端な話をすれば、スキルさえあれば、(その表現に限界があるとはいえ)、一本のハープで全てのキーを演奏することも可能なわけです。
ハーピストがジャムやセッションに出向くと、「ハープ何本持ってる?」 と聞かれることがよくあります。ハーモニカのことをよく知らないだけで、悪気がないのはわかっているのですが、私はこれがあまり好きではありません。せめて、「どのキーでも行ける?」 とか、「できないキーはある?」 とかにしてほしいなあ・・・。