03.01.09
革命児 リトル・ウォルター
少し前に、キム・ウィルソンがサウンド・トラックで吹いているという映画、”Cadillac Records” について書きました。(>Kim Wilson – Juke, My Babe)。首を長くして待っていたこの映画、ようやくイギリスでも公開になり、早速観に行って来ました。
全体としては不満 (というか物足りなさ) も正直ありましたが、見終わった後に、「マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターは、やはり革命児だったんだよなあ」 と改めて思ったということを考えると、良い映画だったのだと思います。

アンプリファイドの演奏を一般化したということで革命児扱いされることが多いリトル・ウォルター (この映画でもそうでした)。彼が素晴らしいアンプリファイドの演奏をしたことはまぎれもない事実なのですが、私はそれは彼が起こした革命のほんの一部にすぎなかったと思うのです。彼の真の功績は、全く新しいアプローチでハーモニカを演奏したことと、全く新しいスタイルの音楽を作り出したということにあると思います。
先日の記事 (Little Walter の未公開映像 - その後) で紹介した映像でも、衝撃を受けたフレーズがいくつもありました。特に2曲目のインスト・ナンバーは、目を見張るというか耳を疑うというか、これまで聞いたことのない斬新なリックが所々にあって、何度聞いても 「おおおお」 と唸ってしまいます。彼の死からは40年以上が経っているわけですが、その間誰も思いつかなかったようなリフをこうしてアドリブでやっているのを見ると、もうお手上げだなあと思います。本当にこの人は、信じがたい天才です。アンプリファイドの時とアコースティックの時では奏法を使い分けているのは明らかですし、「どうやったら楽器 (アンプなどの機材を含む。) を最も効果的に鳴らすことができるか」 ということを本当によく知っていた人だと思います。

キム・ウィルソンがサウンドトラックのハーピストというのは、見事に適役だったと思います。キムはよく、リトル・ウォルターと比べられたり、その演奏を 「リトル・ウォルターのコピー」 と言われたりしますが、本人はそれを、「リトル・ウォルターに対する冒涜 (sacrilege) だ。」 とインタビューで言っておりました。
映画全体の感想は日常のブログの方に書いてありますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。
02.27.09
Little Walter の未公開映像 - その後
リトル・ウォルター (Little Walter) の未公開映像がDVDで発売されるぞ!という記事を書いたのが去年の10月 (>Little Walter の未公開映像)。
その後どうなったかというと、無事に発売されたようです。YouTube に映像がアップされています。

みなさんそれぞれに思うところがあると思いますので、今回は敢えて私自身のコメントは書かないことにします。Enjoy!
>Little Walter Live in Germany (1967) #1 – Mean Old World
>Little Walter Live in Germany (1967) #2 – Untitled Instrumental
>Little Walter Live in Germany (1967) #3 – My Babe
01.13.09
Rick Estrin の 教則DVD
丑年ハーピスト (しつこい?) のリック・エストリン (Rick Estrin) が、DVDを出したらしいです。その名も、”Rick Estrin Reveals Secrets Subtleties & Tricks of the Blues Harmonica”。

こちらで、ちょっとですがサンプルを見ることができます。
>Rick Estrin Reveals Secrets Subtleties & Tricks of the Blues Harmonica (Film Baby)
しょっぱな、耳をつんざくような演奏をしている男からハーモニカを奪うシーンには爆笑しました。よくぞやってくれた!しかし 「ブルース・ハープ=こういう演奏」 だと思っている人はいまだに多いですね。私がこのブログを作ったのも、そういうブルース・ハープに対する誤解をなるべく少なくできたらいいなあ、と思ったのがひとつの理由であります。
このページの下のほうには、ジェリー・ポートノイ (Jerry Portnoy) による解説も載っていますが、それを読んでますます欲しくなってしまいました。う~ん、欲しい!これは買うぞ!!
01.08.09
Kim Wilson – Juke, My Babe
昨年12月にアメリカで、”Cadillac Records” という映画が公開となりました。ご存知、チェス・レコードの話で、Muddy Waters、Little Walter、Willie Dixon、Howlin’ Wolf、Chuck Berry、Etta James なんかが出て来ます (もちろん本物ではないですが)。去年の初め頃にこの映画のことを知って、ずっと楽しみにして公開日をチェックしているのですが、イギリスでは春ごろということです。ブルース・ファンの人は納得行かない部分も多いらしく、賛否両論あるようですが、やはり楽しみであります。

チェス・レコードの話ということで、もちろん音楽が出てくるわけですが、オリジナルではなくて、この映画のために演奏 / 録音された音楽が使われています。ハーモニカを吹いているのは、我らがキム・ウィルソン (Kim WIlson)。YouTube に “Juke” と “My Babe” の録音があったので、アップします。
>Juke – Cadillac Record Sountrack
>My Babe – Cadillac Record Sountrack

ハーモニカ好きとしては、キムの演奏が聴けることも、この映画を見るひとつの楽しみになりそうです。
12.22.08
A Sourcebook of Sonny Terry Licks for Blues Harmonica
一足早い、自分へのクリスマスプレゼントです。トム・ボール (Tom Ball) によるソニー・テリー (Sonny Terry) の演奏を説明した本。CD付きです。本当は夫へのプレゼントのひとつにするはずだったのですが、昨日、本棚を整理していて、夫はすでにこの本を持っていたことを発見。しかもトム・ボールのサインつき!ショックだ・・・。不本意ながら自分へのプレゼントとなりました。まあ、後で見せてもらおうという魂胆だったのだからいいか・・・。

トム・ボールは、すごく好きなプレイヤーです。初めてライブを見た時は、その饒舌なハーモニカにぶっとびました。すごく気さくな人で、ジェームス・ブッカー (James Booker) の話なんかをして盛り上がったのを覚えています。その後も2度ほどライブを見ていますが、いつ見てもあの饒舌さは健在であります。ハーモニカはもちろんですが、実はギターも上手くて、ギター・ソロのCDなんかも出しているんですよね。
映像は、2003年、ブリストルのハーモニカ・フェスティバルにてのトムの演奏。
>Tom Ball at NHL H2003 Festival

ここからは全くの (しかもかなりアホな) 余談です。映画 「12モンキーズ」 の最後の方で、ブルース・ウィルスがかつらと口ひげで変装する場面があるのですが、その姿がトム・ボールに似ている!上の写真なんてそっくり!私はこの映画がすごく好きなのですが、最後の変装シーンになるといつも、「お!トム・ボール!やっぱり似てる!」 という思いがよぎって、真剣に見られないので困ります。緊迫して、シリアスで、ロマンティックなシーンだというのに。
しかし、テリー・ギリアムってやっぱりすごいですね。「未来世紀ブラジル」 なんて大好きです。 「12モンキーズ」 では、ルイ・アームストロングの 「この素晴らしき世界 (What a Wonderful World)」 の使われ方も良かったです。最後に流れるこの音楽を聴くと、いつもうるうるしてしまいます。
ハーモニカに全く関係ない上に、かなりわかりにくい話で申し訳ありません。
10.27.08
Little Walter の未公開映像
リトル・ウォルター (Little Walter) の未公開映像が近々DVDで発売されるという話は聞いていたのですが、先日、ハーモニカ仲間からその映像の一部分がネットで見られるということを教えてもらいました。ほんの数秒ですが、”My Babe” を演奏するウォルターが見られます。感動。
>AMERICAN FOLK BLUES FESTIVAL 1967 DVD 3
これまでにリリースされているリトル・ウォルターの映像は、American Folk Blues Festival 1962-1969 Vol.3 に収められた、ハウンド・ドッグ・テイラー (Hound Dog Taylor) とココ・テイラー (Koko Taylor) との共演のみ。今回リリースされるものもこのフェスティバルからのシーンですが、前回と違って、フロントマンとしてのリトル・ウォスターが見られるようです。前述の “My Babe” の他に、”Mean Old World”、それからインストゥルメンタル一曲が収録されています。これは絶対に買わねば!!!
その他の収録曲はこちら。
>FESTIVAL MUSIC TITLES
サン・ハウス (Son House) なんかも入っていますね。DVDのリリースは今月ということですけど、今月は残すところあと4日、、、。本当にリリースされるんでしょうか?頼みますよ!(って誰に?)
07.14.08
Blues with a Feeling: The Little Walter Story
リトル・ウォルター (Little Walter) についての本というのはたくさんありそうですが、この本が出るまでは (2002年出版) 、なかったらしいですね。 Tony Glover、Scott Dirks、Ward Gaines の3人による共著です。
昨晩から読み始めて、まだ前書きしか読んでいないのですが、続きが読みたくて、わくわくしています。
今年の3月に、ロックの殿堂 (The Rock and Roll Hall of Fame and Museum) 入りを果たしたリトル・ウォルター。ブルースの歴史を語る時には欠かせない重要人物ですね。こういう人を天才と呼ぶのだろうなあ、と思います。

