06.16.09
Rod Piazza – Soul Monster
ロッド・ピアッツァ (Rod Piazza) と彼のバンド、The Mighty Flyers の新譜 ”Soul Monster”。本日発売です。

こちらでサンプルを聞くことができます。(Audio Clips/Track Listing をクリック!)
>ROD PIAZZA & THE MIGHTY FLYERS BLUES QUARTET ”SOUL MONSTER” (DELTA GROOVE)
ロッドは今年の4月にライブを見て以来、すっかり惚れてしまったハーピストです (詳しくは>Rod Piazza に惚れる)。それまでももちろんCDは聞いていたし、DVDなどでそのお姿を拝見してはいたのですが、ライブで感じる彼のエネルギーとテンションとスウィングは、まったく比べものにならなくて、すっかりやられてしまったのでした。
まだ買っていないジェイソン・リッチの新譜 (>JASON RICCI & NEW BLOOD “DONE WITH THE DEVIL”) と合わせて買おうかなあ。
04.27.09
Little Walter – The Complete Chess Masters - その後
リトル・ウォルターのチェス・ボックス・セットがリリースされるということは先月書きましたが (>Little Walter – The Complete Chess Masters)、今日はその後日談です。
結局、あの記事を書いてからすぐに注文してしまったのですが、夫の誕生日プレゼント用に買ったので、それまではおあずけ状態だったのでした。先日、誕生日を迎えた夫に渡され、ようやく開かれることとなったのであります。

結果・・・いや~、買ってよかった。未発表曲が聞けるというのはもちろん嬉しいのですが、それより何より、リトル・ウォルターのチェスでのソロの録音を年代順に全てまとめて聞けるというのが良い。聞いたところによると、新しく音処理もされて、音質も良くなっているそうですよ (私自身、従来の録音と聞き比べたわけではないので、実際にどれほど違って聞こえるのかは定かではありません)。
ケースなどのデザインは特に期待していなかったんですが、開けてみるとかなりかっこいいです。ケースにも、ブックレットの中にも見たことのない写真が載っています。解説も、以前に紹介したリトル・ウォルターの本 (>Blues with a Feeling: The Little Walter Story) と同じ著者陣によるしっかりとしたもので、文句なしです。

実は私は、リトル・ウォルターの良さがわかるようになるのに、けっこう時間がかかったんですね。ブルース・ハープの音楽はハーモニカを始めるずっと前から聞いていたわけですが、「リトル・ウォルターって確かにかっこいいけど、皆がそれほど評価するほどのことかね・・・。」 などと思っていた罰当たりなやつだったのであります。その頃は、例えば、ビッグ・ウォルターやサニー・ボーイ二世、ジェームス・コットンなどの方がわかりやすかったんです。しかし、実際に自分でハーモニカを吹き始めて、ブルース・ハープの奥深さを知り (笑)、リトル・ウォルターの偉大さが徐々に理解できるようになっていったのであります。今では、「ブルース・ハープの歴史で、後にも先にもリトル・ウォルターを超えるプレイヤーはいない。」 などと言う人がいるのもよくわかります。Imaginative (想像力のある) で、inventive (独創力のある) で、最高にスウィンギー。しばらくは、うちのディナー・タイムは、リトル・ウォルター一色になりそうです。
03.16.09
Little Walter – The Complete Chess Masters
明日 (17日) リリースされる、リトル・ウォルターのボックス・セット。チェス・レコードで録音した全曲が、5枚のCDに収まっています。
>Little Walter The Complete Chess Masters

私はコレクター的気質はないので、「ボックス・セットが出たから買わなくては!」 とは思わないのですが、未発表曲がけっこう入っているということで、ちょっと心が揺さぶられます。チェスだけではなくて、他のレアな録音も全て入っているというのなら絶対買い!!なのですが・・・。う~ん、悩むところです。とりあえず、誕生日やクリスマスなどの夫へのプレゼント・リストの中には入れておくことにします。バレンタインにプレゼントしたリック・エストリンのDVDといい、ハーピストの妻の鏡のようだと自分で思います (自分が聴きたいだけでは?というつっこみは、この際なしです)。
10.21.08
Little Walter と Kim Wilson
キム・ウィルソン (Kim Wilson) は、モダン・ハーピストの中で、私が最高に好きなハーピストの一人である。本当に素晴らしいプレイヤーだから、私に限らず、そういう人は多いと思う。それでも、批判というのはどこにでも存在するもので、キムをリトル・ウォルター (Little Walter) のコピーだとかイミテーターだとか言う人も存在する。要するに、「リトル・ウォルターの真似してるだけじゃん」 ということである。
キムを自分のスタイルをしっかりと持つトップ・プレイヤーだと思っている私は、彼をただのイミテーターと呼ぶのはナンセンスだと思うけれど、キムがリトル・ウォルターに大きな影響を受けているのは確かである。ちょっと聞いただけではあまりわからないが、二人の演奏を聞きこめば聞きこむほど、キムがリトル・ウォルターから受けた影響が明らかになってくる。まず、明るくて軽めで、ホーンのような音色。それから、フレージングと、メロディを構成するリズム。このフレージングやリズムの影響は、多くの場合、微妙に現れているので、聞き込まないと気がつかないことが多い。しかし、二人の演奏をあまり聞いたことのない人でも、キムがウォルターに影響を受けているということがはっきりとわかる曲がある。ジミー・ロジャース (Jimmy Rogers) が演奏する “Sloppy Drunk” という曲である。YouTube でリトル・ウォルターがハープを吹いているこの曲を聴くことができる。
>Jimmy Rogers – Sloppy Drunk
キムは、ジミー・ロジャースの “Ludella” というアルバムに収められたこの曲でハープを吹いていて、これがまた、リトル・ウォルターの影響を受けまくった演奏をしている。残念ながら YouTube ではキムのこの演奏が見つからなかったのだけれど、アルバムをお持ちの方は聞き比べてみるとおもしろいと思う。(ちなみに “Ludella” はすごくかっこいいアルバムなので、キムが好きな人は買っても損はしないでしょう。)
もちろん異論はあるかもしれないけれど、この曲に関しては、私はリトル・ウォルターの演奏の方が好きだ。ハープというのは、バッキング・アップをするのがとても難しい楽器だと思う。他の楽器と演奏する場合、音が際立つので、自分のソロが回ってきた時は良いのだけれど、それ以外の時、他の楽器やヴォーカルの邪魔にならずにバッキング・アップをするのが非常に難しい。特に、ハープの演奏するラインはヴォーカル・ラインと近いこともあって、ヴォーカルを妨げない演奏をするのは特に困難である。これが最高に上手いのが、リトル・ウォルターとビッグ・ウォルター (Big Walter Horton) で、私は常々、バッキング・アップに関しては、この二人の右に出るものはいないと感じている。この “Sloppy Drunk” でも、リトル・ウォルターは始終ヴォーカルにからんでいるけれど、それが決してうるさくなく、邪魔でもなく、逆にこの曲の重要な部分となっているのである。
人から聞いた話で、真実かどうかは定かではないのだけれど、キムは、「リトル・ウォルターは自分よりも上手い」 と言っているそうである。私としては、「そんなことはない。ブルース・ハープの歴史の中では、キム・ウィルソンだってリトル・ウォルターと同じくらい重要なハーピストだ」 と思うのだが、本当に上手い人というのは謙虚さをいつも心に持っているものなのだろう。
08.26.08
Champagne and Reefer
ブルースについて話をする時、”pelvis” とか “pelvic” とかいう言葉を耳にすることがあります。ブルースは腰で感じる音楽なのでしょうか。
私が “pelvic” だなあと感じる曲のひとつに、マディ・ウォーターズ (Muddy Waters) の “Champagne and Reefer” があります。以前紹介したアルバム、”King Bee” に収められている曲です (>King Bee)。うちのバンドでも、最近レパートリーに加えました。この曲はコード進行が変わっているのですが、それがまたなんとも気持ちが良いんですね。慣れるのにちょっと時間がかかりますが、何度か繰り返すうちに、身体で覚えて自然に演奏できるようになります。12 bar の感じで次のコードに行きたくなるところをぐっと押さえて、じらしてから次のコードに移る感じがたまらなく好きです。
YouTube で、スタジオとライブの両バージョンを聞くことができます。
>Muddy Waters – Champagne & Reefer (studio)
>Muddy Waters – Champagne & Reefer (live)
ハーモニカは、ジェリー・ポートノイ (Jerry Portnoy)。

相変わらずお手本のような演奏をしていて、それがこの人が批判されてしまう理由でもあるわけですが、私はやっぱり好きですね。確かに批判したくなる人の気持ちもわかるのですが、彼の完璧な演を聞いていると、ハーピストの中のハーピストなんだよなあ、と思わずにはいられません。
08.04.08
One More Again! – William Clarke
先日のビッグ・ウォルターのニュー・アルバムに続いて、今日はウィリアム・クラーク (William Clarke) のニュー・アルバム。その名も One More Again!
ウィリアム・クラークは大好きなプレイヤーです。分厚い音色で攻めるマッチョな演奏。この人のアルバム / 曲で “Blowin’ Like Hell” というのがありますが、彼のハープは正にそんな言葉がぴったり当てはまります。こういう目一杯吹きまくるような演奏は、かなり上手くやらないと耳障りなだけなのですが、そこをうるさいだけの音楽にならないように巧みに仕上げるところが、この人の力量だと思います。
彼のソロは、ロングトーンで攻めるシンプルなものが多いのですが、たまに、速いリフやリックを素晴らしく吹いている曲もあります。そんな演奏を聞くたびに私は、ウィリアム・クラークは速く吹くこともできたけれど、あえて猛烈な音色で奏でるロングトーンを使って演奏することを好んですることが多かったのだろうな、と思います。そういうところが、私が彼を好きな理由です。
さて、このアルバムは1993年に録音されたもので、ウィリアム・クラークの妻、ジャネットさんによって最近プロデュース / リリースされたものです。 ジャネットさんはウィリアムが亡くなった後、彼のCDやDVDをリリースしていて (販売は娘のジーナさんが手がけていることが多いです。)、これはファンにとってとてもありがたいことです。
素晴らしい音色のクロマティックとダイアトニック。見事なフレージングの歌。気持ちの良いウェスト・コースト・ブルース、、、ああ、かっこいい。これまでにリリースされた曲も数曲入っていますが、アレンジが違うので、ファンとしてはその違いを楽しむのもひとつの喜びです。
更に注目すべきは、ギターのアレックス・シュルツ (Alex Schultz)。今年の5月にブルース・フェスティバルでライブを見て以来、大好きになったギタリストです。味のあるソロも最高ですが、バッキング・アップもものすごく上手い。私はギターは弾かないのですが、ミュージシャンとしての彼のアプローチは、とても勉強になりました。
彼の演奏は冷静すぎるという批判をする人もいるようですが (しかし批判というのはどこにでもあるものですね。)、私は目の前で演奏するアレックスを見て、彼のギターと音楽に対する愛を感じました。多くの有名なミュージシャンと共演しているものすごい人なのですが、話した感じは素敵なジェントルマンで、そんなこともあって、私はアレックスの大ファンになってしまったのであります。
One More Again! はこちらで購入できます
>William Clarke New Released CD One More Again!
Alex Schultz の MySpace のページ。彼の音楽が聴けます。
>Alex Schultz (MySpace)
08.03.08
Bocce Boogie – Big Walter Horton, Johnny Nicholas, Ronnie Earl
ビッグ・ウォルターのニュー・アルバムがリリースされたらしいですね。1978年に録音 / リリースされたものの再リリースらしいです。まだ買っていないのですが、これは絶対に欲しい!ロニー・アール (Ronnie Earl)、シュガー・レイ (Sugar Ray)、リトル・アンソニー (Little Anthony)、マッドキャット・ウォード (Mudcat Ward) という顔ぶれは、”Little Boy Blue” と同じ。”Little Boy Blue” といえば、ビッグ・ウォルターのアルバムの中でも大好きな一枚で、このブログの初回の記事にもしたくらいです (>Little Boy Blue – Big Walter Horton)。なので、このニュー・アルバムにも期待が高まります。
こちらのリンクから、試聴 / 購入 / ダウンロードができます。
試聴した感じでは、やっぱりかっこいいですね。う~ん、欲しい!
07.23.08
King Bee – Muddy Waters
マディ・ウォーターズ (Muddy Waters) の最後のスタジオ・レコーディング。
これよりも好きなマディのアルバムはあるのですが、ジェリー・ポートノイ (Jerry Portnoy) の演奏が光っているので、今日はこのアルバムを選びました (何といっても、ハープブログですからね)。
ジェリーの吹くハーモニカは、ダーティ (dirty) でダーク (dark) な音色が特徴ですが、このアルバムは全体にヘビーなサウンドなので、彼の演奏が一段とぴったりくるような気がします。
「ジェリー・ポートノイは確かに上手いけど、安全牌を切ってばかりで、ライブはつまんない」 という話をある人から聞いたのですが、このアルバムのセクシーで淫らな音色を聞いていると、「そんなことどうでもいい!やっぱりジェリーはかっこいい!」 という気分になります。このアルバムを聞くと、いつも 「おおおお、dirty!」 とか、「う~ん、naughty!」 とか叫びたくなってしまう私です。
ジェリーとは関係ないのですが、私は、このアルバムの裏のマディの写真がすごく好きです。
ボブ・マゴーリン (Bob Margolin) によるライナー・ノーツには、このアルバムについての裏話が書かれているのですが、それを読みながらこのマディの写真を見ていると、なんだかとても切なくなります。
07.16.08
Now You Can Talk About Me – George “Harmonica” Smith
他のハーピストに比べると有名度はいまいち低いジョージ・スミスですが、この人に影響を受けたハーピストは多いです。ウィリアム・クラーク (William Clarke) やロッド・ピアッツァ (Rod Piazza) などに続くウェスト・コースト・ブルース・ハープのスタイルは、この人なしには始まりません。
迫力のダイアトニックと、美しく妖艶なクロマティック。どれも良い演奏なのですが、私がこのアルバムで一番好きなのは、ロッド・ピアッツァが参加している “Astatic Stomp”。ロッドの完璧とも言えるソロから始まり、その後、張り裂けるように始まる (この人は、本当に特色のある音色をしていますね。) ジョージのソロ。それに答えるロッドのソロの出だしは、太いビブラート。お互いを影響、刺激し合いながら音楽を作り上げていく二人。最後の掛け合いもかっこいい。「ブルースって素晴らしい音楽だなあ」 と思う一曲です。
ブルース・ハープのデュエットというのは、上手く演奏するのはとても難しいと思うのですが、この曲は本当によくできていると思います。何度聞いても飽きない一曲です。”Astatic Stomp” というタイトルも、洒落ているじゃありませんか。
06.26.08
Memphis Barbecue Session – Big Jack Johnson with Kim Wilson
モダン・ハーププレイヤーで一番好きな人は?と聞かれたら、私は「デニス・グルンリング (Dennis Gruenling)かキム・ウィルソン(Kim Wilson)」と答えるだろうと思います。この二人はどちらも大好きで、甲乙つけられません。
キム・ウィルソンは、リトル・ウォーターに近い感じの明るい音色で、スウィング感のある、ソウルフルな、最高にかっこいい演奏をします。前述のデニスも、キムの話をした時に、「キムみたいにスウィングする奴は他にいない」と言っていました。
リトル・ウォーターの影響が強く見られるキムの演奏を、「リトル・ウォーターの真似してるだけじゃん」と批判する人も中にはいますが、私は決してそんなことはないと思います。確かに彼の演奏を聴いていると、フレージングなどがリトル・ウォーターにそっくり!と微笑んでしまうことはあります。でも、キムの場合は、ただ単に真似をしているというよりも、しっかり消化して吸収して、自分のものにした演奏だと感じます。だいたい、ブルースという音楽は、先代の演奏を受け継いで、そこにオリジナリティを足していくものなので、こうした批判は実にナンセンスだなあ、と思います。
キム・ウィルソンのアルバムは良いものがたくさんありますが、今日は敢えて、キムが参加しているBig Jack Johnsonのアルバム、”Mempshis Barbecue Session”を紹介したいと思います。全編、アコースティックで奏でられる、ビッグ・ジャック・ジョンソンのギターと歌と、キムのハーモニカ。それと、スペシャル・ゲストでパイントップ・パーキンス(Pinetop Perkins)が何曲かピアノで参加しています。
演奏される曲は、ビッグ・ジャック・ジョンソンのオリジナルの他に、リトル・ウォルターの”Don’t Care Nothing”や”My Babe”、John Lee Hookerの”Blue Bird”、Jimmy Reedの”Big Boss Man”、Elmore Jamesの”Dust My Broom”など、盛りだくさんです。”My Babe”は、キムがリードするインストゥルメント・バージョンで、とても面白い仕上がりとなっています。
アルバム名の通り、セッション色が強くて、それがこのアルバムの魅力の一つだと思います。ブルースの醍醐味はジャム・セッションと、インプロヴィゼイション (アドリブ / 即興) だなあ、とつくづく感じる一枚です。








