2008/07/31

Paul Lamb

Posted in ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー tagged , , , @ 10:11 am by Yuki

イギリスが誇るブルース・ハープ・プレイヤー、ポール・ラム (Paul Lamb)。ライブは何度も見ていて大好きなのですが、昨日は彼のワークショップがあったので、それに参加してきました。現在、うちの近くでは Gloucester International Rythm & Blues Festival というイベントが行われていて、このワークショップはその一環として行われたものです。ハープ以外の音楽記事は、日常のブログの方に書いているので、興味のある方はそちらをご覧になってください。
Jon Cleary
>The Matt Schofield Trio

さてポールのワークショップは、演奏法を教えるというよりも、演奏をまじえながら、彼がどうやって自分自身でハーモニカを学んでいったかという話をするといった感じでした。バンドのライブではアンプリファイドの演奏が多くて、もちろん私はそれも大好きなのですが、1.5メートルくらいの至近距離で、ソニー・テリー (Sonny Terry) やビッグ・ウォルター (Big Walter Horton)、ソニー・ボーイ2世 (Sonny Boy Williamson II) などのスタイルをアコースティックで演奏するポールを見るのは、とても貴重な経験でした。アンプを使って素晴らしい演奏ができる人は、やはりアコースティックの音色がいいんだよなあ、と改めて感じたのであります。

ポールの話で一番印象に残ったのは、自分の好きな一人のハープ・プレイヤーの演奏を綿密に研究して学ぶと、他のプレイヤーの演奏を学ぶのは比較的簡単にできる、というもの。ポールにとってはそれはソニー・テリーで、ソニー・テリーを必死でコピーしてマスターした後は、それを応用して他のプレイヤーのスタイルも学んでいくことができたのだと言っていました。一人の作曲家の作品を隈なく研究して学んだ人は、他の作曲家の作品を弾いても強いというのは、クラシック音楽でも言われることです。自分にとっての 「この人」 というのを見つけて、そのスタイルをみっちりと学ぶのは大切なことなのですね。私にとっては、ビッグ・ウォルターかなあ。きちんとコピーしたことがあるのはまだ数曲なので、もっと研究しなくては。

ワークショップの後は、マイケル・ローチ (Michael Roach) とポールのコンサートがありました。二人ともマイクもアンプもPAもなしの、純粋なアコースティックの演奏。こういうアコースティックのデュオで演奏するポール見たのは初めてだったので、とて興味深かったです。

その後、マイケル・ローチがワークショップ参加者にも演奏の機会を与えてくれたので、私も彼と一緒に一曲演奏させてもらいました。こういうシチュエーションで演奏するのは初めてだったので緊張したし、反省する点ももちろんあったのですが、とっても楽しかったです。インプロヴィゼイション (アドリブ / 即興) も気持ちよくできて、なんとか意味のあるものになったと思います。家での練習はもちろん大切ですが、ある程度上手く吹けるようになったら、ジャムなどに参加して他のミュージシャンと演奏することも、ブルースでは大切だと思います。そこで失敗したり、家で簡単にできることができなかったり、逆に家ではしたことがないことができてしまったり、そういう経験をして新たな練習の課題ができて行くのだと思います。というわけで、今晩もジャムです!

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2008/07/30

グラスで練習

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 tagged , @ 12:53 am by Yuki

ここ数日、アコースティックの音色が数段よくなったのを実感しているのですが、アンプリファイドの音色は停滞したまま。生の音色はかなり満足いくものになってきたのに、アンプを通すとへなちょこな音しか出ないということは、マイクの持ち方に原因があるんですね。ということで、今日はマイクの持ち方に力を入れて練習しました。

アンプリファイド奏法では、手でマイクとハーモニカを密封して、気密性を高くすることが大切だというのはよく言われることですが、私は手が小さいので、これがとても難しいのです。ほんの少しの隙間が大きな音色の差を生むので、なるべく隙間を埋めることを心がけて小一時間練習しました、、、が、アンプから出てくる音は、少しは改善されたものの、あまりぱっとしません。隙間は特に見当たらないのになぜ?と、ここでかなり落ちこんでくじけそうになったのですが、めげずにマイクをグラスに持ち替えて練習。マイクはグラスよりも一周り小さいので、グラスで練習をするとマイクを持つのが楽になる、と誰かが言ったのを思い出したのであります。私がいつも使うのは、マイクよりも一周り大きい、直径7cmのグラスです。

ああでもない、こうでもないと、手をごそごそと動かしながら練習すること小一時間。すると、ある瞬間、手の皮膚と口の周り皮膚がぴったりとくっついているような感じがありました。「あれ?これはなんだか今までと違うぞ?」 と思って、もう少し手をごにょごにょと動かしてもう一度吹いてみると、音がしっかりとミュートされている!このグラスを使った練習はこれまでもしたことがあるのですが、こんなに手と顔に密着間を感じたのは初めてです。興奮しつつも、忘れないようにそのままもう暫く練習して、今度はマイクに持ち替えて練習。夜遅かったのでアンプは通しませんでしたが、音はかなりミュートされています!これまでは、マイクやグラスを持つと、アコースティックでは簡単にできるフレーズが吹けなかったり、スムーズな演奏ができなかったりしたのですが、その点も改善されて、自然な動きができるようになりました。

マイクの基本的な持ち方というのは色々な人が教えていますが、手の形や大きさ、また顔の形は人によって違うので、あれこれ試しながら、自分に合ったグリップを見つけて行くしかないのだと思います。私の場合は、左手の親指と人差し指と中指で、ハーモニカをがっちりと押さえすぎていたのが問題だったようです。ハーモニカは親指の上にバランスをとるように載せて、上に載せる人差し指と後ろに当てる中指は、そっと添える程度の力にしたら、うまく行くようになりました。

今日は難関をひとつ突破した感があって、とってもうれしいです!

2008/07/26

オクターブ下の音を歌う

Posted in テクニック, 音色 tagged @ 8:11 am by Yuki

昨日はアンプリファイドの練習をしていて、「もうちょっと低音部が感じられる太い音色が欲しいなあ」 と思いました。日々の練習の成果があってか、全体に音色は良くなってきたのですが、まだまだ改善する点はあると感じています。音色の追求には終わりがありませんね。

良い音色を作るためには、口の中を開けることが大切だということは、前に書きましたが (>熱い息で演奏する)、昨日は、それを上手く感じられる方法を使って練習しました。オランダ人のハープ職人 / ハーピストである友人が随分前に教えてくれた方法なのですが、すっかり忘れていて (その頃は、私はまだ真剣にハープに取り組んでいなかったんですね。)、昨日、「なんとかもう少し音色に厚みが出ないものか」 と考えていた時に、この練習法をふと思い出したのです。この友人は、分厚い音色を持つことで有名なので、これは良い練習になると思います。

例として、A調のハープの2番ドロー (ミの音) を使いますね。まず、この音を声に出して歌ってみます。発音は、エとかイだと口が横に広がるので、オが良いと思います。「オーーー」 です。それができたら、その音を、1オクターブ下げて歌います。オペラ歌手にでもなったつもりで、低く太く 「オーーー」 です。そして、その口と喉の形を保ったまま、2番穴をドローします。すると、良い音が出ませんか?

私は、歌うのを1オクターブ下げたところで、口の中がぐわっと広がって、喉がぐっと下がって開くのが感じられます。これまでも口の中を開けることは注意して練習してきたのですが、まだまだ開く余地はあったのだと驚きました。そしてうれしいことに、音色も変わりました!後は、これを毎回注意して練習して、いつでも自然にできるように、喉の筋肉を鍛えて、筋肉の記憶 (英語ではマッスル・メモリー = muscle memory と言います) を発達させるのみです。

一歩先に進むコツがつかめて、昨日は有意義な練習ができました。普段使わない筋肉を使うので、長く練習すると喉がちょっと疲れますが、筋肉が鍛えられているのだと思えば、練習もはかどります。今日もがんばるぞー。

2008/07/25

疲労

Posted in ハープ日記 @ 9:16 am by Yuki

昨晩は、ジャムで3曲ほど演奏させてもらいました。今更ですが、ハーモニカって難しいですね。最近は、練習して上達したと思ってジャムに行って、自分の力のなさを思い知って、また練習して自信がついて、ジャムで打ちのめされる、、、の繰り返しです。ジャム・セッションは、一緒に演奏する人やグルーヴが毎回違うので難しいですね。まあ、それがジャムの良いところで、本業のピアノだとそのスリリングな感じが楽しいのですが、ハープはまだまだだと実感しました。理想の演奏にはほど遠い現状です。

更に、昨日はブログにちょっと乱暴なコメントの書き込みがあり、どっと疲れてしまいました。好き勝手なこと書いているわけですから、反対意見のコメントももちろん歓迎なのですが、昨日のコメントは 「いや、あなたは間違っています。このハーピストは最高に素晴らしい演奏をするんです」 というような道理に合ったものではなくて、メール・アドレスやURLも記入せずに、ぞんざいなコメント一行のみだったので、後味が悪かったです。私自身も勝手なことばかり書いていますが、このブログにリンクしている自分のホームページではメール・アドレスも本名も公開しているので、このコメントをした人よりは、ずっとフェアだと思うのですが、、、。スパム扱いで削除してもよかったのですが、それもなんだか逃げているようで嫌だったので、できるだけ丁寧に対処しました。ブログをやっている以上 (そしてそこで自分の意見を正直に書いている以上)、こういうのは避けられないことなのかも知れませんが、それにしても気分が重かったです。

そんなこんなで、ジャムが終わって深夜帰宅した頃には、「もうハープもブログもやめてやる!」 と一瞬思いましたが、もちろんやめません。今日も練習です。アンプリファイドの練習ももっとしなくては。

2008/07/24

Jason Ricci

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 10:14 am by Yuki

ハーモニカに限らず、速弾き (吹き) で攻めるブルースの演奏は好きではないのですが、唯一例外なのが、ジェイソン・リッチ (Jason Ricci)。

この人の演奏に対するアプローチは全く新しいもので、ブルース・ハーモニカの新境地とも言えると思います。初めて聞いたときは自分の耳を疑って、ぶっとんで、感動して涙がでました。

速吹きのプレイヤーですが、この人の演奏は、一音一音と、その音が作り出すフレーズに、きちんと意味があります。それに、速吹きをしても、間を取るところではたっぷり取るので、「速いだけ」 の演奏で終わらずに、しっかりと聞き手に訴えかけてきます。そういうところが、シュガー・ブルー (Sugar Blue) などの速吹きプレイヤーと違うところです (シュガー・ブルーが好きな皆様、ごめんなさい。ただ単に私の好みです)。

映像は、前半アコーティスティックで、後半アンプリファイドに切り替えて演奏するジェイソン。速吹きでも、きちんとハープが泣いています。速吹きのプレイヤーではありませんが、私はマーク・ハメル (Mark Hummel) が好きではなくて、「どうして彼の演奏は、心にぐっとこないんだろう」 と考えたことがあったのですが、彼の演奏はハープが泣かないんですね (マーク・ハメルが好きな皆様、ごめんなさい。あくまで私の好みです)。やっぱりブルース・ハープは 「泣き」 が入ってこそだと思います。

ジェイソンは、絶対にライブを見てみたい人の一人です。

2008/07/23

King Bee – Muddy Waters

Posted in CD tagged , @ 8:55 am by Yuki

マディ・ウォーターズ (Muddy Waters) の最後のスタジオ・レコーディング。
これよりも好きなマディのアルバムはあるのですが、ジェリー・ポートノイ (Jerry Portnoy) の演奏が光っているので、今日はこのアルバムを選びました (何といっても、ハープブログですからね)。

ジェリーの吹くハーモニカは、ダーティ (dirty) でダーク (dark) な音色が特徴ですが、このアルバムは全体にヘビーなサウンドなので、彼の演奏が一段とぴったりくるような気がします。

「ジェリー・ポートノイは確かに上手いけど、安全牌を切ってばかりで、ライブはつまんない」 という話をある人から聞いたのですが、このアルバムのセクシーで淫らな音色を聞いていると、「そんなことどうでもいい!やっぱりジェリーはかっこいい!」 という気分になります。このアルバムを聞くと、いつも 「おおおお、dirty!」 とか、「う~ん、naughty!」 とか叫びたくなってしまう私です。

ジェリーとは関係ないのですが、私は、このアルバムの裏のマディの写真がすごく好きです。

ボブ・マゴーリン (Bob Margolin) によるライナー・ノーツには、このアルバムについての裏話が書かれているのですが、それを読みながらこのマディの写真を見ていると、なんだかとても切なくなります。

2008/07/21

魅惑のホール3

Posted in テクニック tagged , , @ 11:26 pm by Yuki

「ブルース・ハープは吹くのではなくて、吸って演奏する」 という話を聞いたことのある人は少なくないと思います。ブルースの演奏においては、ブロウ音よりもドロー音の方が、表情に富んだ音色を持ちます。そして、そのドロー音よりも、更に表情豊かでブルージーな音色を持つのが、ベンド (ドロー・ベンド) 音です。ブルースにおいてのベンド音は、通常のブロウとドローでは得られない音程を補うだけではなく、ブルース的な 「色」 を演奏に加える、重要な役割を持つのであります。

今日は、このベンド音が3つもある3番穴についての話です。この穴はすごいです。演奏する人によっては、この穴だけでブルースは演奏できてしまうというくらいの表現力があります。往年のハープ・プレイヤーは皆、この3番穴を駆使しているし、現在のプレイヤーでも上手いと思う人は皆、3番穴の使い方に長けています。 逆に言うと、3番穴を上手く使いこなせるかどうかは、素人と玄人を分けるポイントのひとつなのです。

表情豊かなブルースを演奏するために、この3番穴は欠かせないのですが、これを自由自在に使えるようになるのは至難の業です。まず、

一.3つのベンド音を、正しいピッチと良い音色で鳴らすことができる

というのは大前提で、その後、

二.ブルー・ノートを含む、半音と半音の間の微妙な音程 (microtone = 微分音) をコントロールすることができる

三.音をスライドしたり、第1ベンド音にスロート・ビブラート (喉でするビブラート) をかけたりなど、音に表情をつけることができる

という段階を得て、やっと、

四.上記の3つを、効果的にセンス良くインプロヴィゼイション (アドリブ / 即興) に生かして行く

という、なんとも長い道のりです。

3番穴を使いこなすには、テクニック的な面の練習と同時に、色々なプレイヤーの演奏を聴いて、彼らがこの穴を使ってどのような表現をしているかを、耳をそばだてて聴くと良いと思います。泣いたり、怒ったり、囁きかけたり、じらしたり、存在を主張したり、、、様々なハーピストが、3番穴を使って本当に色々な表現をしています。今日も、ビッグ・ウォルター (Big Walter Horton) の、第1ベンドにかけられた美しいスロート・ビブラートや、半音と半音の間の微妙な音程を行ったり来たりするソロを聴いて、鳥肌が立ってしまった私です。

イギリスのハープ・プレイヤー、ジャイルス・キング (Giles King) は、この3番穴で奥さんを口説いたらしいです。彼が3番穴を吹いた (正確には吸った) 瞬間、ライブを観に来ていた彼女は何か特別なものを感じたのだそうです。演奏に表現力が増して、更に、素敵な女性 (または男性) を口説けてしまうなんて、言うことなしですね。みなさん、がんばって3番穴を上手く使いこなせるようになりましょう!

2008/07/18

インプロヴィゼイションの練習方法 ・ その3

Posted in テクニック tagged , @ 9:56 am by Yuki

今日から始めた、新しい練習法。ドロー音だけを使ってインプロヴィゼイション (アドリブ / 即興演奏) をするという練習です。ブロウ音を使わないということ以外は、通常と同じ様に演奏します (私はバッキング・トラックを使いました)。避ける穴を決めて練習する方法は以前書きましたが (>インプロヴィゼイションの練習方法 ・ その1)、今回はブロウ音すべてを避けるわけです。限られた音で、どうやって説得力のあるソロを作り上げていくかというのが、この練習の課題です。

大半の場合、ブルース・ハープは吹くよりも吸って演奏することが多いので、ブロウ音なしでもかなりのことができます。更に、ドロー音はブロウ音よりも表情のある音色を出しやすいので、うまくすれば、ドロー音だけでもすばらしい演奏になります。

使う音を制限すると、嫌でも通常のパターン以外の動きをしなければならなくなるので、インプロヴィゼイションをマンネリ化させないための良い練習になります。また、普段、音名やインターバル (音程) を考えずに演奏している人や、初心者でハーモニカに馴染みの薄い人にとっては、「この穴を吸ったら、この音が出る」 というように、楽器の音の配列 (またはインターバル) を熟知する助けにもなります。

2008/07/17

ポジション選びは誰がする?

Posted in ハープ日記 tagged @ 6:59 am by Yuki

ブルース・ハープの演奏をする時、ポジション選びというのが、演奏のひとつのポイントになります。ブルースで使うのは、主に、ファースト、セカンド、サード・ポジションですが、この3つのポジションは性格が異なるので、演奏する曲の雰囲気や、キーの高低に合わせて、ポジションを選んでいくわけです (ハープの持ち合わせがないから、という理由でポジションが決まってしまうこともありますが、それはさておき)。ハーピストにとって、ポジション選びとは、曲に対するアプローチの仕方を決める、大切な決断なのです。

ところが、ジャムなどでハーピストが曲のキーを聞くと、たまにこういうことを言われてしまいます。

「キーはG。だから、Cハープ。」

ミュージシャンで、ハープのことを少し知っている人の中には、「ハーモニカ = セカンド・ポジションで吹くもの」 と思い込んでいる人がいて、どの調のハープを使うかまで指定してしまうのです。私は、ジャムで演奏する時は上手く吹ける調以外では吹かないので (こんなブログを作っていますが、まだ初心者なのです。)、こんなことは言われたことがないのですが、私なんかよりたくさん経験のある周りのハープ奏者達が言うには、これは腹が立つらしいですね。「どのハープを使うかは、俺が決めるんじゃぁ!」 と思うらしいです。

上の例はまだ良い方で、曲のキーを聞いたら 「C」 と言われたので、F調のハープを手にして吹き始めたら (セカンド・ポジションですね。)、バンドが演奏していたキーははGだった、というひどい話も聞いたことがあります。これは、バンドの人が曲のキーではなくて、ハープのキー (G調の曲のセカンド・ポジション) を告げてしまった例です。

ハープ以外の楽器を演奏するミュージシャンの皆様、どうかハープのキーは、ハーピストに決めさせてやってください。。。

2008/07/16

Now You Can Talk About Me – George “Harmonica” Smith

Posted in CD tagged , @ 8:59 am by Yuki

他のハーピストに比べると有名度はいまいち低いジョージ・スミスですが、この人に影響を受けたハーピストは多いです。ウィリアム・クラーク (William Clarke) やロッド・ピアッツァ (Rod Piazza) などに続くウェスト・コースト・ブルース・ハープのスタイルは、この人なしには始まりません。

迫力のダイアトニックと、美しく妖艶なクロマティック。どれも良い演奏なのですが、私がこのアルバムで一番好きなのは、ロッド・ピアッツァが参加している “Astatic Stomp”。ロッドの完璧とも言えるソロから始まり、その後、張り裂けるように始まる (この人は、本当に特色のある音色をしていますね。) ジョージのソロ。それに答えるロッドのソロの出だしは、太いビブラート。お互いを影響、刺激し合いながら音楽を作り上げていく二人。最後の掛け合いもかっこいい。「ブルースって素晴らしい音楽だなあ」 と思う一曲です。

ブルース・ハープのデュエットというのは、上手く演奏するのはとても難しいと思うのですが、この曲は本当によくできていると思います。何度聞いても飽きない一曲です。”Astatic Stomp” というタイトルも、洒落ているじゃありませんか。

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