2008/08/13

Little Walter - その1

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 11:24 pm by Yuki

いろいろと書きたいことがあるのに文章がまとまらなくて、書きかけの記事ばかりが溜まっていく毎日である。こういう時は、偉大なるリトル・ウォルター (Little Walter) についてでもゆっくりと考えてみよう。外は大嵐で、風と雨の音しか聞こえない。こんな夜は、リトル・ウォルターについてならうまく書けるかもしれない。

アンプを使ってブルース・ハープを演奏したのは彼が初めてではないことは、現在では明らかになってはいるが、リトル・ウォルターが偉大であることに変わりはない。私は彼を天才だと思っている。リトル・ウォルターは、全く新しい音楽をブルースの歴史にもたらした。彼の音楽が新しかった理由は、マイクを握って演奏したことだけではなくて、もっと別の理由による。もちろん彼のアンプリファイド奏法は素晴らしいし、彼の死後40年経った今でも、多くのハーピスト達が 「リトル・ウォルターのあの音」 を求めて四苦八苦しているのも事実である。しかし今日は、リトル・ウォルターが 「アンプリファイド奏法を確立した革命児」 以上の存在であったことを書いてみたい。

リトル・ウォルターは、ジャズやジャンプ・ブルースの熱心なリスナーであった。とりわけ、サクソフォーン奏者のルイ・ジョーダン (Louis Jordan) の大ファンであったという。
初期はソニー・ボーイ・ウィリアムソン一世 (Sonny Boy Williamson I) の影響が強く見られる演奏をしていたウォルターであるが、次第にハーモニカをサクソフォーンのように歌わせるという独自のスタイルを確立して行った。誰も吹いたことがないリフやリック、誰も扱ったことのないフレージング、誰も形作ったことのない音のシェイプ。更には、ハーモニカ主体のブルースにジャンプ・ブルースのテイストを取り入れた彼の音楽自体が、全く新しいものであった。

現在では、ブルース・ハープをサクソフォーンのようにメロディアスに奏でることは普通であり、ジャズやジャンプ・ブルースを演奏するハーピストもたくさんいる。しかしそれは皆、リトル・ウォルターの功績があってのことであるし、それが、「リトル・ウォルターの影響を受けていないハープ・プレイヤーはいない」 と言われる所以でもある。

リトル・ウォルターの打ち出したスタイルが一般化された今、私達は彼がやってのけたことの偉大さを忘れそうになってしまうこともある。リトル・ウォルターは革命児であった。それは彼が残した素晴らしいアンプリファイドの演奏だけが理由ではないことを、いつも忘れないでいたいと思う。

関連リンク
Little Walter - その2

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