2008/10/30

Tone Workshop

Posted in 音色 tagged @ 7:16 pm by Yuki

今回のハーモニカ・フェスティバルでは、ワークショップにもいくつか参加しました。その中で印象に残ったものに、トーン・ワークショップ (Tone Workshop) というのがあります。以前、少し紹介したオランダ人の友人、ベン・バウマン (Ben Bauman) とうちの夫が共同で行ったワークショップです。友人と夫のワークショップだからというひいき目を抜きにしても、内容の濃い2時間だったと思います。

トーンというのは、つまり、音色のことですね。音色は演奏の良し悪しを決める大きな要因のひとつです。でも音色のみを題材にしたワークショップやレッスンをする人というのは多くありません。それだけ、よほどどきちんとしたメソードを持っていないと教えられない題材なのだと思います。

私はこのブログを作る前に、ネット上で、ブルース・ハープについて書かれた日本語のページをざっと読んだのですが、音色について書かれているものはとても少ないと感じました。CDの紹介で、「このプレイヤーは、タング・ブロックを使った分厚い音色です」 というようなことを書いている方、又は、ハーモニカのメーカーやモデルによる音色の違いについて書いている方はいました。でも、ブルース・ハープの吹き方についてのページで、音色の大切さについて説いたもの、更には、どうやったら良い音色が出せるようになるのかを書いたものは、私が見た限りでは (見落としたページももちろんあるかと思います。)、皆無でした。このブログをはじめたのは、実はこのこともひとつのきっかけなのです。ハープの音列とか、持ち方、ベンドの仕方、ポジションについてなどは、他の方が上手に説明していらっしゃるので、私はそういうことではなくて、「あまり語られてはいないけれど、本当はすごく大切なこと」 を書いてみたいと思ったのであります。

さて、本題のワークショップの話に戻ります。前半は、ベンが身体をリラックスさせる方法、呼吸法、音を身体に共鳴させる方法など、フィジカルな面での指導をし、後半は、夫が様々なテクニック (タング・スラップ、オクターブ、タング・トリル、ダーティー・ノートなど) を使って音色をパワーアップさせる方法を指導しました。タング・ブロックなどのテクニックをワークショップで取り上げる人はけっこういますが、こうやって 「音色」 というテーマの一環として色々なテクニックを紹介するというのはあまりする人がいないので、参加した皆さんは興味深く聞いておられたみたいです (夫よ、よくやった)。

ベンの呼吸法は、本人が 「呼吸法を学ぶには、声楽のレッスンを受けるのが一番だ」 と言うように、ハーピストというより声楽家みたいな指導でした (学生時代に副科で取った声楽のレッスンを思い出した私であります)。そしてこれが、すごく役に立つのです!

最近はだいぶ音色が改善されてきた私ですが、ジャムなどで他の上手いプレイヤーと自分の演奏を比べると、「音量が足りない」 と感じることがあります。音色自体は悪くないし、マイクの握り方もけっこう上手くできるようになったのに、音量が足りないのはどうしてだろう?という悩みがありました。力まかせに吹いても音色が悪くなるだけなので、強く吹き込む (又は吸い込む) ことと音量を得るということは別なのだとはわかっていても、それ以上のこと - どうしたら改善できるのかということ - がわからなかったのです。夫に相談しても、「身体の中にあるスウィート・スポット (sweet spot) を押さえて、そこで感じるように吹けばいい」 とかなんとか言うばかり。まあ、このスウィート・スポットというのはピアノの演奏にもあるので、言いたいことはよくわかるのですが、具体的なこと (例えばそのスポットはどこにあるのかとか) は、わからずじまい。

でもですね、このベンのワークショップに参加してから、なんだかちょっとそれがわかり始めた気がするのです。私はこれまで、音を外に送り出そう、とばかり考えすぎていたのだと思います。もちろん、音は楽器から外に出て行くわけですが、イメージとしては、音を身体に取り込むような感じで、身体に響かせるようにした方が、音色もよくなるし音量も出てくるのだと今は感じています。ハーモニカは歌と同じで、身体が楽器なんですよね。まあこれは前から頭ではわかっていたことなのですが、実践できていなかったんですね。身体を共鳴版のように使うということの大切さを改めて感じたワークショップでした。

ということで、この2~3日は、トーン中心に練習しております。きちんと注意して練習すると、低い方の音では実際に胸や喉が共鳴して震えるのが感じられます。もしかして、これが噂のスウィート・スポット?

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4件のコメント »

  1. たいじ said,

    >身体を共鳴版のように使う

    これができたら、すごく気持ち良さそうですね。
    早速、練習の時に意識してみます。

    そういえば、Jason Ricciも、人間の身体をギターのボディーに例えていたような気がします。
    You Tubeのレッスンで見ましたが、英語なので聞き間違いだったりして。。。

  2. Yuki said,

    >たいじさん

    ジェイソンもそんなこと言ってましたか?

    意識するって大切ですよね。考えて、意識して練習することが、上達への近道だと思います。お互いがんばりましょうね!

  3. tsudda said,

    他の楽器についてさほど詳しくない私が言うのもアレですが、吹き吸いがあるハーモニカはフィジカルな影響が非常に出やすい楽器かと思います。口腔内から喉、あるいは更にその下のフォルムには常に悩んでますね。私の場合、音量は出てると思うのですがトーンが不安定で、そこが課題と感じています。

    >声楽のレッスンを受けるのが一番だ
    元々(素人なりに)唄うのが好きで、クラシックの声楽も結構聴いてるので、いつか声楽のレッスンも受けてみたいですね。目指せギャウロフ!(…実際の私はテナーかハイ・バリトン辺りですけど)

  4. Yuki said,

    >tsuddaさん

    うまい人の演奏は、きちんと 「体に響かせている」 という音がします。私も音量がなさすぎるというわけではないのですが、そういう 「音質としての音量」 を目指して練習に励んでいます。


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