2009/04/05

アンプは楽器の一部

Posted in ハーモニカ小物 / お手入れ tagged , @ 1:43 pm by Yuki

先日、ハープ仲間でアンプを持ち寄って、アンプ比べ大会を行いました。アンプは全部で5台でしたが、メインは Fender Bassman 2台 (1台は Rod Piazza モデル) と Sonny Jr Four-Ten の吹き比べ。同じセッティッングでどれだけ音が違うかとか、マイクを変えたらどうなるかとか、ああでもない、こうでもない、とハープおたくが集まって楽しい一時を過ごしたのでした。

機材にはどうものめりこめない私は、おたく度丸出しの集まりに参加して、やっぱりもっと勉強しようかなあと反省したりもしたのですが、それと同時に、エキップメントにものすごく詳しい人が、「タングブロック・ベンドがまだできないんだよね。」 などと言っているのを聞いて、「機材へのこだわりに費やすその膨大な時間を、タングブロック・ベンドの練習に少し回した方がよいのでは?」 と人事ながら疑問に思ったのも事実です。大切なのはバランスですね。

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ジャムなどに参加するたびに思うのは、アンプを本当の意味で使いこなせている人は非常に少ないということです。私を含む初心者は、マイクのグリップが上手くできていなかったり、アンプから聞こえてくる音に惑わされて身体への共鳴ができなくなったり、音のイメージとテクニックが結びつかなかったりなどの理由から上手くいかないことが多いのですが、長年アンプリファイド・ハープを吹いてきた人でも、アンプを楽器の一部として使いこなしている人はほんの一握りだと感じます。

アンプを通して吹く場合、強いアタックを使ったりディストーションを起こしたりして、ヘビーなサウンドを作り出すことに心を砕く人が非常に多いです。でも、アンプリファイド・ハープの魅力はそれだけでは決してないと思うのです。曲の最初から最後まで、ヘビーなサウンドでがーっと吹き倒す人も多いですが、そういうのを素晴らしく上手くやってのけるのはジェームス・コットンくらいではないでしょうか。大抵の場合は、一定の大きな音量、一定のヘビーな音色が延々と続くそういう演奏は、半分くらい聞いただけで、「もうやめて~」 と思ってしまいます。先日紹介したキム・ウィルソンのインタビューでも、キムが言っていましたね。聞き手が 「パンチが来るぞ!」 と予想している所では、パンチはしないものなのです。まして、パンチだらけでは聞き手はすぐにおなかいっぱいになってしまいます。パンチは有効に使いましょう。

上手い人達の演奏を聞くと、「何か特別なことが奏者とアンプの間で起こっている。」 と目に見えて感じる瞬間があります。私自身できるわけではないので具体的な説明はできないのですが、眠っていたアンプの機能がぱっと目覚めたような音がするのです。でも彼らは、決して強く吹いているわけではないんですよね。マイクを離して吹き続けてもらい、アンプを通さない音を聞くと、「こんなに静かに吹いているんだ」 と驚きますよ。上手い人達に共通するのは、楽器やアンプを強いることではなくて、同調させることで多彩な音色と表現力を作り出そうという姿勢だと感じます。そしてそれが、「アンプを楽器の一部として鳴らす」 ということだと思うのです。

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