2010/09/13

Treme

Posted in ハーモニカ以外 tagged @ 5:23 pm by Yuki

先日、ジョン・クリアリーについて書きながら思い出したのが、ちょっと前に見た 『トレメ』 というアメリカのドラマ。ハリケーン・カトリーナから3ヵ月後のニューオリンズのトレメ地区を舞台に、さまざまな人間模様が繰り広げられます。家をなくした人、家族が行方不明になっている人、それに対する警察や政府の惨い対応・・・。こういう題材を扱ったドラマは、「実際はこんなものではなかった」 という批判が付き物だと思いますが、この 『トレメ』 は、その正確で誠実な描写から、ニューオリンズの人々にも受けられたのだということです。

第一話は、カトリーナ後のトレメ地区で、初めてセカンド・ライン・パレードが行われる、というシーンから始まります。私はもう、これだけですっかりやられてしまったのでした。シリーズを通して、ジャズ・フュネラルの様子や、インディアンのトライブがひとつひとつ衣装を手作りする様子、歌を練習する様子などもあり、ニューオリンズ好きにはたまらないドラマだと思います。

一応、トローンボーン吹きのアントワンが主人公となっているようですが、実際には重要なキャラクターが他にも何人かいて、その一人一人の人生を描いていく、という感じでドラマは進んで行きます。話の進行がちょっと遅いので、スピーディーでドラマティックな展開をドラマに求める人には、ちょっときついかなという気もします。しかし、10話すべてを総括するような、シリーズ最終回のあの持って行き方は最高でした。思い出しただけで鳥肌立っちゃいます。製作者のデヴィッド・サイモン (David Simon) は、「史上最高のドラマ」 と賞賛する人も多い “The Wire” というドラマを作った人で、こういう手法は彼の作品の特徴なのだそうです (私は “The Wire” は見ていないのでよくわからないのですが)。

それから、ほぼ毎回、ニューオリンズのミュージシャンがゲストで登場して、これもまたニューオリンズ・ミュージック好きにとってはうれしいところです。思い出せるところだけで、アラン・トゥーサン (Allen Toussaint)、ジョン・クリアリー (Jon Cleary)、アーマ・トーマス (Irma Thomas)、ドクター・ジョン (Dr.John)、ジョー・クラウン (Joe Krown)、カーミット・ラフィンズ (Kermit Ruffins)、トロイ・アンドリュース (Troy Andrews)、トム・マクダーモット (Tom McDermott) などなど。

現在、シリーズ2を製作中とのことで (アメリカのドラマはだいたい、1年に1シーズンという形で製作 ・放送され、ドラマの人気がある場合は何年も続くことがあります。)、今から楽しみにしています。

トレイラーはこちら>Treme Trailer #3 (HBO)

広告

2010/09/12

Jon Cleary

Posted in ハーモニカ以外 tagged @ 10:58 am by Yuki

私が最も好きな現役ピアニストの一人、ジョン・クリアリー。出身はイギリスですが、ニューオリンズに長く住んで勉強をした人で、真のニューオリンズ・サウンドを奏でる代表的なミュージシャンです。

2年前の英国ツアーは、The Absolute Monster Gentlemen という4ピースバンドでの演奏だったのですが、今年はドラムス、ウッドベース、アコースティック・ピアノのトリオとしてのツアーでした。前回のモンスターズとの演奏は本当に素晴らしくて、バンドサウンドとしてはこれまで見たどのバンドのライブでよりも優れた最高のものでした。今回はトリオ、しかもアコースティックのピアノでのツアーということで、こだわりのあるサウンドを作り出す彼がどんな演奏をするのか、とても楽しみにして行きました。

今回はトリオということで、よりジャズとラテン音楽の要素が強かったのですが、それがニューオリンズ・ファンク、R&B と混ざり合って、オリジナルなかっこいいサウンドとなっていました。やっぱりジョン・クリアリーはすごいです。数曲、ベースの人がスーザフォンを演奏したのですが、これはもう完全にセカンド・ラインのノリでした。こういう本物のニューオリンズサウンドはなかなか聞けるものではありません。

ジョン・クリアリーは、ジェームズ・ブッカーからじきじきに手ほどきを受けたこともある人で、たまに 「ブッカー節」 みたいなのが入ったりもして、そういうのを聞くとちょっと感傷的になってしまいます。握手してもらった時も、「ブッカーもこの手を触ったかもしれない」 と考えてしまった私でした。

来年も来てくれないかなあ・・・。