2011/05/31

トーンは自分自身の中に - マーティー・ドッドソン

Posted in テクニック, ハーモニカ以外, 音色 tagged , , , @ 8:57 am by Yuki

マーティ・ドッドソン (Marty Dodson) のドラムを聞くと、「ドラムにもトーン (音色) ってあるんだよなあ」 と改めて思うことが多い私です。ドラムに詳しいわけでは全くありませんが、この人は音がすごくきれいだと思います。先日の記事で、ジョン・ネメス (John Nemeth) がキッド・アンダーセン (Kid Andersen) や ランディ・バミューデス (Randy Bermudesa) と演奏しているクリップを紹介しましたが、そこでもドラムを叩いていたのがこの彼です。全体に気持ち良い演奏ですが (この人のドラミングはどうしていつもこんなに気持ちが良いのでしょう。)、特に曲の始め、4小節のイントロの4小節目 (0:11 あたり) のトーンが好きで、何回でも聞けちゃいます。シャンパンの泡がはじけるかのような美しいトーン。

John Nemeth & Kid Andersen – She’s Looking Good

彼の作り出すシャッフルのリズムとグルーヴも最高ですが、それを際立たせているのも、このクリアなトーンのような気がします。デヴィッド・バレットのサイトからの映像で、ドッドソンが様々なシャッフルの説明をしているクリップがあって、これがまた素晴らしい。ハーモニカ (David Barrett)、ギター (Rusty Zinn)、ベース (RW Grigsby) を加えての、バンドサウンドのデモンストレーションもあって良いお勉強になるかと思います (バックビートについての話などもしています)。

>Shuffle, Part 1 – Blues Harmonica Band Performance Training: Groove for BluesHarmonica.com

マーティーは、「どういうシャッフルを演奏するのかというのは、他のプレイヤーがどういった演奏をしているのか、どういったサウンドを作り出そうとしているのかによる」 と言っていますね。こういうところにも激しく同意。

それから、デヴィッド・バレットがこのお三方に、「ハーモニカ・プレイヤーが取り組むべき課題は何か」 という質問をするクリップもあって、そこでマーティーは、トーン (音色) についてこのようなことを言っています。

「いつもと違う音響の部屋で演奏する時、自分の望むトーンが得られないからといって、ハーモニカプレイヤー達がものすごく欲求不満を感じているところを見たことがある。僕も同じ欲求不満を感じることがあるよ。ドラムだってトーンがあるからね。チューニングを変えることだってできるし、例えば、スネアのボディが十分に聞こえない環境で演奏しなくちゃならないことだってあるかもしれない。演奏する部屋の音響がタムには合わなくてもスネアには合うということだってあるかもしれない。バスドラムが良く鳴らないということだってある。それが現実だし、そういう問題は付き物だよ。良いトーンを得ることをあきらめろって言うわけじゃないよ。でも、トーンはエキップメントの中にあるんじゃないって僕は確信している。エキップメントの中ではなくて、指とか、ドラムの叩き方とか、ハーモニカの吹き方とかの中にあるのがトーンなんだ。トーンは自分自身の中にあるもので、僕らはそれを自分自身で探し出さなくちゃいけない。これは音楽的にも肉体的にも、紛れもない真実だよ。だから、部屋の音響が良くないからってそんなにイライラしないで、他のバンド・メンバーと一緒に音楽的な演奏を作り出すことにエネルギーを注ぐことが大事なんだよ。」

難しいシチュエーションで演奏しなくてはならない時、私はこのマーティーの話の最後のくだりを思い出すようにしています。つい先日も、ひどいサウンドマンのおかげでステージ上でピアノとヴォーカルがほとんど聞こえなく (立派なPAだったし、しかもフル・バンドではなくて、ピアノ、ギター、ハーモニカのトリオだったんですよ!それでこれ以上は無理って!?)、一瞬パニックに陥りそうになったのですが、そこでふっとこのマーティーの言葉を思い出して救われるということがありました。ありがとう、マーティー。しかし、この方もなかなかの男前ですね。ちょっとさっぱりしすぎている感じが私のタイプとは違うのですが、巷の女子には人気がありそうです。

それはさておき、こうしてハーピスト以外のミュージシャン (しかも彼らのようなトッププレイヤー) によるハーピストへのアドバイスが聞ける機会ってあまりないので、とても興味深いですね。こういうビデオを作るあたり、デヴィッド・バレットはやはりさすがだと思います。他のアドバイスも勉強になるので、ぜひご覧になることをおすすめします。私は、ラスティ・ジンの、「もっと多くのハーモニカ・プレイヤーに歌を歌ってほしい」 、「音楽の構造を理解するために、ギターやピアノなどを学ぶと良いと思う」 という言葉に共感しました。

Rusty Zinn, RW Grigsby and Marty Dodson share what Harp Players should work on

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2011/05/26

ブルース・ロックというもの、横ノリ縦ノリについてもう少し

Posted in テクニック tagged @ 8:51 am by Yuki

先日、ロックとブルースのノリの違いなどについて書きましたが (>バックビート、横ノリ – Randy Bermudes について思うこと)、「ロックでもそんなノリはしない」 というコメントをいただいたりして、上手く説明できていなかった気がするので、今日はちょっとその補足です。

英語であまり思わしくないブルースの演奏を批判する時に、”rocky” という言葉がよく使われます。ロックっぽいという意味です。ブルースにディープにはまり込んでいるミュージシャンは大抵、ブルースとこのロックっぽい 「ブルース・ロック」 との間に線を引いています。私個人としては、ブルース・ロックでもごくたまにいいなと思うものもありますが、でもやっぱり上手く (かっこよく、センスよく) 仕上げるのは難しいな、と感じることの方が圧倒的に多いです。チャーリー・マッスルホワイトのアルバム “Delta Hardware” についてのキッド・アンダーセン (このブログでは最近よく登場しますね。) による話が、ブルース・ミュージシャンにとってのブルース・ロックというものの位置づけの良い説明になるかと思うので、ここでちょっと紹介しますね。

「このアルバムは、ブルースと 『ブルース・ロック』 という畏怖されるべき呼び名の、新しい録音だと思う。このアルバムはロック的傾向はあるけど、多くのブルース・ロックと相反するのは、これがロック・プレイヤーによって演奏されたブルース・ミュージックではなくて、シリアスなブルース・ミュージシャンがそのフィルターを通して、新しい工夫を加えて演奏したロックのアイディアだっていうことなんだ。」

訳が下手でわかり辛くて申し訳ありません (汗)。アルバムの好き嫌いはあるかとは思いますが (私はかなり好きです。)、キッドが自分達の音楽と典型的なブルース・ロックとの間に区別をつけていること、それから彼の 「ブルース・ロック」 と呼ばれることへの恐れのようなものが、この話から感じていただけたらと思いました。音楽的方向性は “Delta Hardware” とは違いますが、先日の John Nemeth のクリップの演奏も、ちょっとこの域でしょうか。

最初からロッキーなブルース・サウンドを目指している場合もあるでしょうが、そうではなくて、ブルースを演奏しているつもりなのにブルース・ロックになってしまうということはよくあると思います。その原因は色々ありますが、バンド全体のサウンドとしては、先日も書いたようにグルーヴの感じ方がその原因のひとつだと私は思うんですね。ロックと一言で言っても本当に色々ありますし、ブルースだって時代や地域などによってスタイルが異なるので、「ロックはこう」、「ブルースはこう」 とひとまとめにして語ることができないというのは重々承知しています。でも、ロックでは普通にあり得てもブルースではあり得ないことというのもやはり存在して、そのひとつが先日も書いた、全てのビートを均等に感じるノリと、縦ノリの感じだと思います。その例としてエルヴィス・コステロの名曲、”Pup It Up!” についてちょっと書いてみますね。ブルースとこういう曲を比べるというのはかなり無理がありますが、縦ノリという感じがわかりやすいので、比べるというよりも縦ノリを感じるという意味で聞いていただけたらと思います。

Elvis Costello – Pump it up

は~、かっこいいですねえ。踊りだしたくなってしまう。この頃のコステロは大好き。The Attractions のベースってかっこよかったですよね。”Lipstick Vogue” とかも・・・。ブリット・ロック万歳。

さてこの曲、全体的には比較的オフ・ビート (2拍目と4拍目) が強調されていますが、”Pump it up…” というコーラスの部分とエンディングは見事に全拍が強調されていますね。ドラムのパートを聞くと特にわかりやすいです。ここは思いっきり縦ノリで踊りたい。この曲の気持ち良さは、なんと言っても曲中のこのグルーヴの変化にあると思います。それから、バックビートの所でも、ズンッズンッズンッズンッと全拍が強調される感じも常にあって、そういうのはやっぱりロックだなあと思います。この曲は極端な例ですけれども、こういう感じって他のロックの曲でも普通にありますよね (もちろん全てのロックがこのノリだとは言いませんが)。でもブルースをこの小刻みな感じの縦ノリでやると、ロッキーになってしまう危険性大です。感じ方は人それぞれだとは思いますが、私にとっては、同じバックビートでもブルースは横ノリで、そのグルーブはロックの小刻みな感じではなくて、もっと息が長くてうねりがあってセクシーで、身体の奥深いところで感じるものです。ブルースは骨盤で感じるものだというキム・ウィルソンの話を以前書いたことがありますが、そんな感じでしょうか。

なんだか説明するつもりが余計な混乱を招く結果になってしまったような気がしないでもないですが、”Pump It Up” を楽しんでいただけたら、それだけでもうれしいです。
しかしコステロはこんな立ち方をして、足くじいたりしないんでしょうかね?

2011/05/20

動きがかっこいいハーピスト番付 ・ 本編

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , , , , , , @ 8:06 am by Yuki

ブルース・ハープ界の色男たち」 に続く、くだらない企画シリーズ第二弾。ということで今回は先日の予告通り、動きがかっこいいハーピスト番付の本編です。では、さっそく行きますよ!

第5位は、片足ロッド

>Rod Piazza

片足に重心をのせて、もう一方の足でリズムを取る姿がかっこいい、ロッドおじ様でございます。0:31 あたりで足元が写ります。ライブ見て惚れそうになりました。「このボーカル・マイクの持ち方はどうなんだろうか?」 という多少の疑問もあばたもえくぼの、最高にセクシーな63才。

第4位は、踊るビッグ・ウォルター

Big Mama Thornton, John Lee Hooker, Big Walter Horton & Dr Ross

以前にも書いたことがありますが、この踊るウォルター様は本当に素敵です。ビッグ・ウォルターって、(残っている他の映像を見る限り) あまり体を動かさなで演奏することが多いと思うのですが、そのイメージとのギャップが良いです。みなさん、女性を落とすにはギャップ、ギャップですよ!あ、でも狙ってやってもだめなんですけどね。

第3位は、トルネード・デニス

Dennis Gruenling – Sweet Home Chicago – Gloucester Blues Festival

うちの夫がデニスのライブを始めて見に行った時、私は日本にいたのですが、ライブの後に、「デニスすごかった!トルネードみたいだった!蛇みたいだった!」 という興奮した電話がかかってきました。その時はなんのこっちゃと思っていたのですが、翌年にライブを見て納得。これはその時の映像ですが、今見てもやっぱり惚れ惚れしちゃいます。シャッフルのリズムに合わせて身体がぐわんぐわんうねる様に動くその姿はまさにトルネード。身体をくねらせながら口を開ける様子は威嚇する蛇 (2:35 あたりくらいからがわかりやすいかと思います)。ちなみに、夫はこのクリップを見るたびに、デニスがこの時自分のアンプを使ったということを自慢します (笑)。私は一緒にピッツァを食べに行ったことが自慢 (爆)。

第2位は、バタ足キム

Kim Wilson, Charlie Musselwhite, Mark Hummel

キム・ウィルソンって、一見演奏している音楽とは関係ないようなところで足を上げたりバタバタさせたりぶらぶらさせたりしますよね。ハープ吹きの夫によると、「この感覚はすごくよくわかる」 とのことですが、私にはどうしてこうなるのかというのは未知の世界であります。でもやっぱりかっこいい。0:52 あたりで、思いっきり盛り上げた後に見せるちょっと攻撃的な表情もいいですね。ステージ上の存在感と歌の上手さも含めて、この人はやっぱり現代ハープ界の王者。

輝く第1位は、役者・サニーボーイ・ウィリアムソン II

Sonny Boy Williamson – Nine below zero

このサニー・ボーイ2世のクリップを見るたびに、大うけ (良い意味で。) する私です。ドレスアップしてお行儀良く聞いている観客がまたおかしい。最後の足の伸びもポイントが高いです。私は演奏家というのは、自分自身のストーリーを自分自身の言葉で語る役者のようなものだと思っています。歌詞がある場合はもちろんですが、歌なし、楽器だけの演奏でもそれは同じで、レッスンでもそういう話をよくします。このクリップのサニー・ボーイ2世の雰囲気の作り方はすごいですね。演奏を始める前から曲の世界に入り込んで、その空気に観客を飲み込んでいく様は、クラシックの演奏家にも似たものがあります。ということで、めでたくこの方が1位!

さて今回、特別賞もあります。

特別賞は、尻振りジュニア・ウェルズ

>Junior Wells – What’d I Say.mpg

ジュニア・ウェルズは激しいパフォーマンスの映像がけっこう多く残っているので、それを1位から5位までに入れても良かったのですが、今回私が取り上げたかったのはハーモニカを吹かずに “What’d I Say” を歌って踊りまくるクリップだったので、特別賞ということにしました。のっけからハイテンションで首を振るジュニア・ウェルズ。ん~感じてますね~バックビート。それからすぐにお尻をふりふりする様子がアップになりますが (0:21 と 0:45 あたり)、なんでしょうか、やっぱりカメラの人は目が行っちゃったんでしょうかね。グッド・ジョブです。2:12 あたりからもかなり振ってますね。まさに特別賞にふさわしい強烈なパフォーマンスです。

それから、オギさんに悪知恵を入れられて、激励賞というのも作りました。この賞は、動きがかっこ悪いハーピストに与えられるものです。

激励賞は、棒立ちジェリー

>Muddy Waters – Blow Wind Blow

ジェリー・ポートノイのファンのみなさま、どうか怒らないでくださいね。このブログでも書いてきた様に、私もジェリーの演奏は好きなんです。なんですが、この人はなぜにいつも、ほとんど直立不動なのでしょうか?ちょっと前かがみで上半身が固まっている感じで、肩もこりそうだし・・・。このちょっと抑制した感じがジェリー・ポートノイの良いところなのかもしれませんが、たまに 「Go Jerry! Go wild! Go crazy!」 と激励の叫びを上げたくなることがある私です。不自然に動き回るハーピストよりはずっと良いですけどね。それに何しろ、演奏が上手ければ身体の動き方なんてどうでも良いことなのですが。しかし何ですね、現在も素敵ですが、この頃のウィリー・スミスはかっこいいですね。セクシーですね (またそういう話・・・)。息子のケニー君もお父さんの若い頃にそっくりで、男前であります。

みなさま、独断と偏見による 「動きがかっこいいハーピスト番付」、いかがでしたでしょうか。みなさまのご想像通りデニスが1位でも良かったんですけどね、今回はセクシーさに限らないかっこよさということで、こういう結果となりました。でもやっぱりこういう番付は、生でライブを見たことのある人が入っちゃいますね。リック・エストリンなんてライブを見たら、すぐさまトップになりそうです。この方のライブはぜひぜひ見てみたい。こういう写真だけでもう大うけ。

くだらない企画にお付き合いありがとうございました。

2011/05/14

動きがかっこいいハーピスト番付 ・ 予告編

Posted in ハーモニカ以外 tagged , , @ 10:05 pm by Yuki

最近すっかり不定期更新となっているこのブログですが、懲りずに読みに来て下さっている方々、ありがとうございます。

一ヶ月以上ぶりに書いた先日のエントリーは、書いている最中も書いた後もすごく楽しかったんです。それで、「これからはもっときちんとブログを書く時間を作ろう!」 と思っていた矢先、コメント欄でちょっと疲れるやり取りがあって、出鼻をくじかれた感じがしています。ブログをやってコメントを受け付けている限り、様々な人がそれぞれの意見を書き込んで行くのは当たり前のことなので、それはかまいませんし、今回に始まったことでもありません。でも、こういうことがある度に思うのですが、相手のことを何も知らずに、短いコメント欄で相手の顔を見ることもなく議論を (しかも楽器も音源もなしに音楽についての議論を) するというのは非常に難しいです。実体感がつかめない人を相手に議論をするというのは大変で、ネット上のコミュニケーションではそれが普通だということはわかっていはいますが、私はそういうところは古風なんですかね、やはりちと苦手です。「ごあいさつ」 のページに写真とメールアドレスを載せているのも、少しでもフェアでありたいう気持ちと (やはり色々と言いたいことを言っているわけですから。)、読んでくださっている方々の感じる 「実体のなさ感」 を少しでも減らしたいと思っているからです。

更にこれも毎回のことですが、私の書いた事と異なる意見を持つ方々が残すコメントは、攻撃的だったり、感情的だったり、嘲笑的だったり、喧嘩腰だったりすることがほとんどなんですよね。私の文章力のなさがそういったコメントを招いているのかもしれませんけれども (読み返してみて上手く説明できていなかったと思うことは正直よくあります。)、名前を名乗って握手を交わしてからする面と向かっての議論だったら、こういうことも少ない気がします。インターネットってすごく便利で良い面もたくさんありますが、問題点も多いですね。私としてはできるだけ冷静に丁寧に対応しているつもりですが、こういうのはやっぱり疲れちゃいます。

さて、そんなちょっとブルーな気持ちを吹き飛ばすために何を書いたら良いか・・・と考えていて思いついたのは、「いい男について書こう」 ということです (爆)。ずっと前に書いた、「ブルース・ハープ界の色男たち」 というエントリーは書いていてすごく楽しかったし、先日のランディ・バミューデス (Randy Bermudes) についての記事も、書いていてうきうきしてしまいました。いい男達のことを思うのは、人生の楽しみのひとつであります。それで今回は、まあ先日のランディの話からの流れで、「動きがかっこいいハーピスト番付」 というのをやってみたいと思います。もうこの時点でくだらなさ丸出しですね。

しかも今回、タイトルを 「予告編」 としたのは、ランディについてもう少し書きたかったからという、なんとも浅はかな理由からでしかありません (爆)。先日の記事ではまあ、一応音楽についても書きましたが、今回はそんなのは一切なしで、純粋にランディのセクシーさについて書こうというどうしようもない趣向です。「このブログは音楽ブログでは?」 というつっこみは却下します。ということで、本当に本当にお暇な方のみ読んでくださいね。というより、お暇な方でも読まなくて良いくらいの内容のなさです。ランディのファンの方、またはこの間のクリップを見て 「お、これはちょっとかっこいいのでは?」 と思った方なら少しは楽しんでいただけるかと思います。「ただのスキンヘッドに髭の兄さんじゃねーか」 と思った方は、今回はどうぞ読み飛ばしてください。

さてさて、最初のクリップは、スロー・ブルースを演奏するランディ。いや、もう、これは、最初から最後まで素敵すぎ。リズムに合わせてダンスするように動く様子も、ぐっと何かをこらえているような切なそうな表情も。この身も心も音楽に浸りきっている感じがなんともせくしいなんですよね。時々、宙を見つめるその表情も、リズムに合わせて口を動かす様子も素敵。3:42 あたりでチャーリー・マッスルホワイト (Charlie Musselwhite) の方をくっと向いて、じっと見つめるところなんてもう、たまりません。きゃ~。こんなふうに見つめられたら、すぐに惚れてしまう (妄想中)。それから、シャツフェチ (え?) の私としては、袖をちょっとまくっているところとか、首の周りが開いている感じとか、胸の下の皺のより具合とかがかなり良いんです。きゃ~。

Charlie Musselwhite Wendelstein Germany

次のクリップは短いので、みなさん見逃さないようにしっかり見てくださいね (しかし本当に見る人いるんでしょうか、こんなの)。まず、0:28 あたり、1小節目に戻る時のテンションを感じている様子が素敵。きゃ~。それから、0:54 あたりで、たぶんキッド・アンダーセン (Kid Andersen) とアイ・コンタクトを取っているんだと思いますけど、ちょっと眉毛を上げての上目遣い。それから横へ流れるように揺れます。きゃ~きゃ~。素敵です~。

Charlie Musselwhite “Gone Too Long”

この2本のクリップでは、キッド・アンダーセンもなかなか私好みです。スーツに髭、色メガネ (死語?) でワイルドな感じのキッドも良いですが、私としてはそれよりも、今回のクリップの様にさらさらヘアー (これも死語?) とシンプルなシャツでナチュラルな感じ (1本目のクリップ) とか、ちょっとやんちゃな優等生みたいな感じ (2本目のクリップ) の方が良いなあと思います。2本目のクリップの 1:15 あたりで、ランディの方を向いて微笑んで頷く様子もかわいい。そういえば、チャーリー・マッスルホワイトも若い頃はすごくかっこよかったですよね。この方は現在も素敵な歳の取り方をしていると思います。

あ~やっぱりいい男について書くのって楽しいですね (自己大満足)。次回はいよいよ、「動きがかっこいいハーピスト番付 ・ 本編」 です。候補は挙がっていますが、実はまだ順位はつけていません。「どーせ1位はあいつだろ」 と思っているそこのあなた、今回はどんでん返しがあるかもしれませんよ! (あるかな?)

2011/05/06

バックビート、横ノリ – Randy Bermudes について思うこと

Posted in テクニック, ハーモニカ以外 tagged , @ 12:33 pm by Yuki

現在のブルース・シーンで活躍するベーシスト、Randy Bermudes。この方の作り出すグルーヴはすごい。私はバンドで (キーボードをスプリット・モードにして左手で) ベースを弾くことが多いので、人の演奏を聞く時も、意識してベースを聞くことが多くなります。ランディは大好きなベーシストで、彼の演奏からは学ぶことが非常に多いです。ベーシストでなくても、彼の演奏から学ぶことはたくさんあると思うので、今日は彼の演奏とブルースのノリについて書いてみたいと思います。

演奏はもちろん上手いのですが、ランディの場合、それに加えてグルーヴの感じ方が見てわかりやすいんですよね。何て言うんですか、こう、2拍目と4拍目に重みが来て、その間をグルーヴがうねるように流れている感じと言うのでしょうか。そういうブルースのノリの感じ方が、ものすごくわかりやすい。 ブルースというのはまあ、比較的シンプルな音楽ですけれども、その独特のフィーリングを表現するのは案外難しかったりします。そして、ブルースのこのフィーリングを作り出すのに欠かせない要素のひとつが、ノリの感じ方だと私は思っています。

下のクリップは、John Nemeth と演奏するランディ。1:55 あたりくらいからがわかりやすいかと思います。

>John Nemeth & Kid Andersen – Come And Get It

ランディが演奏している様子を見て改めて思うのは、「ブルースというのは、バックビートの音楽なんだよなあ」 ということです。本当に当たり前の話で申し訳ないのですが、でも実はこのバックビートができていない人がけっこう多いんですよね。バックビートというのは、4拍子のオフビート (2拍目と4拍目) を強く感じて演奏するノリのことで、クラシック音楽などの様にオンビート (1拍目と3拍目) を強く感じたり、4拍全てを均等に感じたりしてブルースを演奏すると、ものすごくダサい (死語?) 演奏になってしまいます。それからやはり、縦ノリというより横ノリですね。1、2、3、4、1、2、3、4、、、と、首を縦に振ったり拳を振り上げたりして全てのビートを均等に感じるノリは、ロック (ロックンロールではない) の縦ノリであって、ブルースでこれをやると、所謂 「白人ブルース・ロック」 になってしまう危険性大です。誤解のない様にちょっと説明すると、私が言いたいのは、ロックが悪いということではなくて、クラシックとブルースのノリが違う様に、ロックとブルースのノリも違うのだということです。それから、「白人ブルース・ロック」 というのはもちろん、肌の色の話ではなくて、その音楽の形態の話です。現代では白人でも黄色人でもブラックなブルースを演奏する人はいるし、黒人だからといって、ブルースが演奏できる能力が先天的に備わっているというわけではないと思います。何はともあれ、このバックビート、横ノリというのは、ブルースに限らず、ジャズ、リズム・アンド・ブルース、ロックンロールなど、ブラック・ミュージック全般に共通して言えることだと思います。

次のクリップなんかは、「白人ブルース・ロック」 になりがちな可能盛大の曲ですけれども、そうならずに済んでいるのはランディの力が大きいのではないでしょうか。こういうロック調の曲でも、ランディの演奏はバックビート。そして、ビートとビートの間のうねりが感じられます。

John Nemeth & Kid Andersen – She’s Looking Good

ランディは Kim Wilson 率いる The Fabulous Thunderbirds のベーシストでもあり、私は何度か生の演奏を見ているのですが、グルーヴに浸り切って、ベースを愛でるようにひたすら弾くその姿は本当にかっこいい。ベースを弾いているというより、メイクラブしているかのようなせくしーさで、キムそっちのけでランディに見入ってしまった瞬間が何度もあった私でありました。ああ素敵 (このブログの行き着くところはまたそういう話・・・)。まあそれはともかく、私はそういうランディの姿をイメージして演奏することが少なからずあります。そうすると、良いグルーヴが作り出しやすいんですよね。

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