2011/05/06

バックビート、横ノリ – Randy Bermudes について思うこと

Posted in テクニック, ハーモニカ以外 tagged , @ 12:33 pm by Yuki

現在のブルース・シーンで活躍するベーシスト、Randy Bermudes。この方の作り出すグルーヴはすごい。私はバンドで (キーボードをスプリット・モードにして左手で) ベースを弾くことが多いので、人の演奏を聞く時も、意識してベースを聞くことが多くなります。ランディは大好きなベーシストで、彼の演奏からは学ぶことが非常に多いです。ベーシストでなくても、彼の演奏から学ぶことはたくさんあると思うので、今日は彼の演奏とブルースのノリについて書いてみたいと思います。

演奏はもちろん上手いのですが、ランディの場合、それに加えてグルーヴの感じ方が見てわかりやすいんですよね。何て言うんですか、こう、2拍目と4拍目に重みが来て、その間をグルーヴがうねるように流れている感じと言うのでしょうか。そういうブルースのノリの感じ方が、ものすごくわかりやすい。 ブルースというのはまあ、比較的シンプルな音楽ですけれども、その独特のフィーリングを表現するのは案外難しかったりします。そして、ブルースのこのフィーリングを作り出すのに欠かせない要素のひとつが、ノリの感じ方だと私は思っています。

下のクリップは、John Nemeth と演奏するランディ。1:55 あたりくらいからがわかりやすいかと思います。

>John Nemeth & Kid Andersen – Come And Get It

ランディが演奏している様子を見て改めて思うのは、「ブルースというのは、バックビートの音楽なんだよなあ」 ということです。本当に当たり前の話で申し訳ないのですが、でも実はこのバックビートができていない人がけっこう多いんですよね。バックビートというのは、4拍子のオフビート (2拍目と4拍目) を強く感じて演奏するノリのことで、クラシック音楽などの様にオンビート (1拍目と3拍目) を強く感じたり、4拍全てを均等に感じたりしてブルースを演奏すると、ものすごくダサい (死語?) 演奏になってしまいます。それからやはり、縦ノリというより横ノリですね。1、2、3、4、1、2、3、4、、、と、首を縦に振ったり拳を振り上げたりして全てのビートを均等に感じるノリは、ロック (ロックンロールではない) の縦ノリであって、ブルースでこれをやると、所謂 「白人ブルース・ロック」 になってしまう危険性大です。誤解のない様にちょっと説明すると、私が言いたいのは、ロックが悪いということではなくて、クラシックとブルースのノリが違う様に、ロックとブルースのノリも違うのだということです。それから、「白人ブルース・ロック」 というのはもちろん、肌の色の話ではなくて、その音楽の形態の話です。現代では白人でも黄色人でもブラックなブルースを演奏する人はいるし、黒人だからといって、ブルースが演奏できる能力が先天的に備わっているというわけではないと思います。何はともあれ、このバックビート、横ノリというのは、ブルースに限らず、ジャズ、リズム・アンド・ブルース、ロックンロールなど、ブラック・ミュージック全般に共通して言えることだと思います。

次のクリップなんかは、「白人ブルース・ロック」 になりがちな可能盛大の曲ですけれども、そうならずに済んでいるのはランディの力が大きいのではないでしょうか。こういうロック調の曲でも、ランディの演奏はバックビート。そして、ビートとビートの間のうねりが感じられます。

John Nemeth & Kid Andersen – She’s Looking Good

ランディは Kim Wilson 率いる The Fabulous Thunderbirds のベーシストでもあり、私は何度か生の演奏を見ているのですが、グルーヴに浸り切って、ベースを愛でるようにひたすら弾くその姿は本当にかっこいい。ベースを弾いているというより、メイクラブしているかのようなせくしーさで、キムそっちのけでランディに見入ってしまった瞬間が何度もあった私でありました。ああ素敵 (このブログの行き着くところはまたそういう話・・・)。まあそれはともかく、私はそういうランディの姿をイメージして演奏することが少なからずあります。そうすると、良いグルーヴが作り出しやすいんですよね。

関連記事>ブルース・ロックというもの、横ノリ縦ノリについてもう少し

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