2014/02/15

Hohnerの新製品、Rocketのレビュー

Posted in ハーモニカ, ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 11:15 am by Yuki

先日話題にしましたホーナーの新製品、Rocket

hohner-rocket

まだアメリカで発売されたばかりなので、一体どんなハーモニカなんだ!と知りたくてうずうずしている方も多いかと思います。

そこで嬉しい情報。Ronnie ShellistがYouTubeにレビューをアップしていました。Special 20やCrossoverと比べているので、非常にわかりやすいレビューです。

>Brand New Hohner Rocket Harmonica: Review

・カバープレートの後ろが開いている
・サイドにも空気孔がついている
・コームが丸みを帯びて口当たりがスムーズ

というのがこれまでわかっていたことですが、新しい情報としては、

・スペシャル20に比べてホールが大きい
・カバープレートの作りがしっかりしている

のだそうです。ハーモニカを強く握りすぎてカバープレートを潰してしまう、という方には、がっしりとしたカバープレートは魅力かもしれません。

気になるのはやはりレスポンスですが、エアタイト感が強く、すごく吹きやすいみたいです。「これまでで一番大きな音が出るストック・ハーモニカ(カスタマイズしていない、普通にお店で買えるハーモニカ)」だと言っております。スペシャル20よりもボリュームと食いつきがあり、明るい音色。クロスオーバーと似た感じだけれど、クロスオーバーの方がロケットよりメロウな音色。へええ。

「マリンバンドとスペシャル20が子供を作ってターボをつけた感じ」だそうです(爆)。(ロニー、自分で言って笑ってますけれども。)

そこまで言われると、ぜひ吹いてみたい。

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2014/01/26

Hohnerの新製品 – Rocket

Posted in ハーモニカ tagged , @ 12:01 pm by Yuki

ホーナー社のニュー・モデルが発売になったそうです。その名もRocket。じゃん。

SONY DSC

数日前にアメリカで発表されたばかりでまだ情報は少ないですが、Special 20のデラックス・バージョンみたいなものだという話です。ぱっと見た感じでは、コームとカバー・プレートの端がなめらかに丸みを帯びています。それから、マリンバンド・シリーズの様に、カバー・プレートの両端に空気孔がついて、音が拡張されるようになっています。カバー・プレートの裏側も、マリンバンド・デラックスやクロスオーバーと同様に開いていて、こちらも音の拡張に役立つデザインとなっています。リード・プレートには3つ穴がついているので、スペシャル20、マリンバンド・デラックス / クロスオーバーのカバー・プレートもフィットするらしいですよ。

キム・ウィルソンが試し吹き!(まあキム兄は何吹いたって上手いに決まってるんですけれども。)終わった後の笑顔が素敵です。

Kim Wilson Plays The New Rocket Harmonica from HOHNER

このロケットというニュー・モデルは、ヨーロッパではまだ発売になっておらず、春頃に発売予定とか。アメリカでは69ドルくらいで売り出されるらしいです。Special 20が35ドルくらいですので、やはりちょっと高めですね。Crossoverと同じくらいでしょうか。スペシャル20を愛用されている方にとっては、特に興味深いモデルではないかと思います。

2013/11/16

ポジ・ドライバー

Posted in ハーモニカ, ハーモニカ小物 / お手入れ @ 10:41 am by Yuki

最近、HohnerのMarine Band Crossover を使うことが多い私です。

しかしこのクロスオーバー、カバープレートを止める外のネジも、リードプレートを止める中のネジも、ポジ・ドライブというちょっと特殊なネジが使われているのです。こんな感じ。

pozi

普通のマイナス・ドライバーでもなんとか要は足りますけれども、非常に扱いにくい。それから、ポジ・ドライブにはやはり専用のポジ・ドライバーを使わないと、ネジの頭がだめになるそうです。

そういう私は、ドライバーを買うのが面倒で(だって、どこでも売っているというものでもないですし。)、これまでマイナス・ドライバーで無理くり済ませていました。しかし、やはり合わない道具を使っている感が強くて、ズルッとか、ガキッとかドライバーが滑ることが多く、その度に、「うがー!ネジがなめる!!」とひやひや。だったら早く専用のポジ・ドライバーを買えって話です。そんなわけで、ようやく重い腰を上げて買うことにしました。じゃん

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使った感触は、やっぱりぴたっとくる!かしっとはまる!やっぱりもっと早く買っとけば良かったわ~。

2013/10/21

サンダーバード、壊れる

Posted in テクニック, ハーモニカ @ 10:49 pm by Yuki

お気に入りのHohner ThunderbirdのCが壊れてしまいました。1穴ドローのリードがてろてろになって、チューニングできません。ハーモニカのリードだめにしたのって初めてです。これはショック!ハーモニカが壊れたということよりも、壊れるような吹き方をしていたということがショック。

このサンダーバードを手に入れたのは一昨年のクリスマス(ブログって自分自身のための記録にもなるので、こういう時便利です)。夢中になって練習しまくった時期があるとはいえ、まだ2年も経たないのにリードがだめになるなんてあり得ない。どんだけ無茶な吹き方してたんだって話です。ごめんね、サンダーバード(泣)。

ハーモニカのリードは、力んで吹き込めば簡単に壊れますが、リードにストレスのかからない吹き方をすれば、どんなにたくさん練習しても、そう簡単に壊れるということはありません。初心者の方などから、「2週間で壊れる」という話をよく聞きますが、そういう場合は力いっぱい吹き(吸い)込んだり、力尽くでベンドしたりしていることがほとんどだと思います。それから、ハーモニカは穴によって微妙に吹き方が変わるので、そのあたりのテクニックができていないことがリードの故障となることも多い様です。例えば、5穴のベンドを3穴または4穴をベンドする時のようにやっているとか。

とりあえずはこのリード修理して、次からは、もっとリードにシンパシーを抱いて吹きたいと思います。反省。

2013/07/01

お気に入りのキー投票

Posted in ハーモニカ @ 9:37 pm by Yuki

先日、ハーモニカのキーと身体の使い方の話を書きましたが、人によってお気に入りのキーって違いますよね。まわりの人に聞くと、AやAbと答えることが多いです。私はちょっと前まではDが一番吹きやすかったのですが、最近はGも良く響かせられるようになってきました。

そこで今回は、みなさんの意見を聞いてみたいと思います。ずばり、あなたのお気に入りのハーモニカのキーは何ですか?

下の表でキーを選んで、「Vote」 をクリックすると投票となります。「View results」 をクリックすると、これまでの結果が見られます。ハープ吹きの方は、じゃんじゃん投票して下さい!「そんなのひとつに決められない!」 という方は、今日の気分でどうぞ!

2013/06/12

新入り

Posted in ハーモニカ, ハーモニカ小物 / お手入れ @ 6:06 pm by Yuki

誕生日が近かったので、

「ハーモニカが欲しいです。どうかハーモニカを下さい。他にはなんにも要りませんので!毎日練習しますので!良い子にしますので!」

と願い事をしていたら、叶いました。

D_LF.resized

CrossoverのDと、ThunderbirdのLow F。

Dはこれまで夫のを借りていたのですが、これでようやく自分専用のを持つことができました。Low Fもずっと欲しかったキーなのでうれしい。両方ともレスポンスが良いので、調整も必要なしです。

それから、 例のCorianのコームもいただきました。

corian.resized

水分を含んで膨れ上がってしまったMarine Band Deluxeのコームがあったので、それと交換。

これで、私の持ちハープは、G、A、C、D、F、Low C、Low F、となりました。これだけあれば、大抵のブルース・ジャムでは用が足ります。強いて選ぶなら、次はBbかな・・・。

2013/05/23

コームいろいろ

Posted in ハーモニカ tagged , , @ 12:08 am by Yuki

最近、ちょっとコーム替えなどをしておりました。

「木製のコームは音が違う」などという話をたまに耳にしますが、実際は、コームの素材が音を左右するというのは、科学的には証明されていないそうです(出典はどこだか忘れました。すみません)。しかしこれはあくまで「素材」の話であって、防水加工がしてあって膨張しにくいとか、エアタイト感が高いとか、「コームの良し悪し」というのは存在すると思います。それから、口に触った感じや吹いた感じが自分に合ったものだと気持ちよく演奏ができるので、その結果良い音が出る、ということもあるかと思います。

私はどうも唇がひ弱で、口当たりの悪いコームで練習を続けると、唇の端が擦れて痛くなってしまいます。唇の端は一度切れると何週間も練習できなくなってしまうこともあるので、それほどコームにこだわりがあるわけでないのですが、なるべく表面のなめらかなものが理想です。そんなわけで、コーム替え!

まず、長年愛用していたマリンバンド・デラックスのコームのコーティングが剥げてこんなになってしまったので、新調することに。

md_comb

友人でカスタマイズをちょっとやっている人がいるので、彼にお願いして、Corianのコームをひとつ分けてもらいました。私はよくわからないですが、夫に聞いたら、Corianというのはブランド名で、高品質のプラスティックなのだそうです。ものすごくなめらかで、見た感じ、吹いた感じはプラスティックというより丁寧に磨かれた石。重量もけっこうあって、持つとずっしりします。

それから、以前買った West Weston のハープ。こちらのコームは防水加工はばっちりなのですが、唇と舌がコームにくっつく感じがして、私には合いませんでした。こちらも長く吹くと唇の端が痛いことになってしまうので、コーム替え。誤解しないでいただきたいのは、私に合わなかっただけで、コームが悪いということではないということです。ウェスト・ウェストン自身も、このハープを使って素晴らしい演奏をしています!

これは、使っていなかった木製コームがあったので、そちらと交換することにしました。Joe Spiers のハーモニカを買った時についてきたもので、ずっとお気に入りだったのですが、その後、ハーモニカの修理を頼むついでに、ジョーが最近カスタマイズに使っているコームに替えてもらったため、使用されずに眠っておりました。もったいないですね。でも、カスタム・ハープについてきたものなので、他のハーモニカには合わなかったのです。今回、前述の友人にお願いして、コームに穴を開けてウェスト・ウェストンのマリンバンドに合うようにしてもらいました。ちなみに、ジョー・スパイアーズの新しいコームもCorianです。最近、カスタム・ハープでCorian使う人多いですね。

さて、こちらが私のお気に入りのコームです!

combs

上から、旧ジョー・スパイアーズ(木製)、新ジョー・スパイアーズ(Corian)、友達から買ったCorian、それから、Hohner Crossoverの竹製コーム。このバンブー・コームは、口当たりが良いし、防水加工がしっかりしていて膨れないし、お手入れも簡単なので、ストック・ハープ(カスタムされていない、普通にお店で買えるハープ)としては一番好きです。

2011/12/29

Thunderbirdでchugging

Posted in ハーモニカ, ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 5:56 pm by Yuki

クリスマスにHohnerのThunderbirdをプレゼントにもらって、ちょっと世界が広がった気がしています。ブルース・ハープってやっぱり楽しいですね。

ロウ・キーのハーモニカは、これまでSeydelのものを人から借りて吹いたことが何度かあるのですが、どうもしっくり来なかったんです(Seydel批判をしたいわけではありません。Seydelはすごく好きな会社です)。でもこのThunderbirdは楽しい!夫がちょっとカスタマイズしてくれたということもあるかもしれませんが、それにしても吹きやすい。

ロウ・キーのハーモニカの魅力を引き出すのは、何といってもchugging!
というわけで、ここ数日はもっぱら、Thunderbirdを使ってchugging(リズム演奏)に励んでいます。夫とデュオの演奏をしたり、なかなか楽しい毎日です。私のレベルでは非常に難しいですが、これからサニー・ボーイ2世のコピーなんかもやってみたいと思っています。これをロウ・ハープでやったら楽しいだろうなあ。

Sonny Boy Williamson – 1964 – Bye Bye Bird – AFBF – The British Tours

CrossoverとThunderbirdの開発に関わったJoe Filisko(ジョー・フィリスコ)氏の演奏も参考にして・・・。フォックス・チェイス、サニー・テリー、ペッグ・レッグ・サム、トレイン・イミテーション、サニー・ボーイ II、サニー・ボーイ I、ビッグ・ウォルター、ケイジャン音楽、フォーク音楽・・・次々とデモンストレーションをして見せるフィリスコ氏。見ているだけで楽しくなっちゃいます。このクリップは以前紹介したデヴィッド・バレットのサイトからの抜粋ですね。3:15あたりから演奏が始まります。

Joe Filisko on Playing Low-Tuned Harmonicas Part 2 (Contributor Submission #2 at BluesHarmonica.com)

ビデオの冒頭でジョーも言っている様に、ロウ・キーのハープは、正しいベンドの仕方を学ぶのにも役立つと思います。口先で無理やりベンドするやり方では、ロウ・キーのハープは吹けません。自分のテクニックを見直すという点でも、日々の練習が新鮮になっています。2012年はロウ・キーでchuggingの年になりそうな予感。

それではみなさま、よいお年を!

2009/05/07

Joe Spiers Custom Harmonica - その2 ・ カスタム・ハーモニカというもの

Posted in ハーモニカ tagged , , , @ 11:29 pm by Yuki

前回からもう少し話を広げて、カスタム・ハーモニカというものについて書いてみたいと思います。先日の記事を読んでいない方は、こちらからどうぞ。
Joe Spiers Custom Harmonica - その1

なぜカスタム・ハーモニカというものが存在するのかという疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。そもそも、最近のストック・ハープ (手直しされていない、店で普通に買うハープ) は、多かれ少なかれ、どこかに欠陥があるのが普通なんですね。例えば、私が馴染みのあるストック・ハープはマリンバンド・デラックスですが、買って箱から出したばかりなのに、チューニングが狂っていたりとか、すかすかして感度の悪いホールがあったりとか、キーキー鳴るリードがあったりとか、何かと欠陥があるのが普通です。以前、スティーヴ・ベイカーと話した際に、ホーナーの製品の質は一時期は低迷したが、最近はまた質が上がってきて、現在は60年代以来の質の良さだと言っていました。確かに最近のデラックスは、「おっ」 というくらい素晴らしいものもありますが、それでも全ての穴がバランスがとれて良く鳴るストック・ハープに当たるのは、かなりラッキーなことだと思います。マリンバンドのニューモデルについての記事でも書いた通り (>Marine Band Crossover)、スティーヴ・ベイカーは、ホーナーの製品開発に深く関わっている人で、彼自身、素晴らしいプレイヤーでもあります。自分はストック・ハープで十分で、カスタム・ハープは必要ないと言っているスティーヴですが、そんな彼でも、自分の演奏に合わせてリードを調整したり、チューニングをしたりという作業は自身で行っているそうです。

ということを踏まえて湧いてくるのが、「それではなぜ、工場での品質管理をもっと厳重にして、欠陥のないハーモニカを作らないんだ!」 という疑問です。これは、「ブルース・ハープは低価格の楽器である」 という前提があるためです。消費者が納得する安い値段で、一枚一枚のリードの並びやカーブの具合、リードとリードプレートの隙間などをチェックして調整するのは、到底無理な話なのです。そういうわけで、全てのリードがしっかりと調整されたハーモニカが欲しいと思えば、自分で手直しするか、それなりのお金を払って職人にその仕事をしてもらうしかないわけです。

しかし、カスタマイズと一言で言ってもその仕事の度合いは様々で、腕の良いカスタマイザーの仕事は、修理をしたり調整したりする以上のものであります。彼らの目指すところは、可能な限りエアタイト (高い気密性) に加工して感度を最大限に高め、可能な限りダイナミックス (音量の強弱の幅) を広げ、奏者の希望によってはオーバー・ブロウ / ドローがスムーズにできるセッティングも行うなど、言わば 「スーパー・ハープ」 なのです。しかし、いくらスーパー・ハープ (というのは私が勝手に名付けたのですが。) とは言えど、テクニックが無ければもちろん使いこなすことはできません。でも、プロのプレイヤーやプロ並の演奏を目指す人にとっては、無駄な労力を使ったり、楽器に心を煩わされることなしに、自分の目指す音楽を作り出すことのみに集中できる、ありがたい楽器なのであります。

このスーパー・ハープの開拓者が、このブログでも良く登場するジョー・フィリスコ氏なわけですが、彼は始めは、「戦前の物にできるだけ近い、良質のハーモニカを作ろう」 ということで、カスタム・ワークを始めたらしいです。リトル・ウォルターやビッグ・ウォルターなどの、古き良きブルースの時代のハーモニカは今とは比べ物にならないくらい良質だったそうですが、それ以前の戦前のものはもっと質が良かったそうですね。現代のカスタム・ハーモニカはもともとそういう目的から始まったのですが、それがどんどん進化して、現在のスーパー・ハープに至るわけです。

私が始めて吹いたトップ・クラスのカスタム・ハープは、数年前に夫が買ったブラッド・ハリソンのハープでした。この時の衝撃は、未だにはっきりと覚えています。吹いた瞬間、「詐欺だ!」 と思いました。驚くほどエアタイトで、ベンドなんかもするするっと抵抗なくできてしまう。それまで吹いてきたストック・ハープとは全然違うので、同じハーモニカという楽器だとは信じられませんでした。それで、「キム・ウィルソンもデニス・グルンリングも、ゲイリー・プリミチも、ジェリー・ポートノイも、リック・エストリンも、みんなこんなハープ使ってるの?そりゃー上手いはずだよ!詐欺だ!」 と叫んだわけです (実際には、彼らのハープを作っているのは、ハリソンではなくてジョー・フィリスコやリチャード・スレイなのですが、同じトップクラスのカスタム・ハーモニカということで)。まあこれはもちろん冗談で言ったのですが、それほどの衝撃だったということです。

今回私が買ったジョー・スパイアーズのハープは、ハリソンのに比べて、ほんの少し抵抗が強いです。これは感度が悪いという意味ではなくて、例えば車でいうと、ハリソンのはちょっとアクセルを踏んだだけで 「ぎゅん」 と進みますが、スパイアーズのは少し踏み込んで 「ぐわん」 と前に行く感じ。どちらも素晴らしい性能の車であります。夫が愛用しているリチャード・スレイのハープは、どちらかというとハリソンのに近いですが、ちょっと落ち着いた感じがします。もうこれは、吹く人の好みでしかないですね。

先日も書いた通り、時間のかかる作業なので、トップ・カスタマイザー達は随時注文を受け付けているわけではないことが多いです。一定期間内で仕上げられる量の注文だけ受け付けて、その目途がつくまでは次の注文は受け付けないという人が多いようです。それでも、その間、以前に作ったハーモニカのリペアやチューニングなどの依頼が入ったりもするので、なかなか予定通りには行かないみたいですね。夫がスレイのハーモニカ4本を買った際は、仕上がりまでに6ヶ月程かかると言われていたのですが、延びに延びて、結局9ヶ月くらいかかりました。最近ハリソンのハープを買った友人も、当初の予定より2ヶ月ほど長くかかったと言っていました。

そんなわけで、カスタマイズは手作業のため時間がかかりますし、高度なスキルと経験が必要です。そして完成したハープの出来栄えは素晴らしいものなので、高い値段がつくわけです。スパイアーズのハープはハープのモデルやカスタマイズの度合いによって値段は違いますが、私が今回買ったのは、送料込みで305ドル (約29600円) のもの。他のトップ・カスタマイザー達も色々ですが、150ドル (約14700円) から 180ドル (約17600円) くらいが相場のようです。確かにストック・ハープに比べると高いですが、受け取った時点で製品に明らかな問題があれば無料で調整してくれるはずですし (私が買ったスパイアーズのハープは2年間の保証が付いています。)、その後も有料ですが修理や調整やチューニングをしてもらえるので、買い換えの必要はないのです。欠陥があることが普通のストック・ハープと違って、カスタム・ハープはその品質を信頼することができるので、少々高いお金を出してもカスタム・ハープを選ぶという人がこちら (欧米) では多いです。
もちろん、ストック・ハープを使っているプロもいますが、そういう人でも前述のスティーヴ・ベイカーのように自分で手直ししているか、又は欠陥の少ないものを選ぶなどしている場合がほとんどだと思います。

うちの夫も、以前から自分のハープの調整をしていたのですが、最近カスタマイザーとしての仕事を本格的にはじめて、これがなかなかの好評であります。先日も、スレイのハープを愛用している友人から、「アメリカのクラフツマンに負けないくらいの良い仕事だ」 と言われていました。現在は集まった注文をこなすのに手一杯な様ですが、時間ができたらウェブサイトも作る予定だそうなので、その際はこちらで紹介したいと思います。

2009/04/30

Joe Spiers Custom Harmonica - その1

Posted in ハーモニカ tagged , @ 4:38 pm by Yuki

ジョー・スパイアーズ (Joe Spiers) のハーモニカが届きました!数ヶ月前に注文して、待ちに待っていたカスタム・ハーモニカです。ジョーは、ジェイソン・リッチなどのハーモニカを手がけるトップ・カスタマイザーの一人で、こちら (欧米) で現在のハーモニカ事情を目ざとく追っている人なら、誰でも知っている名前であります。

今回私が買ったのは、マリンバンド (C調) をカスタマイズしたもので、コームは完全防水加工された特製の木製コームが使われています。口当たりがなめらかで非常に吹きやすいです。そして、美しい。なんかもう、オーボエとかクラリネットとか、そういう雰囲気です。ため息出ちゃいます。

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吹いた感想は、「素晴らしい。」 の一言。全ての穴がバランスよく調整されていて、とても吹きやすい。ベンドも余分な力を入れずに楽にできますが、同時にしっかりとした安定感もあります。オーバー・ブロウ / ドローのセッティングもばっちり。それから、私が一番感心したのが、吹いた時のドライブ感。ものすごくパワフルです。カスタム・ハープの利点のひとつは音量を出せるということにありますが、ジョーのハープは音が大きいというだけではなくて、音にパワーがあります (もちろん、そのパワーを引き出せるかどうかは奏者にかかっているわけですが)。それでいて、ものすごく小さく繊細な音を出そうとしてもきちんと対応してくれる。素晴らしいです。

私は様々なポジションを使うので、チューニングは平均律 (equal temperament) でお願いしましたが、コードの響きを少し和らげるために、全ての3度 (2、5、8 ブロウ、3、7 ドロー) を5セントだけ下げてもらいました。これは、リチャード・スレイから教えてもらったコツなのですが、結果、平均律のあの耳障りなコードの響きがかなり和らいで、とっても満足。しかし、ジョーがチューニングした純正律 (just intonation) のコードの響きは本当に素晴らしいということなので、それが体験できなかったことは非常に残念です。

音色は、カスタム・ハープにしてはやや暗めで、深く豊かな音色です。カスタム・ハープって、ものすごく鮮やかで明るい音色のことが多いんですよね。それは音が通るということなので、バンドと一緒に演奏する時は最大の長所となるわけですが、アコースティックのソロとか、デュオの演奏などでは、ちょっと薄く感じてしまうことがあるのも事実です。ジェイソン・リッチは、音色をよりダークにするために、このカスタム・マリンバンドにスペシャル20のカバープレートを付けてもらっているのだそうです。私も注文する際に、そういうオプションがあることを教えてもらったのですが、結局、普通にマリンバンドのカバープレートを付けてもらいました。結果、予想していたよりも明るすぎなかったので、私としては満足でした。

YouTube で、Todd Parrott と Jason Ricci がジョーのハープを使ってデモストレーションをしている映像があるので、興味のある方はご覧下さい。もちろん、ジョーのハーモニカを使えば彼らのように吹けるようになるというわけでは全くありません (笑)。また、ジョーのハーモニカに限らず、カスタム・ハーモニカはベンドが無駄な力なしでできるようになっているので、まだベンドがきちんとできていない初心者は、口先だけで音をベンドしてベンドができたと思い込み、悪い癖がついてしまう危険性もあると思います。私は個人的には、基礎はストック・ハープ (カスタマイズされていない、店で普通に売られているハープ) で学ぶのが良いという気がします。

Joe Spiers Custom Harmonica – Todd Parrott
In ‘SPIER’ ed (A one chord harp tribute to Joe Spiers) Bb

ということで、このように素晴らしいハーモニカなわけですが、もちろんお高い物です。今回、私が買ったものは、アメリカからの送料込みで305ドル。日本円にすると、現在のレートで2万9千600円。ストック・ハープと比べると驚きの値段ですね。貧乏音楽家には正直きついです。しかし、最近うちの夫がカスタマイズの仕事を始めたので、それを見ている私は、カスタマイズにどれほどのスキルが必要で、一本のハープにどれだけの膨大な時間を費やすかがよくわかるのです。今回買ったジョーのハープは、リチャード・スレイやジミー・ゴードン、ブラッド・ハリソンなど、他のトップ・カスタマイザーに比べでも一段と高いのですが、それでもその製品の価値を思うと、決して高すぎる値段ではないと思います。加えて、今回私が買ったハープは、2年間の保証つき。2年の保証期間が終わった後も、有料でメインテナンスはきちんとしてもらえる、一生もののハーモニカです。

次回、カスタム・ハーモニカというものについて、もうちょっと詳しく書きたいと思います。

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