2014/04/20

オー・ブラザー!

Posted in 本 / DVD / 映画 tagged , , , @ 2:33 pm by Yuki

映画、「オー・ブラザー」(原題:O Brother, Where Art Thou?)を見ました。コーエン兄弟の映画は好きですが、これは機会を逃しっぱなしでまだ見ていなかった。 音楽は T Bone Burnett がプロデュースしています。

1930年代、アメリカの南部。鎖に繋がれ、ワークソングを歌い、そのリズムに合わせて穴掘りの仕事をするチェイン・ギャング。この冒頭のシーンから、ブルース好きとしてはすっかり引き込まれてしまいました。

>O Brother – Opening

このシーンで使われている歌は、アラン・ロマックスが1959年にミシシッピの刑務所で録音したものだそうです。歌っているのは、James Carter and the Prisoners(ジェームズ・カーターとザ・プリズナーズ)。「ザ・プリズナーズ」ってバンド名みたいですけどね、文字通り本物の囚人の方々らしいです(笑)。

o-brother-hammer

しかしこの録音が数十年後(2003年)に映画で使われることになって、バーネットによりプロデュースされたサウンド・トラックのアルバムがビルボード・チャートで1位になったりグラミー賞を取ったりしたので、こりゃなんとかこの歌を歌っているジェームズ・カーターという人物を探し出さねば、ということになったらしく。

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カーターさんは無事発見され(シカゴにいたそうです。)、20000ドルの報酬を受け取り、グラミー賞のセレモニーなどにも参加したそうな。カーターさんは1925年生まれなので、この歌を録音した際は34歳くらい、映画で彼の歌が使われた時は75歳くらい、ということになります。77歳で亡くなっているので、間に合って良かった!人生ってほんと何が起こるかわかりません。

この逸話からもわかるように、映画では、ブルーグラス、フォーク、ブルースなどの音楽が重要な役目を果たしています。クリス・トーマス・キング扮するトミー・ジョンソンも出てきます。主役の3人組がクロスロードで彼を見つけて車に乗せるシーンも、ブルース好きとしてはたまらない。このブログを読んで下さっている方には、アメリカのルーツ・ミュージックが好きな方が多いと思うので、おすすめな映画です。

ストーリーとしては、脱獄/逃亡系ですが、かなりゆるいです。KKKなんかも出てきてヘビーなはずなのに、そこはさすがにコーエン兄弟、という感じで、ゆる〜く楽しく(でも歴史や事実を軽んじているというのでは決してない。)進んで行きます。主役は、「世界一セクシーな男」などと言われるジョージ・クルーニー。私はその濃い感じがあまり好きではなくて、そんなにかっこいいと思ったことないんですが、この映画を見て、「なるほど、この人の持つ魅力はこういうことなのか」と納得しました。だめ男のチンピラを演じるジョージ・クルーニーは、非常にかっこいい。

2014/01/11

James Booker の映画の感想

Posted in ハーモニカ以外, 本 / DVD / 映画 @ 9:56 pm by Yuki

今日は、先月見てきたジェームス・ブッカーの映画『Bayou Maharaja – the Tragic Genius of James Booker』の感想です。

見たことのない写真やライブ、インタビューのシーンがたくさんありました!

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映画の後に監督への質問会があって、その話も興味深かったです。ニューオリンズでたくさんの人に話を聞いたそうですが(映画にもニューオリンズ音楽の大御所がいっぱい出ていました。)彼女が言うには、ブッカーは接する人によってそのキャラクターを変えていたらしく、一つの明確な人物像を掴むことはできなかったそうです。ステディなパートナーがいたという情報も得られなかったそう。彼女が得たブッカーのプライベートな情報で明確な事実はただ一つ、彼がゲイだったということ。

ブッカーのセクシャアリティについては、ゲイであるとかバイセクシャルであるとかこれまでも言われて来ましたが、それはどちらかというと、ブッカーの数々あるエキセントリックなエピソードのひとつとして語られることが多かった気がします。

あの時代にゲイであったこと、しかも黒人でゲイであったこと(黒人社会のホモフォビアみたいなものも多かったはず。)は、非常に生きにくかっただろうだと思います。ニューオリンズは他の土地に比べると、ゲイにとって住みやすい街らしいですけれども、それでも、監督の話では、今の時代においてもゲイについてはあまり話したがらない人もいたそうです。ブッカーの家族も、出来上がった映画を見てこそ気に入ってくれたけれど、ブッカーがゲイだったことが作中で言及されるということで、映画製作には関わり合いになりたくない、という姿勢だった、とのこと。

接する人によってキャラクターを変え、 (おそらく) 心を許せるパートナーもおらず、家族にもありのままの自分を受け入れてもらうことができない、、、。それはたいそう孤独な毎日だっただろうなあ。映画内では、ブッカーがゲイであったことについては、さらっと触れる程度で、重大事としては取り上げられていませんでしたが(その辺の監督のセンスも良かった。)、監督の話を聞いて、ちょっとそんなことを思いました。

ジェームス・ブッカーは、多くの人が言うように、間違いなく天才だったのだと思います。でも、彼の音楽から聞こえてくる感情は、決して手の届かない天上のものではないと私は思います。地上で生きる人間の苦しみ、悲しみ、喜び。そういうものがあるからこそ、彼の音楽は、私達の心に深く響くのではないかと。

日本でもぜひ上映してもらいたい。映画の詳細はこちらです。

Bayou Maharaja – the Tragic Genius of James Booker

2013/11/21

James Bookerの映画

Posted in ハーモニカ以外, 本 / DVD / 映画 @ 12:14 pm by Yuki

最近、仕事関係で心が折れそうな事が続いていたのですが、そんな私を一気に引き上げてくれたニュース。

なんとなんと、ジェームス・ブッカーの映画ができたそうです!しかも、私の住んでいる街でも上映されるとのこと!!

こういうマイナーな映画はだいたいロードショーなんかにはならないですし、DVDにもならないので、映画ができたという話を聞いても見る機会はないということがほとんどです。以前書いたリトル・ウォルターの映画の話も音沙汰無しですし。

映画の詳細はこちら。

BAYOU MAHARAJAH – the tragic genius of JAMES BOOKER

見たことない写真や映像がいっぱいのトレイラー見ただけでわくわくです!

2012/11/25

リトル・ウォルターの映画

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged @ 6:14 pm by Yuki

Little Walter の伝記映画ができるらしいです!

タイトルは、”Blue Midnight”。

いつ公開になるのかなどはまだわかりませんが、イギリスでも公開になるのかなあ。日本でも見られるといいですね。

こりゃ楽しみだ。

2012/01/24

映画 BLUES HARP

Posted in 本 / DVD / 映画 @ 10:29 pm by Yuki

エタ・ジェームス、逝ってしまわれましたね・・・。

悲しいですが(しかも最近ある災難に遭って落ち込んでもいるのですが)、気を取り直して、今日は映画の話です。最近、三池崇史監督の『ブルース・ハープ』という映画があるということを発見しました。三池監督の作品にはすごく好きなものがいくつかあるので、期待が高まります。なんでも、ブルース・ハープを演奏する若者とヤクザの若者の話らしい。これはおもしろそうではありませんか。

というわけで、さっそく鑑賞。以下、ネタバレありです。

冒頭がとにかくかっこいい。時計を見ていたわけではないのではっきりとした時間は覚えていませんが、最初の10分くらいでしょうか。ライブハウスのシーンとヤクザの暴力シーンがテンポよく交錯。それから、忠治(池内博之)が煙草を吸うために擦ったマッチの灯りで、健二(田辺誠一)の顔が暗闇に浮かび上がる。この辺りまでが非常にかっこいいです。

三池監督は男性を美しく格好良く撮る人だと思います。それから、『46億年の恋』でもそうでしたが、ホモセクシュアルのプラトニックな愛を描くのが上手い。男性同士の濡れ場など一切ないのですが、忠治がシーツに絡まって眠っているシーンなんて非常にエロいです。池内博之くんの小麦色の肌がおいしそう。

それから、自分の野望を実現させる手段として寝たくもない女と寝る健二が、その情事のあとで執拗に歯を磨き、身体を洗い、仕舞いには嘔吐するシーンもインパクトがありました。劇中、彼がゲイだということは明確にされているわけではなく、このような歯磨きシーンや、忠治への目線、また、健二の弟分の行動などによって徐々に提示されて行きます。

全体的にもうちょっとブルース中心の内容かと思ったのですが、ブルースの映画というよりも、ヒューマン・ドラマの映画、又は青春映画という感じが強いです。ライブハウスのシーンはたくさん出てきますが、忠治がステージでハーモニカを吹くシーンは3度。それから、レコード屋でリトル・ウォルターのLPを買うシーンがあります(ここはちょっと興奮しました)。その他は特にブルースが出てくるところはないので、ブルースやブルース・ハープを核にしたストーリーだと思って見ると、ちょっと期待はずれとなるかもしれません。ちなみに私はなぜか、忠治が初めてステージに上がるシーンでものすごく恥ずかしくなってしまい、そわそわもじもじしてしまいました。一体何だったんでしょうあの恥ずかしさは。謎です。

それから、ブルースではないのですが、ライブハウスで演奏をしていた面影ラッキーホールというバンドが、シュールでおもしろくてかっこよかったです。YouTube で検索してみたら、映画で使われていた曲は見つからなかったのですが、それに似た感じの曲がありました。格好いいバンドサウンドと強烈な歌詞の組み合わせがもうすごいったらないです。この曲中の「毎晩誰かの車が来るたび 闇にくるまり」という歌詞は、「今晩誰かの車が来るまで 闇にくるまっているだけ」という佐野元春の『アンジェリーナ』からの引用でしょうね。そのあたりもおもしろい。

面影ラッキーホール/あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて

とここまで書いたら、佐野元春の『アンジェリーナ』が無性に聴きたくなりました。

佐野元春 アンジェリーナ

話がそれましたが、個人的にはなかなか好きでした、『ブルース・ハープ』。

2009/03/01

革命児 リトル・ウォルター

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged , @ 9:29 pm by Yuki

少し前に、キム・ウィルソンがサウンド・トラックで吹いているという映画、”Cadillac Records” について書きました。(>Kim Wilson – Juke, My Babe)。首を長くして待っていたこの映画、ようやくイギリスでも公開になり、早速観に行って来ました。

全体としては不満 (というか物足りなさ) も正直ありましたが、見終わった後に、「マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターは、やはり革命児だったんだよなあ」 と改めて思ったということを考えると、良い映画だったのだと思います。

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アンプリファイドの演奏を一般化したということで革命児扱いされることが多いリトル・ウォルター (この映画でもそうでした)。彼が素晴らしいアンプリファイドの演奏をしたことはまぎれもない事実なのですが、私はそれは彼が起こした革命のほんの一部にすぎなかったと思うのです。彼の真の功績は、全く新しいアプローチでハーモニカを演奏したことと、全く新しいスタイルの音楽を作り出したということにあると思います。

先日の記事 (Little Walter の未公開映像 - その後) で紹介した映像でも、衝撃を受けたフレーズがいくつもありました。特に2曲目のインスト・ナンバーは、目を見張るというか耳を疑うというか、これまで聞いたことのない斬新なリックが所々にあって、何度聞いても 「おおおお」 と唸ってしまいます。彼の死からは40年以上が経っているわけですが、その間誰も思いつかなかったようなリフをこうしてアドリブでやっているのを見ると、もうお手上げだなあと思います。本当にこの人は、信じがたい天才です。アンプリファイドの時とアコースティックの時では奏法を使い分けているのは明らかですし、「どうやったら楽器 (アンプなどの機材を含む。) を最も効果的に鳴らすことができるか」 ということを本当によく知っていた人だと思います。

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キム・ウィルソンがサウンドトラックのハーピストというのは、見事に適役だったと思います。キムはよく、リトル・ウォルターと比べられたり、その演奏を 「リトル・ウォルターのコピー」 と言われたりしますが、本人はそれを、「リトル・ウォルターに対する冒涜 (sacrilege) だ。」 とインタビューで言っておりました。

映画全体の感想は日常のブログの方に書いてありますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

2009/02/27

Little Walter の未公開映像 - その後

Posted in ハーモニカ, 本 / DVD / 映画 tagged @ 12:11 pm by Yuki

リトル・ウォルター (Little Walter) の未公開映像がDVDで発売されるぞ!という記事を書いたのが去年の10月 (>Little Walter の未公開映像)。

その後どうなったかというと、無事に発売されたようです。YouTube に映像がアップされています。

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みなさんそれぞれに思うところがあると思いますので、今回は敢えて私自身のコメントは書かないことにします。Enjoy!

Little Walter Live in Germany (1967) #1 – Mean Old World
Little Walter Live in Germany (1967) #2 – Untitled Instrumental
Little Walter Live in Germany (1967) #3 – My Babe

2009/01/13

Rick Estrin の 教則DVD

Posted in 本 / DVD / 映画 tagged @ 8:47 pm by Yuki

丑年ハーピスト (しつこい?) のリック・エストリン (Rick Estrin) が、DVDを出したらしいです。その名も、”Rick Estrin Reveals Secrets Subtleties & Tricks of the Blues Harmonica”。

rick_estrin_dvd

こちらで、ちょっとですがサンプルを見ることができます。

Rick Estrin Reveals Secrets Subtleties & Tricks of the Blues Harmonica (Film Baby)

しょっぱな、耳をつんざくような演奏をしている男からハーモニカを奪うシーンには爆笑しました。よくぞやってくれた!しかし 「ブルース・ハープ=こういう演奏」 だと思っている人はいまだに多いですね。私がこのブログを作ったのも、そういうブルース・ハープに対する誤解をなるべく少なくできたらいいなあ、と思ったのがひとつの理由であります。

このページの下のほうには、ジェリー・ポートノイ (Jerry Portnoy) による解説も載っていますが、それを読んでますます欲しくなってしまいました。う~ん、欲しい!これは買うぞ!!

2009/01/08

Kim Wilson – Juke, My Babe

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged , @ 7:05 pm by Yuki

昨年12月にアメリカで、”Cadillac Records” という映画が公開となりました。ご存知、チェス・レコードの話で、Muddy Waters、Little Walter、Willie Dixon、Howlin’ Wolf、Chuck Berry、Etta James なんかが出て来ます (もちろん本物ではないですが)。去年の初め頃にこの映画のことを知って、ずっと楽しみにして公開日をチェックしているのですが、イギリスでは春ごろということです。ブルース・ファンの人は納得行かない部分も多いらしく、賛否両論あるようですが、やはり楽しみであります。

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チェス・レコードの話ということで、もちろん音楽が出てくるわけですが、オリジナルではなくて、この映画のために演奏 / 録音された音楽が使われています。ハーモニカを吹いているのは、我らがキム・ウィルソン (Kim WIlson)。YouTube に “Juke” と “My Babe” の録音があったので、アップします。

Juke – Cadillac Record Sountrack
>My Babe – Cadillac Record Sountrack

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ハーモニカ好きとしては、キムの演奏が聴けることも、この映画を見るひとつの楽しみになりそうです。

2008/12/22

A Sourcebook of Sonny Terry Licks for Blues Harmonica

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged , @ 12:17 am by Yuki

一足早い、自分へのクリスマスプレゼントです。トム・ボール (Tom Ball) によるソニー・テリー (Sonny Terry) の演奏を説明した本。CD付きです。本当は夫へのプレゼントのひとつにするはずだったのですが、昨日、本棚を整理していて、夫はすでにこの本を持っていたことを発見。しかもトム・ボールのサインつき!ショックだ・・・。不本意ながら自分へのプレゼントとなりました。まあ、後で見せてもらおうという魂胆だったのだからいいか・・・。

sonny_terry_book

トム・ボールは、すごく好きなプレイヤーです。初めてライブを見た時は、その饒舌なハーモニカにぶっとびました。すごく気さくな人で、ジェームス・ブッカー (James Booker) の話なんかをして盛り上がったのを覚えています。その後も2度ほどライブを見ていますが、いつ見てもあの饒舌さは健在であります。ハーモニカはもちろんですが、実はギターも上手くて、ギター・ソロのCDなんかも出しているんですよね。

映像は、2003年、ブリストルのハーモニカ・フェスティバルにてのトムの演奏。
Tom Ball at NHL H2003 Festival

tom_ball_guitar

ここからは全くの (しかもかなりアホな) 余談です。映画 「12モンキーズ」 の最後の方で、ブルース・ウィルスがかつらと口ひげで変装する場面があるのですが、その姿がトム・ボールに似ている!上の写真なんてそっくり!私はこの映画がすごく好きなのですが、最後の変装シーンになるといつも、「お!トム・ボール!やっぱり似てる!」 という思いがよぎって、真剣に見られないので困ります。緊迫して、シリアスで、ロマンティックなシーンだというのに。

しかし、テリー・ギリアムってやっぱりすごいですね。「未来世紀ブラジル」 なんて大好きです。 「12モンキーズ」 では、ルイ・アームストロングの 「この素晴らしき世界 (What a Wonderful World)」 の使われ方も良かったです。最後に流れるこの音楽を聴くと、いつもうるうるしてしまいます。

ハーモニカに全く関係ない上に、かなりわかりにくい話で申し訳ありません。

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