2017/04/02

Tone! Sweet Tone!

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 音色 tagged , @ 8:08 am by Yuki

さて、ブログ再開第一回目は、サニー・テリーです(爆)。いや、待って下さい!閉じないで!(笑)他のスタイルにも、きっと応用は利きますから!

先月、ポール・ラム(Paul Lamb) のデュオのライブを見に行きました。サニーのスタイルを演る現代のプレイヤーで、私が一番尊敬しているのが、ジョー・フィリスコ(Joe Filisko)とポール・ラム(Paul Lamb)。両者とも、聴きまくって研究しまくった感ありありの、素晴らしい演奏をします。特にジョーは、私がサニー・テリーを始めるに当たって、彼の教材がとても役に立ちました。お会いする度、またFacebookなどでもいつも励ましていただいて、彼なしにはここまで来れなかったと思います。どれだけ感謝してもし足りない。

そして、ポール・ラム。彼のサニー・テリーも素晴らしい。サニーのグルーヴとフィーリングに至っては、個人的には世界一だと思っています。ポールには一度、レッスンの様なものをしてもらったことがあり、嬉しいことにそれを覚えていてくれて、今回も励ましていただきました。ありがたいことです。

このポールのライブを見て以来、集中して練習しているのが、トーン(音色)作り。サニーのあのスウィートなトーンを求めて、日々研究中です。サニー・テリーってなんかちょっと音色がシャープなイメージがあるかもしれませんが(サニーがよくやる4穴ドローのロングトーンは確かにシャープなので、そのせいですかね?)、全体の音色は実にスウィートです。それまでは結構いい線行ってると思っていたのですが、ポール・ラムのライブを見て、まだまだだ!と思い知らされました。

誰っだたか忘れましたが(確かシカゴ系の有名なプレイヤーだったと思います)、「トーンの改善に限界は無い」と言っていたことがあります。どんなに上手くなっても改善の余地はあるという事です。名言ですね。

そんな訳で本日は、私のアイドル(61歳のおっさん捕まえてこの言葉のチョイスはどういうものか。)ポール・ラムのこのスロー・ブルースを。かっこいいですよ!!

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2013/08/25

Sonny Boy Williamson I に挑戦

Posted in テクニック, ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー, 音色 tagged @ 10:49 pm by Yuki

先日書きました通り、ただ今サニー・ボーイ・ウィリアムソン I のコピーに夢中です。朝から晩まで(時間の許す限り、ということですが。)ハーモニカ漬け。この2週間半、一歩も外に出ない、という日もありました。不健康極まりないです。サニー・ボーイ1世は大好きなハーピストですが、「難しくて歯が立たない」という意識が強かったので、これまでコピーは遠回しにして来ました。ですが、ワークショップでジョー・フィリスコの演奏に触れてすっかり盛り上がり、どうしてもやってみたくなっちゃったのです。で、やってみたらですね、やっぱり非常に難しかったっていう(笑)。

短い和音がぱっと入るところがたくさんあって、そこが一番の難関。「普通のタング・スラップとも違う様だし、一体どうやってるの~?」と、何回も何回も聞き直し、ハーモニカでああでもないこうでもない、とやってみて、また聞き直し・・・の繰り返し。それと関連して、2穴ドローと3穴ブローの使い分けも苦労しました。「ここは普通、2穴ドローでしょ!」というところで3穴ブローが使われているところがあることが判明したりして、難しいったらありゃしないです。2穴ドローと3穴ブローは同じ音(セカンド・ポジションではそりゃもう重要なトニック)ですが、サニー・ボーイ1世の場合、その使い分けによって音色を変えたり、グルーヴ感を出したりしている様なので、できるだけ正確にコピーするようがんばりっています。

特に注意している点としては、強く吹きすぎないこと!パワフルな音、ブルージーな音、ダーティーな音、パーカッシヴな音を出そうとすると、ついつい力いっぱい吹いてしまう、というのはハーピストならば誰でも一度は犯してしまう間違いですね。それから、音色。私は、日々の練習の一貫として、「どんだけ太い音を出せるか」という研究(というほど大それたものではないです。ただの練習ですね。)をしているのですが、それとは真逆の薄っぺらーい音が意図的に使われているところがあるので、そういうのもできるだけコピーして行くつもりです。あと、ダーティーなところはものすごくダーティーですが、クリーンなところも多いということが判明したので、その辺りもなるべく注意して吹き分けしています。誰かのコピーをすることのメリットのひとつとして、「自分の吹き癖から脱出できる」というのがあると思います。私なんかはつい全部ダーティーにしたくなっちゃうんですが、そこをぐっと抑えてあえてクリーンでやってみる、というのはすごくよい訓練になります。

本当はサニー・ボーイ1世についてもっと書くはずだったのですが、長くなったので、私が好きで好きでたまらない彼については、次回ゆっくり書きたい思います。

2013/06/26

トーンを磨く

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 @ 9:06 am by Yuki

最近は、トーン(音色)中心に練習しています。どんなに良いトーンの持ち主でも(私のことじゃないですよ!)改善の余地がある、と言われるのがトーン。トーンの探求に終わりはありません。

それにしても、ハーモニカはキーによって身体の使い方(喉の開き方や身体への響かせ方)が大きく変わるので大変ですね。私は、長い間C調のハープばかり吹いていたせいか、それとも身体の大きさと関係しているのか、高めのキーのハープが得意で、Cはもちろん、DやFなどを使った方が、GやAを使った時よりも鳴りが良く、なんというか「しっくりくる」演奏ができていました。息を効率的に使えているという感じでしょうか。同じフレーズをGやAでやると、音が身体へ共鳴している感じがあまりしなく、どうも息を無駄遣いしている感じが強かったのです。気のせいかな、と思っていたのですが、ある日夫に「高いキーの方が良い音してる」と指摘され、「やっぱり!!!」と思ったのでした。

それで、ここ数週間、(誕生日にLow Fを買ってもらったこともあり)、低いキーのトーンを改善しようと、トーン作りに励んでいます。テクニックを変えるのは、骨の折れる作業です。一音一音こつこつと、身体の使い方と音の響きを確かめながら練習します。その甲斐あって、(まだまだ難ありですが)、低いキーの音色は大分改善されました。が、しかし!今度は比較的得意だったはずの高いキーの音色が乱れるという事態に陥りました!低いキーを吹く時の身体の使い方に慣れ過ぎて、高いキーの身体の使い方を忘れちゃったんですね。低いキーを吹く要領で高いキーを吹いたら、響かないことこの上ないです。今度は高いキーでやり直し。。。もういや~。

2012/03/16

レゾナンス!

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 @ 8:07 am by Yuki

最近、仕事関係でストレスが溜まっています。ムキーッ!もういや!人間ってなんで働かなくちゃいけないんでしょうか。ああ、毎日ぐうたらしていたい。

さて。

先日、ハーモニカを練習していた時のこと。ウォーキング・ベースとか、色々なポジションでアドリブをしたりとか、トレイン・リズムとか、これといった目的も特に持たずに、楽しんで遊びながら練習していました。それで1時間くらい経った頃でしょうか。2穴を吸ったら、ものすごく大きな音がしたんです。自分で 「何これ?!」 とびっくりするぐらいの大きな音。もしかして、これがレゾナンス (resonance) ってやつ?すごーい、私、すごーい。

音色についてはいつも気を使って練習しているつもりで、昔に比べたら大分良くなったし、身体に共鳴させる感じもちょっと掴めてきたと思っていたのですが、まだまだ改善の余地はあるものです。音色の探求に終わりはありません。

でもですね、こういうのって、時間が経つとまた忘れちゃったりするんですよね。翌日、「もう一回できるかな?」 と思ってやってみたら、できませんでした(笑)。いえ、正確にはできたのですが、できるまでにまた1時間くらいかかりました(爆)。これはやはり、地道に身につけて行くしかないですね。音色に限らず、「色々なことがコンスタントに上手くできるようになる」 というのは、今のところのひとつの大きな目標です。

2012/01/03

New Year’s resolution

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 tagged , @ 1:38 am by Yuki

あけましておめでとうございます。

みなさま、よいお年を迎えられましたでしょうか。私は友達の家で楽しく年越しをしました (こちらでは家族と過ごすのはクリスマスで、年越しはパブへ行ったり友達と過ごしたりする人が多いんです)。その年越しパーティーで行われた曲名当てクイズでは、映画 「12モンキーズ」 のテーマを当て、なかなか幸先の良いスタートとなりました。テリー・ギリアムはすごく好きな監督なので、「12モンキーズ」 を当てて年越しとなったのは非常に嬉しいのですが、新年がテリー・ギリアム的悪夢の年にならなければいいけれど・・・と、実はちょっと不安だったりもします。

さて、年が明けて気分も新たに、今年は新年の抱負を宣言してこのブログを始めることにしました。もうちょっとまめに部屋の掃除をしようとか、甘い物を食べすぎないようにしようとか、あまりぐうたらしないようにしようとか、もう少し社交的になった方がいいとか、私の生活の改善点を挙げたら切りがないのですが、このブログは一応ハープ・ブログということで、ハーモニカについての抱負を述べたいと思います。こほん (咳払い)。

ということで、2012年の抱負。

「初心に帰る」

です。

先日、Hohner の Thunderbird を手に入れたと書きましたが、この楽器を吹き始めてから、「音色」 ということをより意識するようになったんですね。まあ当たり前のことではありますが、ロウ・キーのハーモニカをきれいに鳴らすには、口や喉の開き方や身体への共鳴のさせ方 (英語では reaonance chamber という言い方をします。) を少し変えなければならないということに気がついて、それから、普通の (ロウ・キーではない) ハーモニカに戻った時にも、以前よりこの reaonance chamber の作り方を意識するようになりました。音色に集中してロング・トーンの練習をしたりなど、正に初心に帰る、です。

それから、これは先日も書きましたが、Thunderbird を吹くようになってから、リズム演奏が楽しいんです。何といってもリズム演奏はブルース・ハープの核となるもの。ということで、今年は音色の改善と共に、リズム中心の演奏方を磨いて行く予定です。まずはサニー・ボーイ2世のコピーから始めるつもりだったのですが、やっぱり (予想した通り) これは難しくて歯が立たなかったので、サニー・ボーイIIスタイルで演奏しているリック・エストリンの曲のコピーから始めました。リック・エストリンができるようになってくるにつれて、サニー・ボーイIIもわかりやすくなってきました。サニー・ボーイIIとリック・エストリンに限らず、モダン・ハーピストの演奏を学ぶことによって、ODBG (Old Dead Blues Guys) の演奏がわかりやすくなるということはあると思います。例えば、キム・ウィルソンがリトル・ウォルターの、ジェリー・ポートノイがビッグ・ウォルターの演奏への導き役となるというようなことが。そういう意味でも私はやはり、たまにいる 「古い物以外は全てダメ」 的な考え方の人はもったいないなあと思います。

今年も古い物から新しい物まで、色々混ぜてブログを書いていく予定です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ハープ・ラバーのみなさま、ブルース・ラバーのみなさまにとって、素敵な一年となりますように。

2011/05/31

トーンは自分自身の中に - マーティー・ドッドソン

Posted in テクニック, ハーモニカ以外, 音色 tagged , , , @ 8:57 am by Yuki

マーティ・ドッドソン (Marty Dodson) のドラムを聞くと、「ドラムにもトーン (音色) ってあるんだよなあ」 と改めて思うことが多い私です。ドラムに詳しいわけでは全くありませんが、この人は音がすごくきれいだと思います。先日の記事で、ジョン・ネメス (John Nemeth) がキッド・アンダーセン (Kid Andersen) や ランディ・バミューデス (Randy Bermudesa) と演奏しているクリップを紹介しましたが、そこでもドラムを叩いていたのがこの彼です。全体に気持ち良い演奏ですが (この人のドラミングはどうしていつもこんなに気持ちが良いのでしょう。)、特に曲の始め、4小節のイントロの4小節目 (0:11 あたり) のトーンが好きで、何回でも聞けちゃいます。シャンパンの泡がはじけるかのような美しいトーン。

John Nemeth & Kid Andersen – She’s Looking Good

彼の作り出すシャッフルのリズムとグルーヴも最高ですが、それを際立たせているのも、このクリアなトーンのような気がします。デヴィッド・バレットのサイトからの映像で、ドッドソンが様々なシャッフルの説明をしているクリップがあって、これがまた素晴らしい。ハーモニカ (David Barrett)、ギター (Rusty Zinn)、ベース (RW Grigsby) を加えての、バンドサウンドのデモンストレーションもあって良いお勉強になるかと思います (バックビートについての話などもしています)。

>Shuffle, Part 1 – Blues Harmonica Band Performance Training: Groove for BluesHarmonica.com

マーティーは、「どういうシャッフルを演奏するのかというのは、他のプレイヤーがどういった演奏をしているのか、どういったサウンドを作り出そうとしているのかによる」 と言っていますね。こういうところにも激しく同意。

それから、デヴィッド・バレットがこのお三方に、「ハーモニカ・プレイヤーが取り組むべき課題は何か」 という質問をするクリップもあって、そこでマーティーは、トーン (音色) についてこのようなことを言っています。

「いつもと違う音響の部屋で演奏する時、自分の望むトーンが得られないからといって、ハーモニカプレイヤー達がものすごく欲求不満を感じているところを見たことがある。僕も同じ欲求不満を感じることがあるよ。ドラムだってトーンがあるからね。チューニングを変えることだってできるし、例えば、スネアのボディが十分に聞こえない環境で演奏しなくちゃならないことだってあるかもしれない。演奏する部屋の音響がタムには合わなくてもスネアには合うということだってあるかもしれない。バスドラムが良く鳴らないということだってある。それが現実だし、そういう問題は付き物だよ。良いトーンを得ることをあきらめろって言うわけじゃないよ。でも、トーンはエキップメントの中にあるんじゃないって僕は確信している。エキップメントの中ではなくて、指とか、ドラムの叩き方とか、ハーモニカの吹き方とかの中にあるのがトーンなんだ。トーンは自分自身の中にあるもので、僕らはそれを自分自身で探し出さなくちゃいけない。これは音楽的にも肉体的にも、紛れもない真実だよ。だから、部屋の音響が良くないからってそんなにイライラしないで、他のバンド・メンバーと一緒に音楽的な演奏を作り出すことにエネルギーを注ぐことが大事なんだよ。」

難しいシチュエーションで演奏しなくてはならない時、私はこのマーティーの話の最後のくだりを思い出すようにしています。つい先日も、ひどいサウンドマンのおかげでステージ上でピアノとヴォーカルがほとんど聞こえなく (立派なPAだったし、しかもフル・バンドではなくて、ピアノ、ギター、ハーモニカのトリオだったんですよ!それでこれ以上は無理って!?)、一瞬パニックに陥りそうになったのですが、そこでふっとこのマーティーの言葉を思い出して救われるということがありました。ありがとう、マーティー。しかし、この方もなかなかの男前ですね。ちょっとさっぱりしすぎている感じが私のタイプとは違うのですが、巷の女子には人気がありそうです。

それはさておき、こうしてハーピスト以外のミュージシャン (しかも彼らのようなトッププレイヤー) によるハーピストへのアドバイスが聞ける機会ってあまりないので、とても興味深いですね。こういうビデオを作るあたり、デヴィッド・バレットはやはりさすがだと思います。他のアドバイスも勉強になるので、ぜひご覧になることをおすすめします。私は、ラスティ・ジンの、「もっと多くのハーモニカ・プレイヤーに歌を歌ってほしい」 、「音楽の構造を理解するために、ギターやピアノなどを学ぶと良いと思う」 という言葉に共感しました。

Rusty Zinn, RW Grigsby and Marty Dodson share what Harp Players should work on

2011/02/06

弘法筆を選ばず

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 @ 8:20 pm by Yuki

先日、ジャム・セッションに行った時のこと。この日、ハープ・プレイヤーのために用意されていたのは、冴えない音のする小さなアンプと、それにつながれたビュレット・マイク。薄っぺらくてディストーションばかりが激しいひどいサウンドで、ハープ・プレイヤーの方々が気の毒だなあと思いながら聞いていました (私はこの日は演奏には不参加)。

しかし、こんなセッティングでも、上手い人が吹くとそれなりの音になってしまうから不思議です。いや、これは当たり前の事実で、不思議でもなんでもないのですが、これほど顕著にその事実を実感したのは今回が初めてだったような気がします。

アンプを通してかっこいい演奏をするには、音を身体全体に共鳴させて鳴らすというテクニックが必要となります。でもそれは最低限の必要条件でしかなくて (というか、音色作りは、アンプリファイド演奏に限らず、ハーモニカ演奏の基本中の基本ですね。)、本当に上手い人というのは、生音の良さという次元を超えたところで、アンプを上手く使いこなしているんだよなあ、としみじみと感じました。

何て言うかですね、機材 (アンプとマイク) の癖と持ち味を瞬時に理解して、その良い所を最大限に引き出すように、マイクのテクニックなり、演奏のアプローチなりを変えて行く・・・そんな印象でしょうか。ピアニストが、会場の音響や使うピアノによって、即座に指先のタッチやペダルの使い方を変えたりするのにちょっと近いかな、という気がします。

以前にも、アンプは楽器の一部という記事を書いたことがありますが、今回は機材がかなりひどかったので、アンプと吹き手の関係というのを一段と強く感じました。

2010/12/11

NHL Festival 2010 ・ おまけ

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 自分の録音・録画, 音色 tagged @ 7:42 pm by Yuki

NHL のフェスティバルについては、今日で最後。コンサートでの夫の演奏です。
生で聞いた音色はもっと良くてインパクトもあり、それが伝わらないのが残念ですが、ビデオカメラのマイクでの録音なので、まあ仕方がないですね。でも、細部へのこだわりは聞いて取れると思います。軽やかさの中にある攻撃性。

>Jon Vaughan – NHL H2010 – Bristol, UK – Ampified Harp Solos

親 (いや違う。) の贔屓目みたいなものももちろんあるのですが、私としては、ラシェル・プラよりも、デヴィッド・バレットよりも、彼の演奏の方がずっと良かった。ブルース・ハープって、心にダイレクトに響いて、人の心をぐらぐらと揺さぶる力があるんだよなあ、と久しぶりに感じたライブでした。

2009/06/26

パッカー

Posted in テクニック, ハープ日記, 音色 @ 2:30 pm by Yuki

最近、集中して行っているのが、パッカーの練習。何を今更、という感じもしますが、実は私はパッカーの演奏が大の苦手なのです。普段は全てタング・ブロックで演奏するので、たまにパッカーで吹いてみると、うわっ何これ!というお粗末な演奏になります。これまでタング・ブロックのみの演奏に不自由を感じたことはなかったのですが、訳あって、パッカーももうちょっとましにできるようになろうと心に決めたのでした。その訳というのは、オーバー・ブロウ / ドローを演奏に取り入れようと思い始めたことにあります。私は、オーバー・ブロウ / ドローがまだ、タング・ブロックでできないんですね。練習はしているのですがなかなかできなくて、これは時間がかかりそうだということで、とりあえずはオーバー・ブロウ / ドローを使う時はパッカーに切り替えようと決めたのであります。

プロの人はだいたい、パッカーとタング・ブロックをミックスして演奏していることがほとんどだと思いますが、ジョー・フィリスコやデニス・グルンリングなど、ほぼ100%タング・ブロックを使う人もいます。デニスに憧れてハープを始めた私としては、彼の言葉を信じて (笑)、タング・ブロックこそがブルース・ハープの道だ!というような感じでこれまで練習して来てました。今でもそういう思いは少なからずあって、タング・ブロックを多く使うプレイヤーの演奏の方が、音色もその演奏のアプローチも、好みだと感じることが多いです。しかし、デニスやジョーの様にタング・ブロックでオーバー・ブロウ / ドローができるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだし、それまではひとつパッカーでやってみようじゃないか、ということにしたのです。以下、練習の覚え書きです。

まずはトーン (音色) 作り。良いトーンが出せなければ何も始まらない、ということで、いつものスケールをパッカーで練習。ううっ。トーンがかなり貧弱。特にベンド音。口の先をすぼめてストローで飲み物を飲む時のように 「チュー」 という感じで吸うという、薄い音にならないためには死んでも避けたいやり方でベンドをしそうになってしまう。いかーん!!そこで、タング・ブロックに切り替え、同じ音を吹いて、正しい身体の使い方を確認。そうそう、ここなのよねー。口の形は変えないで、喉のこのあたりを下げる感じで、この部分で発音するようにベンドするのよねー。と確認して、今度はそれを再現するようにパッカーで吹いてみます。こうして、タング・ブロックで見本を示して (自分で自分に見本を示すというのも変な話ですが。)、パッカーで再現するのというのを繰り返し練習して、良いトーンでスケールが吹けるようにします。まあ、なんとも面倒な練習であります。

タング・ブロックだとベンドがしにくいと言う人もいますが、私は、正しい身体の使い方でのベンドを学ぶには、タング・ブロックはとても役に立つと思います。パッカーだと口先でベンドをするという間違いを犯してしまうことは簡単ですが、タング・ブロックだと舌と口がハーモニカに固定されるため、嫌でも口先以外の場所を使ってベンドをしなくてはならなくなります。舌をハーモニカにつけ、口を大きく開くことによって、口の奥や喉が開きやすくなるので、ナチュラル音 (ベンドしない音) のトーンも良くなることが多いです。「すべてタング・ブロックで演奏するべきだ」 とは言いませんが、トーンやベンドのテクニックを改善したいと思っている方は、試してみる価値は大いにあると思います。

さて、スケールがだいたいできるようになったら、次はタング・ブロックとパッカーの切り替えの練習。スケールを、タング・ブロック→パッカー→タングブ・ロック→パッカー・・・と、一音ごとに切り替えて練習。トップの音まで行って戻ってきたら、次は同じスケールをパッカーから始め、パッカー→タングブ・ロック→パッカー・・・と練習。これもまた面倒ですが、効果はありです。

更に、私がいつもタング・ブロックで練習する基礎練習のひとつ、タング・スラップとコード・リズムを織り交ぜたブギ・パターンを、パッカーで練習。ビッグ・ウォルター様がよく使うテクニックです。これを、12バーの構成でやります。ウォルター様はタング・ブロックを使っていますが、それに近いサウンドをパッカーで作り出すようにがんばるのです。良いトーンで吹けているか、きちんとアーティキュレートできているか、ベンド音のピッチは正確か、などとひとつひとつ確認できるゆっくりのテンポからはじめて、少しずつテンポを上げていきます。

これらの練習を始めてから今日で5日目くらいですが、だいぶ自然にパッカーの演奏ができるようになってきました。私は使うポジションが多いので、スケールもブギ・パターンも、全てのポジションでやると、かなりの量になります。パッカーの練習の他に、毎日の日課であるタング・ブロックでの練習も普通にするため、最近は基礎練習だけでものすごく時間がかかってしまいます。でもそのおかげで、この頃は曲をやってもなかなか調子が良いです。楽器の演奏はスポーツのように、日々の体作りがものを言うというところがあると思います。

オーバー・ブロウ / ドローを演奏で使うことについても書く予定でいたのですが、思いのほか長くなったので、次回にしたいと思います

2008/11/03

音色へのこだわり

Posted in ハープ日記, 音色 @ 12:25 pm by Yuki

先日、トーン・ワークショップについて書いたので (>Tone Workshop)、今日ももう少し、トーン (=音色) について書いてみたいと思います。

ヨーロッパやアメリカで、ブルース・ハープの世界に深くはまっている人と話す時、必ずと言っていいほど耳にするのが、トーン (tone) という言葉です。「あいつはすごくいいトーンをしてる!」 とか、「どうやったらあんなトーンが出せるんだ!」 とか、「すげー、聞いた?あのトーン!」 とか、そんな感じ。ハーピストにとって、「良いトーンをしている」 というのは、最高の褒め言葉のひとつなのです。もちろん、肩を上げて、両手でハーモニカをぎゅーっと顔に押さえつけるように持って、前かがみになりながら、耳をつんざくような音で吹きまくるのがブルース・ハープだと思い込んでいる人もたくさんいます。しかし、良い演奏をしたいと熱心に研究している人ならば、必ず 「トーン」 という言葉をどこかで聞いたり読んだりして、自分のトーンを改善する練習をしているのです。

元はといえば、私がブルース・ハープにのめり込むことになった原因のひとつも、この音色に対するこだわりでした。私の本業は、クラシックとブルースを弾くピアニストなのですが、クラシックを弾く時とブルースを弾く時では、楽器や演奏に対するアプローチがかなり違うということを常々感じています。クラシックの場合は、針に糸を通すような神経の細かさで、一音一音の音色を練って行きますが、ブルースの場合は、ピアノという楽器の打楽器としての一面や、一音一音ではなく全体の雰囲気としてのトーンが重要になってきます。誤解のないように言っておくと、私は、ブルースがクラシックよりも簡単だと言いたいわけではありません。ブルースを弾くことはクラシックを弾くことと同じくらい、私にとって重要なことなのです。クラシックにはクラシックの、ブルースにはブルースの魅力があり、演奏において重要とされる部分が違っているだけのことです。そして、「音色」 ということだけに限って言えば、ブルースにおいては、クラシックに比べて、その幅の広さが限られているのは事実だと思います。言い換えれば、ブルースの演奏においては、ピアノという楽器が持つ多大な可能性と表現力の、ほんの一面しか使われていないということになります。

ジェームス・ブッカー (James Booker) のように、クラシックのテクニックと音色でブルースや R&B を弾いたピアニストもいますが、それはあくまで特殊な例です。それから最近は、ライブでは電子ピアノが使われることが多く、そのことも音色を限らせてしまう原因のひとつだと思います。とにかくそんな感じで、ブルース・ピアノを愛しつつも、私の中には音色が重視されないというフラストレーションが溜まっていったんですね。

そこで、ブルース・ハープなわけです。音色を聞いただけで、誰の演奏か言い当てられてしまうブルース・ハープ。たった一音のロング・トーンで、人の心を揺さぶることのできるブルース・ハープ。こういう音色が重視される楽器で、ブルースを演奏してみたい!と思ったのです。頭に描いた音が出なくて落ちこむことも多いのですが、常に音色に気を使って、一音一音、音をシェイプしていくブルース・ハープの練習は、私にとって、やりがいのある楽しい作業なのであります。

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