2014/07/27
ピン芸人
お久しぶりです!ハープおたくのみなさま、いかがお過ごしでしょうか?ブログをすっかり放置しておりましたが・・・めっちゃ忙しかったのです!
まず6月に、ハーモニカとフット・パーカッション(ストンプ・ボックス+タンバリン)とボーカルで、ソロのライブをやらせてもらいました。なにしろこういう形態でのライブは初めてだったので、聞き返してみると色々問題はありますが、こういうのは回数重ねて慣れて行くしかないんだろうなあ、と思います (この先どれだけこういうライブをやって行くのかは不明ですけれども)。
他にもサニー・テリーとかアンプリファイドとかもやりました。
いつも思うことですが、歌とハーモニカ一本だけで(他の楽器の伴奏なしで)、音楽をずーっと繋げ続けるというのは非常に難しいです。息つく暇もないというか、唾を飲み込む暇がないというのが一番辛い。ピアノ弾きながら歌うのも難しいし得意ではないですが、それとはまた別の難しさがあります。それから、ストンプが意外に疲れる(笑)。
まあそんな感じで、このライブのための準備と、それから去年くらいからずっと計画を練っていたピアノのプロジェクトの打ち合わせや練習や曲のアレンジなどもあり、忙しくしておりました。こちらの方もライブを始めたので、近いうちに何かアップできれば、と思います。
2014/04/28
Dennis Gruenling のロー・キー、クロスオーバー
デニス・グルンリングの新しいクリップ。
まずは、ロー・キーのハーモニカでの演奏。もうこれは、ハーモニカというよりホーンですね。こういうのやらせたらこの人はほんと上手いです。最後に「聖者の行進」を引用していることから、やはり本人も明らかにホーンを意識しているのが聞いて取れます。かっこいいなあああ。
>Doug Deming & Dennis Gruenling w/The Jewel Tones “You Can Do No Wrong”
それから、こちらはちょっと前ですが、デニスがHohnerのCrossoverを吹いてコメントしているクリップを、ホーナーがアップしていました。
>Dennis Gruenling on the Marine Band Crossover
表現力の多彩さはさすがですね。クロスオーバーだと、カスタマイズや手直しなしでもオーバーブロウができる、ということもさりげなくアピールしたりしています。
2014/04/20
オー・ブラザー!
映画、「オー・ブラザー」(原題:O Brother, Where Art Thou?)を見ました。コーエン兄弟の映画は好きですが、これは機会を逃しっぱなしでまだ見ていなかった。 音楽は T Bone Burnett がプロデュースしています。
1930年代、アメリカの南部。鎖に繋がれ、ワークソングを歌い、そのリズムに合わせて穴掘りの仕事をするチェイン・ギャング。この冒頭のシーンから、ブルース好きとしてはすっかり引き込まれてしまいました。
このシーンで使われている歌は、アラン・ロマックスが1959年にミシシッピの刑務所で録音したものだそうです。歌っているのは、James Carter and the Prisoners(ジェームズ・カーターとザ・プリズナーズ)。「ザ・プリズナーズ」ってバンド名みたいですけどね、文字通り本物の囚人の方々らしいです(笑)。
しかしこの録音が数十年後(2003年)に映画で使われることになって、バーネットによりプロデュースされたサウンド・トラックのアルバムがビルボード・チャートで1位になったりグラミー賞を取ったりしたので、こりゃなんとかこの歌を歌っているジェームズ・カーターという人物を探し出さねば、ということになったらしく。
カーターさんは無事発見され(シカゴにいたそうです。)、20000ドルの報酬を受け取り、グラミー賞のセレモニーなどにも参加したそうな。カーターさんは1925年生まれなので、この歌を録音した際は34歳くらい、映画で彼の歌が使われた時は75歳くらい、ということになります。77歳で亡くなっているので、間に合って良かった!人生ってほんと何が起こるかわかりません。
この逸話からもわかるように、映画では、ブルーグラス、フォーク、ブルースなどの音楽が重要な役目を果たしています。クリス・トーマス・キング扮するトミー・ジョンソンも出てきます。主役の3人組がクロスロードで彼を見つけて車に乗せるシーンも、ブルース好きとしてはたまらない。このブログを読んで下さっている方には、アメリカのルーツ・ミュージックが好きな方が多いと思うので、おすすめな映画です。
ストーリーとしては、脱獄/逃亡系ですが、かなりゆるいです。KKKなんかも出てきてヘビーなはずなのに、そこはさすがにコーエン兄弟、という感じで、ゆる〜く楽しく(でも歴史や事実を軽んじているというのでは決してない。)進んで行きます。主役は、「世界一セクシーな男」などと言われるジョージ・クルーニー。私はその濃い感じがあまり好きではなくて、そんなにかっこいいと思ったことないんですが、この映画を見て、「なるほど、この人の持つ魅力はこういうことなのか」と納得しました。だめ男のチンピラを演じるジョージ・クルーニーは、非常にかっこいい。
2014/04/12
Little Walter with Memphis Minnie
先日のエントリーで、リトル・ウォルターがメンフィス・ミニーと演奏している曲、”Lake Michigan” について触れました。リトル・ウォルターのここでの演奏は本当に素晴らしい (と言うか、この人に良くない演奏なんてないですけど) 。それで今日はもうひとつ、リトル・ウォルターがメンフィス・ミニーと演奏している曲で私の大好きなものを!
いいですね〜。
意外に思われるかもしれませんが、メンフィス・ミニーは私のブルースの原点とも言えるほど(原点はピンクレディーではなかったのか。)大好きです。もうかなり昔ですが、ブルースを真剣に聞き始めた頃、色々と聞きたくて買いあさった中にメンフィス・ミニーのCDがあって、このウォルターがハーモニカを吹いている2曲はその中に入っていました。でも当時の私はブルース・ハープにどっぷり浸かっていたわけでもなく、まして演奏を聞いただけでハープを吹いているのが誰かわかるほどブルース・ハープに成通していたわけでもないので(今だってぜんぜん大したことないですが。)、この演奏がリトル・ウォルターだということに気づくのは、何年も後のこととなるのでした。
この2曲が録音されたのは、1952年7月。”Juke” が5月ですから、そのすぐ後ですね。シカゴではなく、メンフィスで録音されています。
2014/04/07
Paul Lamb のデュオ / レッスン
ずっと見たかった、ポール・ラムのデュオのライブに行ってまいりました。バンドのギグはこれまで何度も見ていますが、デュオは初めてです!私は最近、サニー・テリーを始めたこともあり、今回のポールの演奏にものすごくインスパイアされました。
先日も書きました通り、ポールはサニー・テリーのスタイルを12年かけて学んだそうです(いろんな人から10年と聞いていましたが、本人に聞いたら12年とのことでした)。サニー・テリーと数週間を共にしたという、何とも羨ましい経験もお持ちです。
そんなポールなので、そりゃもうサニー・テリーのスタイルでやる曲はすごいです。完コピではなくて、あくまでサニーの「スタイル」での演奏なんですが、自分自身のフレーズを吹いても見事にサニー・テリーでした。
>The Trench Sessions – Paul Lamb and Chad Strentz perform The Underdog
私は幸運にも、ライブの前にちょこっとレッスンをしてもらいました。会場の外に止めてあるポールのバンの中で(笑)。色々とデモンストレーションして見せてくれたのですが、足をストンプしてリズムを取りながらやるので、バンが揺れる揺れる(笑)。
ほんと学ぶ事てんこ盛りでしたが、やっぱり一番すごいなあと思ったのは、その音色。サニー・テリー独特のあの音色をここまで見事に再現できる人を、私は他に知りません。ポール自身も言っていましたが、サニーのあの「スウィート」な音!ビッグ・ウォルターなどのシカゴ・スタイルの演奏もして見せてくれたのですが、サニーやる時とは音色を変えているのが明らか。しかしポールが言うには、シカゴ・スタイルのプレイヤーもベースとなるのはサニー・テリーだ、とのことでした。確かにね、私が意を決して難解なサニーおじさんを学び始めたのは、「これができるようになったら、他のスタイルの演奏も絶対に上手くなるだろう」と思ったのがひとつの理由です。まあそれより何より、サニー・テリーの演奏が好きだ、というのが一番ですが!
ポールとは何度もライブでお会いしていて、うちの夫がハープ吹きだということをポールがなぜか知っていたこともあり、お話したことはあったのですが、レッスンを受けてみると思った以上に物腰の柔らかい方でした。事前に打ち合わせしておいたのに、レッスン料も要らないと言ってくれ(泣)。私の現在のハープ・ヒーローは、間違いなくポール・ラム!
CDももちろん買いました!デュオの(写真右)と、あと夫がすごい古いやつ(写真左)買ってました。
2014/04/03
お里が知れる
ブルースのアドリブで、有名な曲の一部分を引用することがありますよね。有名なのは、ジェームス・コットンの「ジングルベル」とか。ちょっとマイナーなのでは、リトル・ウォルターの「葬送行進曲」とか(Memphis Minnie の “Lake Michigan” で吹いてるやつですね)。それから、「The Flintstones(アニメ、原始家族フリントストーン)」のテーマ曲も使われることが多いです。これは、ジェイソン・リッチが先日のクリップで入れています(5:20あたり)。ジェイソンは、「エリーゼのために」を使うこともありますね。あとは、「ナイト・トレイン」とか「テナー・マッドネス」とか、ジャズの有名な曲を入れる人もいます。デニス・グルンリングとかウェスト・コーストのギタリストはジャズの曲の引用をすることが多いです。
私はピアノを弾いているとたまに「ナイト・トレイン」が出てくる程度で、引用というのはあまり意識してやりません。尤も、かっこいい引用というのは意識してやるものではなくて、アドリブの最中にぱっと出てくるものだという気もしますが。
しかし、そんな私でも、けっこう頻繁に出てきてしまう曲があります。
それは、、、
ピンクレディーの「サウスポー」(爆)。
ピアノでブルースを弾いていて、のってくると、「せーばーんごういちーのーすごいやーつがあいーてー」の部分が出てきます(笑)。まあね、一応ブルースっぽくはなっているんですけれども。ちなみに、ハーモニカでは出ないですし、ノリが悪い日には出てきません。
ブルースにどっぷりはまってても、結局あんたの原点はここかい!と自分につっこみを入れたくなる瞬間。
2014/03/31
カフェインの効用
春眠暁を覚えず。眠いです。眠っても眠っても眠い今日この頃。昨日も9時間寝たのに(子供並。)まだ眠い。
こんな時に頼りたくなるのが、カフェインです。あー、今日はなんかだるいな〜、練習したくないな〜、というような日でも、カフェインを摂るとめっちゃ練習したくなります。
練習に限らず、仕事なんかでも、カフェイン摂るとものすごくやる気が出てポジティブになって、仕事が楽しくなったりします。恋でもしているかのような、カフェインでハイになっている時のあの高揚感。やめられませぬ。
1日にコーヒー1杯くらい(と言ってもカプチーノ系を飲むことが多いので、結局はエスプレッソ2ショットですが。)ですけれども、カフェイン無しでは正常な生活が送れないという点で、私はすっかりカフェイン・アディクトです。 最近、エスプレッソ・マシンまで購入して、アディクションへの道まっしぐら。
しかし、元気が出て仕事がはかどった気になることが多いですが、カフェインというのは人をクリエイティブにはしないそうですね。私の好きなスローガン(?)に、こういうのがあります。
コーヒーを飲みましょう!コーヒーでエネルギーを得て、バカなことを速いスピードでやりましょう!
コーヒーは物事のスピード・アップにはなるけれども、その内容や結果が必ずしも良い仕事、間違いのない仕事、クリエイティブな物になるとは限らない、ということですね。非常に的を得ていて笑えます。
でも音楽って、エネルギーを注ぐことでその演奏が変わることも多いですし、肉体的に調子が良いことによって、曲想が浮かぶこともあると思います。例えば、
ハイになってピアノの指がばりばり回る時にしか生まれない曲もあるような気がする。まあでも確かに、じっくりと音を練る練習とか、テクニックを見直す練習とかは、カフェイン無しでやった方か良い気がします(あくまで私の場合です)。
ちなみに、人を最も (と言っても、合法ドラッグ内の話だと思いますが) クリエイティブにするドラッグは、アルコールだそうです。でも、私はお酒飲むと心臓バクバクして死にそうになるのでね。練習とか何かをクリエイトするとかは、まずあり得ません。
2014/03/25
Sonny Terry – Joe Filisko と Paul Lamb の場合
引き続き、サニー・テリーをやっております。もう楽しくて楽しくて、毎日こればっかり。
音楽って、練習ももちろん大切ですが、「聞く」こともそれと同じくらい大切ですよね。ということで、最近はサニーおじさんをよく聞いています。もちろん サニーはずっと前から大好きでしたけれども、自分でやるようになると、聞き方もちょっと変わります。聞いていただけの時は気が付かなかったサニーおじさんのすごさに感動する毎日です。サニー・ボーイ1世のコピーをやっていた時にも感じたことですが、これは楽器を演奏することの一つの醍醐味だと思います。毎日こつこつと練習していることへのちょっとしたご褒美、という感じで嬉しくなります。
それと同時に、最近は、現代のプレイヤーでサニー・テリーのスタイルをやっている人の演奏も聞いたりしています。
サニー・テリーといえばやはりこの方、ジョー・フィリスコ大先生。永遠の憧れです〜。演奏からもその前の話からも、サニーとブラウニーに対するリスペクトが感じられます。次回会うまでにサニー・テリーをいっぱい練習して、ジョーに聞いてもらうのが、当面の私の目標(爆)。
>Joe Filisko & Eric Noden – Whoopin’ the blues
それから、イギリスのハーモニカ・エース(笑)、ポール・ラム。この方のサニー・テリーもすごい。今は教則本/CD/DVDがたくさん出ていますし、ネット上にもたくさんの情報があふれていますが、彼がハーモニカを学んだのは色々な情報がなかった時代なので、全て独学したそうです。そんな若きポールのヒーローだったのが、サニー・テリーとビッグ・ウォルター。現在では独自のスタイルを持っているポールですが、それもこの二人の演奏をがっつり学んだからこそ、という気がします。ブルース・ハープって、ブルース・スケールやブルー・ノート、ヴァンプ、ブルージーなリフなどを使えば、「ブルースっぽい」演奏にはなりますが、それだけだとやっぱりブルースとしては何かが欠けてしまうんですよね。ブルース・ハープのパイオニアのスタイルをとことん学んだ人の演奏は、やはり強いです。ポールが、サニー・テリーの一曲を10年かけて学んだ、という武勇伝(?)は有名です。「どれだけサニー・テリーに似ているか」という面では、ポールの方がジョーよりも近いかなあという気がします。私の知っている限り、サニー・テリーのスタイルでこの人に適うプレイヤーはいない、というくらいすごい。
>Paul Lamb plays a Sonny Terry style harmonica slow blues
サニー・テリーでは、こういうスローな曲の方が、実は難しかったりします。使ってる音はシンプルなんですけどね、どうやってこの独特の音色とフィーリングを出すのかは、今のところぜんっぜんわかりません。
明日も練習がんばります。
2014/03/19
竹製コームを膨らませる女
イギリスの国民的食べ物に、ベイクド・ビーンズというのがあります。インゲン豆を甘いトマトソースで煮た、まあ大して美味しくもない代物ですけれども、なんか不思議と食べたくなる。イギリスの生活には欠かせない食べ物です。こんなふうに缶入りで売られています。まずそうですね!
先日、このベイクド・ビーンスを使って夕飯の準備をしていたのですが、何せ私はキッチン・ドリンカーならぬキッチン・ハーパーで、ご飯作ったりしながらハープで遊ぶことが多いため、キッチンに置いてあったお気に入りのクロスオーバーにベイクド・ビーンスのソースがかかるという事態が起こりました!洗ってチューニングし直したばっかりだったのに!
すぐに洗いましたが、こういう時、コーリアン(Corian)のコームだと思いっきり水でじゃばじゃば洗えるので便利です。クロスオーバーの竹製コームも防水加工はしてありますが、やはりどっぷり浸けて洗うのはちょっと気が引けますし、トマトソースなんかはできればこぼしたくないものだと思います(そんなのこぼす人たぶんあんまりいない)。
私は最近、よく使うハープはコーリアンのコームに衣替えしました。唇の端が貧弱なので、コームは極力なめらかなものを使いたい。クロスオーバーのバンブー・コームも好きで、頻繁に使わないロー・キーやスペアのハープのコームは替えずに、そのまま使っています。ただですね、私は人より唾液の量が多いのか、なんと竹製のコームでも長時間練習するとちょっとコームが膨らんでしまうのです。さすがに木製みたいには膨らみませんが、確かにうっすらと盛り上がってるんですよ。夫には、「バンブー・コームを膨らませるなんて信じられない!」と人間じゃないみたいな目で見られております。まあ確かにね・・・。で、膨らんだコームで練習するとまた唇の端が痛いことになってしまうので、コーリアンを使っているというわけです。
唇の端が弱くて、ハーモニカにトマトソースをこぼすようなおっちょこちょいな人には、コーリアン・コームは非常に便利です。
2014/03/12
Zigaboo Modeliste
ジガブー・モデリストのコンサートに行って来ました。言わずと知れた、The Meters のオリジナル・メンバーです。
生ジガブー!
音きれいだった!ハネてた!”Look-ka Py Py” や “Cissy Strut” など、ミーターズのお約束みたいな曲から、The Wild Tchoupitoulas の曲、それから最後には “Big Chief” までやってくれました。楽しかった〜。ありがとう、ジガブー!
ジガブーの隣でベース弾いてた方がすごくかっこよくて、私の目はジガブーとベーシストさんを行ったり来たりしていました。上手いベーシストというのは、どうしてこうもかっこいいのか。
カメラ持ってなかったので、スマホで撮ったこんな写真しかありません。ブロガー失格。