2011/03/08

上原ひろみ

Posted in ハーモニカ以外 tagged @ 7:46 pm by Yuki

現役のジャズ・ピアニストですごく好きな方のひとり、上原ひろみさん。

オスカー・ピーターソンやアート・テイタム並のテクニックと、ブルースとジャズのブラックなフィーリングを用いて、いつも全力で楽しそうに迫力ある演奏をするピアニストです。「エロール・ガーナー大好き!」、「オスカー・ピーターソン大好き!」 というような気分全開の、ばりばり弾き倒す彼女の演奏ももちろん壮快で大好きなのですが、今回は (彼女としては、ということですけれど) 比較的シンプルな演奏を敢えて紹介したいと思います。曲は、パッヘルベルの 『カノン』。クラシックをあまり聞かない人でも一度は聞いたことがあるであろうあの曲。

Hiromi – Jazz in Marciac 2010 (fragm. # 1) Canon in D (Johann Pachelbel)

全体にそれほど音数も多くなくて、シンプルな演奏となっています。アドリブなんて、その大部分がメジャー・ペンタトニック・スケールで構成されています。シンプルな言葉で多くを語るこの演奏は、ブルース好きな方なら絶対に楽しめると思います。私はもう、何度見ても泣けてしまう。左手のストライドと右手のビハインド・ザ・ビートの感じはエロール・ガーナーっぽいですね。イントロダクションではプリペアド・ピアノも使用して、これもまたチェンバロのようで効果的です。イントロダクションからアドリブ、そしてエンディングへ向けての流れというか、盛り上げ方も上手いですよね。アドリブでこういう構成を作り上げるって、本当にすごいと思います。

この Jazz in Marciac での上原さんの演奏は、ピアノが良かったのか、ホールの音響が良かったのか、録音状態が良かったのか、いつにもまして彼女の音色のすばらしさと表現力の多彩さが際立っていると思います。『カノン』 はうちにあるCDにも入っているのですが、このライブ演奏は本当にすばらしい。指が回るだけではなくて、ピアノという楽器をよく理解して、その魅力を最大限に引き出せるピアニストだということが、はっきりと聞いて取れます。ぜひ生で見てみたい。

最後に、元気溌剌、ど迫力の彼女の演奏もひとつ。すごいですよ。
Hiromi Uehara – The Tom and Jerry Show