2008/12/05

ハーモニカの可能性

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 5:22 pm by Yuki

10月にブリストルで行われたハーモニカ・フェスティバルのコンサートの模様です。オランダ人の友達、ベン・バウマン (Ben Bouman) がソロの演奏をしています。「ハーモニカを使って、おもしろいサウンドを作り出す」 というのがテーマの、一風変わった実演です。

Ben Bouman at the NHL Festival H2008, UK – 1
Ben Bouman at the NHL Festival H2008, UK – 2
Ben Bouman at the NHL Festival H2008, UK – 3
Ben Bouman at the NHL Festival H2008, UK – 4

コンサートの後に、「あれ全部即興でやったの?」 と聞いたら、「一度だけ練習した」 と言っていたので、ほぼ即興での演奏ですね。思いつくままに吹いているように聞こえますけど、かなり高度なテクニックがないとできない演奏ばかりです。例えば、トレイン・リズムはハーモニカ演奏の基本のひとつですけど、本当に上手く演奏するには、鍛えられた筋肉とブレス・コントロールが必要な難しいテクニックです。ロウ・キーのハープを使った演奏も、かなり筋力がないと上手くできないと思います。

ベンについては以前も書いたことがあるので、「この人誰?」 と思った方は、こちらの過去記事をご覧になってください。
Adam Gussow のコンサート
Tone Workshop

広告

2008/10/30

Tone Workshop

Posted in 音色 tagged @ 7:16 pm by Yuki

今回のハーモニカ・フェスティバルでは、ワークショップにもいくつか参加しました。その中で印象に残ったものに、トーン・ワークショップ (Tone Workshop) というのがあります。以前、少し紹介したオランダ人の友人、ベン・バウマン (Ben Bauman) とうちの夫が共同で行ったワークショップです。友人と夫のワークショップだからというひいき目を抜きにしても、内容の濃い2時間だったと思います。

トーンというのは、つまり、音色のことですね。音色は演奏の良し悪しを決める大きな要因のひとつです。でも音色のみを題材にしたワークショップやレッスンをする人というのは多くありません。それだけ、よほどどきちんとしたメソードを持っていないと教えられない題材なのだと思います。

私はこのブログを作る前に、ネット上で、ブルース・ハープについて書かれた日本語のページをざっと読んだのですが、音色について書かれているものはとても少ないと感じました。CDの紹介で、「このプレイヤーは、タング・ブロックを使った分厚い音色です」 というようなことを書いている方、又は、ハーモニカのメーカーやモデルによる音色の違いについて書いている方はいました。でも、ブルース・ハープの吹き方についてのページで、音色の大切さについて説いたもの、更には、どうやったら良い音色が出せるようになるのかを書いたものは、私が見た限りでは (見落としたページももちろんあるかと思います。)、皆無でした。このブログをはじめたのは、実はこのこともひとつのきっかけなのです。ハープの音列とか、持ち方、ベンドの仕方、ポジションについてなどは、他の方が上手に説明していらっしゃるので、私はそういうことではなくて、「あまり語られてはいないけれど、本当はすごく大切なこと」 を書いてみたいと思ったのであります。

さて、本題のワークショップの話に戻ります。前半は、ベンが身体をリラックスさせる方法、呼吸法、音を身体に共鳴させる方法など、フィジカルな面での指導をし、後半は、夫が様々なテクニック (タング・スラップ、オクターブ、タング・トリル、ダーティー・ノートなど) を使って音色をパワーアップさせる方法を指導しました。タング・ブロックなどのテクニックをワークショップで取り上げる人はけっこういますが、こうやって 「音色」 というテーマの一環として色々なテクニックを紹介するというのはあまりする人がいないので、参加した皆さんは興味深く聞いておられたみたいです (夫よ、よくやった)。

ベンの呼吸法は、本人が 「呼吸法を学ぶには、声楽のレッスンを受けるのが一番だ」 と言うように、ハーピストというより声楽家みたいな指導でした (学生時代に副科で取った声楽のレッスンを思い出した私であります)。そしてこれが、すごく役に立つのです!

最近はだいぶ音色が改善されてきた私ですが、ジャムなどで他の上手いプレイヤーと自分の演奏を比べると、「音量が足りない」 と感じることがあります。音色自体は悪くないし、マイクの握り方もけっこう上手くできるようになったのに、音量が足りないのはどうしてだろう?という悩みがありました。力まかせに吹いても音色が悪くなるだけなので、強く吹き込む (又は吸い込む) ことと音量を得るということは別なのだとはわかっていても、それ以上のこと - どうしたら改善できるのかということ - がわからなかったのです。夫に相談しても、「身体の中にあるスウィート・スポット (sweet spot) を押さえて、そこで感じるように吹けばいい」 とかなんとか言うばかり。まあ、このスウィート・スポットというのはピアノの演奏にもあるので、言いたいことはよくわかるのですが、具体的なこと (例えばそのスポットはどこにあるのかとか) は、わからずじまい。

でもですね、このベンのワークショップに参加してから、なんだかちょっとそれがわかり始めた気がするのです。私はこれまで、音を外に送り出そう、とばかり考えすぎていたのだと思います。もちろん、音は楽器から外に出て行くわけですが、イメージとしては、音を身体に取り込むような感じで、身体に響かせるようにした方が、音色もよくなるし音量も出てくるのだと今は感じています。ハーモニカは歌と同じで、身体が楽器なんですよね。まあこれは前から頭ではわかっていたことなのですが、実践できていなかったんですね。身体を共鳴版のように使うということの大切さを改めて感じたワークショップでした。

ということで、この2~3日は、トーン中心に練習しております。きちんと注意して練習すると、低い方の音では実際に胸や喉が共鳴して震えるのが感じられます。もしかして、これが噂のスウィート・スポット?

2008/10/07

Adam Gussow のコンサート (おまけ)

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , @ 9:48 am by Yuki

このコンサートでアダムと一緒に演奏したベン・バウマン (Ben Bouman) は、オランダ人のハーピスト / ハーモニカ教師 / ハーモニカ・カスタマイザーです。私は4~5年前から顔見知りだったのですが、「なんか気難しそうな人だなあ」 という印象が強くて (そう思うことになった経緯は色々とあるのですが、長い話なので省略。)、あいさつと軽い会話を交わす程度の仲でした。それが、今年の5月に行ったデニス・グルンリング (Dennis Gruenling) のワークショップで一週間ほど一緒に過ごして、すごく好きになってしまったのであります。私達がアムステルダムで行われた今回のイベントに参加することができたのも、実は彼のおかげなのでした。ベンは10月にはブリストルのフェスティバルに来るので、また会うのが楽しみ!

さて、アダムが YouTube でアップした最新映像に、こんなものがあります。
“Stone Fox Breakdown” (Gussow and Bouman)

アダムがベンの家を訪ねて、”Stone Fox Breakdown” を録音するまでの過程を楽しいビデオにしたものです。アダムの足ダンスも見られる!
“Stone Fox Breakdown” というのはもちろん、かの有名な Charlie McCoy の “Stone Fox Chase” をアレンジしたものです。オリジナル曲はこちら。
Area Code 615 “Stone Fox Chase” (1970)

このブログを前から読んでくださっている方々の中には、SEYDEL 1847 をカスタマイズしたり (>SEYDEL 1847)、オクターブ下の音を歌うと音色がよくなると教えてくれたりした (>オクターブ下の音を歌う) 「オランダ人の友人」 が登場したことを覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、この友人こそがベンなのであります。

Ben Bouman のカスタム・ハープのページはこちら
Beta Harps

彼のバンド、Marble Tones のページはこちら
Marble Tones (MySpace)

私はこのバンドのページで聞ける “Rebirth” という曲が大好きです。ハープ一本で奏でられるこの熱く切なく美しい曲は、ベンの恋人だった女性が、おなかの中にいた赤ちゃんを亡くした時に作った曲なのだそうです。

関連記事
Adam Gussow のワークショップ - その1
Adam Gussow のワークショップ - その2
Adam Gussow のマスター・クラス
Adam Gussow のコンサート

2008/10/06

Adam Gussow のコンサート

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 8:49 am by Yuki

マスター・クラスの後は、深夜までコンサートがありました。前半はオランダ人のハーピスト、ベン・バウマン (Ben Bouman) が率いるバンド、Marble Tones が演奏し、後半にアダムがゲストとして登場。アダムとベンのハーモニカ・バトルのシーンもあり、楽しい一夜でありました。

今回、ワークショップやマスター・クラスを含めて感じたことは、アダムの演奏は “So sweet!” (こういう場合の “sweet” って、日本語では何ていうのでしょう?甘い?甘美?、、、なんかちょっとニュアンスが違う気がします)。YouTube やCDの演奏を聴いた感じでは、もっとどぎつくて荒い演奏だどいう印象が強かったのです。ストリートで長く演奏していた人は、(良い意味でも悪い意味でも) 荒い演奏をする人が多いですよね。アダムの演奏は、もちろんそういう (彼の場合は良い意味での) 荒さもあり、ぐいぐい攻めてもくるのですが、それと同時に、彼の奏でるメロディーやうきうきとするスウィング感は、とっても sweet なのです。これは私にとって大発見で、ますますアダムのファンになってしまったのであります。

以前も書きましたが (>ライブに行こう!)、私は 「ミュージシャンはライブがよくてなんぼ」 だと思っています。CDがどんなに良くてもライブがいまいちなミュージシャンは好みではないし、逆に言うと、ライブを見るまでは最終評価はおあずけにしておこうと思っています。今回も、生で演奏を聴くことの大切さを改めて思いました。

関連記事
Adam Gussow のワークショップ - その1
Adam Gussow のワークショップ - その2
Adam Gussow のマスター・クラス
>Adam Gussow のマスター・クラス (おまけ)