2014/03/03

Jason Ricci + Dennis Gruenling + Pat Ramsey

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , @ 10:13 am by Yuki

ジェイソン・リッチとデニス・グルンリングとパット・ラムジーによるハープ・バトル!これはすごい。最初は一人ずつけっこう長く吹いていますが、途中から4小節ずつに変わります。

>Pat Ramsey,Jason Ricci and Dennis Gruenling-Pat Ramsey Fundraiser 8-16-2005

ジェイソンもデニスも大好きなプレイヤーですが、最近はあまり聞いていなかったので(サニー・ボーイ I とかサニー・テリーばかり聞いているので)、このクリップを見て改めて、やっぱりこの二人はブルース・ハープの革命児だなあと思いました。

jason_ricci_rc

ジェイソンの演奏は速吹きが特徴ですけれども、出だしのアタックの仕方や、音の表情、音の切り方(フレーズの終え方)、ダーティー・ノートやタング・スラップの使い方などがブルース・ハープの古典から来ているものなので、そういうところに私はぐっと来るのだと思います。私は速吹きとかぜんぜん興味ないんですけど、この人は大好きです。最近は速吹きする人も増えましたけれども、ジェイソンみたいに細かいところで伝統的なブルース・ハープ奏法へのこだわりが聞こえてくる演奏をする人はあまりいません。先日のアキ・クマーのワークショップで、キム・ウィルソンをはじめ現代のプレイヤー達は皆、先代の演奏をしっかり勉強した上で自分のスタイルを作り上げた、という話があったのですが、その中で、90年代始めのジェイソンはウィリアム・クラークみたいな演奏をしていた、という話もありました!

dennis_gryenling_bw

デニスもものすごいブルース・ハーモニカおたくで、その奏法はやはり伝統に則ったものですが、彼なりの音のチョイスとか、フレージングとか、音の表情のつけ方は新しい時代のものですね。「ここでそう来るか!」と良い意味で期待を裏切られることが多くて、聞いていて楽しくて、にやにやしちゃう。

pat_ramsey_ht

パット・ラムジーは亡くなってしまったこともあり、それほど有名なプレイヤーではありませんが、この人がいなかったらジェイソンのスタイルも生まれなかったかもしれない。彼がジェイソン・リッチに大きな影響を与えたことは有名です。もっと評価されるべきプレイヤーだと思います。すっかり忘れていましたが、過去記事を検索したらこんな事を書いたことがありました。>Pat Ramsey

しかしあれですね、練習して上達するのは嬉しいですけれども、上達すると耳が肥えるので、「上手い人にできて自分にできていないこと」がどんどん分かるようにもなりますよね。デニスやジェイソンのスタイルを目指しているわけではないですが、自分はディテールがまだまだだなあ、と思います。上手くなればなるほど、理想から遠ざかって行くような気がする今日この頃です。自分の演奏に満足することは、一生無いような気がする。。。だからこそ楽器を学ぶことは楽しいとも言えるんですけれども。あまりに遠い道のりに、頭がくらくらすることも多いです。

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2012/02/04

インナー・ジャム

Posted in テクニック, ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 10:29 pm by Yuki

昨日は節分でしたね。みなさん楽しく豆撒きをされましたでしょうか?私は鬼役をした夫の熱演っぷりがおかしくておかしくて、床に崩れ落ちて暫し大爆笑いたしました。あー、お腹痛かった。

さて今日は、この頃私が練習に使っている、ジェイソン・リッチ (Jason Ricci) の練習方のビデオです。リズム奏法とアドリブを交互に吹くという、まあブルース・ハープの基礎のようなものですが、実はなかなか難しかったりします。でもできるようになってくるとすごく楽しい。ハーモニカってちょっと、一人で練習すると行き詰まるところがありませんか?ピアノは、ベース、ドラム、バッキング、ソロ、ホーンセクションなどのパートを一人で全て演奏するようなものですから、音楽的に色々と展開の仕様があるのですが、ハーモニカは、私なんかのレベルだと、楽しんで創作的に練習するということが難しく感じられる時があります。スケールやトレイン・リズム、ウォーキング・ベース、定番のリフやリックなどの基礎練習はもちろん大切だけれど、毎日そればっかりだとちょっと辛い。バッキング・トラックを使っての練習も役立つけれど、同じパターンの繰り返しでちょっと飽きてきた。コピーも楽しいけれど、やはりアドリブも上達したい。そんな思いを解決してくれたのが、この練習方です。自分でコンピングしながらソロを吹いて行く、”Inner Jam” というビデオのタイトルが正に相応しい演奏方。グルーヴにのせてアドリブを展開して行くこと、また、ただやみくもにアドリブするのではなく、演奏に構成を持たせることによって、「音楽を創っている」 という充実感が感じられます。私はジェイソンみたいに吹けるわけではないのでアドリブはマンネリ化しがちですが、たまーに、「お!今のはちょっと良かった!」 という演奏ができることがあると、練習がすごく楽しくなります。上手くできるようになると、この奏法は、ブルース・ハープの演奏をする上で、ものすごい強みになる気がします。リトル・ウォルターなんかも、バンドと演奏していても、そこには常に自身のリズムがありますよね。

How to Vamp for practice on harmonica. The Inner Jam

同じような内容のビデオがもう一本。こちらでは、リズムをキープすることの大切さと、アドリブの後、いつも同じタイミングでコンピングに戻ってくることの大切さを説いています。

Chordal Vamping (Harmonica) (Whammer Jammer intro) 004.

クラシックでもブルースでも、教えていると (私の本業はピアノ弾き。)、リズムやタイミングをキープするということの大切さを痛感することが多くあります。もしかしたら音色や音程よりも大切なのではないか思うことさえあります。例えば、音 (音程) を一つ間違って弾くことと、拍を一拍飛ばして弾くことのどちらが聞いている側にとって耳障りかというと、私は後者だと思うんです (もちろん例外はありますが)。それはなぜかというと、やはりリズムやタイミングというのは、音楽に秩序を持たせ、意味を持たせることの核となるものだからです。これががたがただと、その演奏は非常に聞き辛いものとなってしまいます。

まあ、そんな薀蓄はさておき、ジェイソン・リッチは大好きなプレイヤーの一人です。私は速吹きやオーヴァー・ブロウなどを駆使した演奏に取り立てて惹かれることはないのですが、ジェイソン・リッチは、「こんなふうに吹けたら気持ちいいだろうな」 と感じる数少ないテクニシャン系プレイヤー (という言い方も何だかしょうもないですが。) の一人です。

2010/12/03

NHL Festival 2010 – その3 ・ Rachelle Plas

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 4:12 pm by Yuki

ラシェル・プラの演奏は、フェスティバルの前に YouTube などで聞いていましたが、実はあまり好きではなかったのです。でも、生でライブを見たら気が変わるかもと思って、ちょっと楽しみにしていたんですよね。結果、やっぱり私の好みではなかったのですが、テクニックは素晴らしいし、18歳の若いプレイヤーということで、これからの期待を込めて、ブログで取り上げることにしました。

前述しましたが、技術はしっかりしています。でも何ていうか、彼女のハープは泣かないんですよね。音やフレーズに表情がないので、いまいち胸にぐっと来ないんです。ジェイソン・リッチ風の速吹きをしても、音楽的な盛り上がりや音の表情にに欠けるので、平坦な音の羅列に聞こえてしまう。というのはまあ私の個人的な感想で、オーディエンスの多くは絶賛していました。

確かに、18歳でここまでできるのはすごいですよね。私としては、これからどんどんセンスを磨いて、自分のスタイルを作り上げて、テイストフルな演奏をしていって欲しいなあ、と期待するところです。

Rachelle Plas harmonica blues cognac blues passions 2010

しかし、彼女の演奏を聞いて、「やっぱりジェイソン・リッチはすごいプレイヤーなんだよなあ」 と再確認いたしました。

jason ricci SHAKE YOUR HIPS

2010/10/29

Happy Halloween!

Posted in ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 7:04 pm by Yuki

日曜日はハロウィーン。ということで、ジェイソン・リッチのハロウィーン・パーティーのクリップをアップしたいと思います。ハロウィーンといえば仮装ですが、ジェイソンはショーツにへそ出し (死語かな?死語ですね!)、更に帽子とウィッグといういでたち (笑)。こんな格好してますが、やっぱりハーモニカは上手いです。彼のこういう古いものと新しいものをミックスした演奏は大好き。

Jason Ricci New Blood Halloween party 2006

ジェイソンにしろデニスにしろ自分のスタイルを作り上げていますが、私が両者に魅かれる理由は、彼らがブルースハープという楽器の持つ魅力と強みを常に考慮した演奏をするというところに尽きると思います。私は色々なポジションで演奏したりしますが、その時にとにかく一番に考えるのは、「どうやったらこのポジションでブルースハープの強みを引出すことができるか」 ということです。全ての音をクロマティック的に均等に考える演奏ならば、クロマティック・ハーモニカを使えば良いわけで、そこをあえてダイアトニックでやろうとするからには、それなりの理由があるべきはずだと思うんですよね。まだまだ道は遠いですが。

今回、なぜトラとペンギンの写真なのかというと、森の仲間さんのブログの写真がかわいかったからであります。カスタマイズについてなど、ディープなブログを運営されています。なまけものな私は、こういうのは夫まかせでちんぷんかんぷんなのですが、勤勉な方、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。きっと勉強になると思います。

森のなかまと楽しい10Holes”>森のなかまと楽しい10Holes

今週末は、年に一度のハーモニカ・フェスティバルがブリストルで行われます。その模様は、また後ほど。

2010/02/24

ジェイソン・リッチは女の子?

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 12:00 pm by Yuki

ジェイソン (Jason Ricci) が最近YouTubeにアップしたクリップ。大爆笑ものです。

Jason Ricci is really a GIRL!

友達のバンドのライブに行くジェイソン。このバンドのリーダーとは長い間の知り合いで、ドラマーとは一緒にツアーをして回ったこともあるという仲。彼らのライブに登場して、ハーモニカを吹かせてくれと頼みます。それだけならまあ普通なんですが、しかしですね、ジェイソンは、ええと、なんと女装をしています!友人達はジェイソンだと気づくのか?観客はどんな反応を示すのか?という、まあちょっとしたいたずらです。結果、首にあるタトゥーが見つかって、バンド・リーダーにはすぐにジェイソンだとばれてしまったものの、ドラマーは全く気がつかなかったそうです!

この女装は、デヴィッド・リンチの映画 『ワイルド・アット・ハート』 のルーラがモデルになっているそうですよ。ルーラかどうかは別にして (笑)、まあ良い出来なのではないでしょうか。しかし、ジェイソンはすっかり女装を楽しんでいますね。鏡の前で微笑む練習をしたり (爆)。彼はゲイですが、ドラァグ・クイーンの素質もあったとは・・・。この人はいつも、やることがワイルドで楽しいです。

2010/02/08

Jason Ricci インタビュー その2

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 10:49 am by Yuki

ジェイソン・リッチのインタビューは以前も取り上げたことがありますが (>Jason Ricci インタビュー その1)、最近彼の新しいインタビューのクリップがアップされていました。

Jason Ricci Interview

いつもオープンで正直で楽し気なジェイソン。彼の音楽はもちろん大好きなのですが、そのパーソナリティーにも深い魅力を感じます。

「ブルースという音楽は、どのようにあなたの人生に影響を与えましたか?」

「ドラッグ・アディクションから抜け出すために、音楽は役に立ちましたか?」

などという質問にも、正直に、格好などつけずに答えています。インタビュアーはもっとポジティブでドラマティックな答えを期待していたのでは、という気がしますが、こういう質問に飾らずに答えるジェイソンが私は大好きです。私自身はドラッグスによる問題の経験はありませんが、音楽と向かい合うことによって生じるけっこうヘビーな問題をそれなりに抱えて生きて来ているので、ジェイソンの言うところはわかる気がします。もし誰かに 「音楽を愛しているか?」 とか 「音楽は人生を豊かにしたか?」 と聞かれたとしたら答えは間違いなくイエスですが、「音楽は人生を生き易くしたか?」 と聞かれたとしら、答えはイエスでもあり、ノーでもあるということです。

クリップの最後の方で、ステージの上からオーディエンスに向けて語りかけるジェイソンの言葉。

「悪い時を生き抜いてこそ、良い時を楽しむことができるんだ。」

格好いいですね。涙出ちゃいますね。私もがんばろう!

2010/01/01

猛虎 ジェイソン・リッチ

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 8:00 pm by Yuki

全国のハープおたくの皆様、あけましておめでとうございます!最近すっかり更新が遅れ、内容も薄くなりがちなこのブログですが、細々と続けていく予定ですので、これからもよろしくお願いいたします。

さて、今年は寅年。寅年生まれのハーピストには、サニー・ボーイ一世 (Sonny Boy I) や トム・ボール (Tom Ball) などがいますが (詳しくは過去記事>ハーピストの干支)、今日は1974年生まれの革命児、ジェイソン・リッチ (Jason Ricci) を取り上げたいと思います。

1974年の寅年は甲寅 (きのえとら) というのだそうな。ネットで検索したら、甲寅の人の性格についての説明があって (>寅年の特徴) これがなかなかおもしろいのです。

この生まれの人は、猛虎といいます。勢いの良い虎です。調子に乗りやすく、勢いが良いために空威張りになりがちです。人の先に立って物事をやりたがります。その為、人の為に奔走して、自分の仕事がお留守になり、損する事があります。負けず嫌いから、協同的な仕事が苦手な人です。人に批評されたりすると不機嫌になる事が多い。住居は変化が多い方です。若い時、人気があり、縁談も幸運です。

「猛虎」 とか 「勢いの良い虎」 とか 「人の先に立って物事をやりたがる」 とか 「若い時人気がある」 とか、ジェイソンのイメージにぴったりですね。人がよさそうなので、「人の為に奔走して、自分の仕事がお留守になり、損する事がある」 というのもすごくあり得そう。実は私はジェイソンと同じこの甲寅なのですが、「調子に乗りやすい」、「負けず嫌い」、「共同的な仕事が苦手」、「人に批評されたりすると不機嫌になる」、「住居は変化が多い」 などなど、かなり当たっていて笑いました。私は占いなどを信じるタイプではないのですが、たまにこういうのを読んでみるのは楽しいものです。

ジェイソンは去年、ウォルター・トラウト (Walter Trout) と共にイギリスをツアーする予定だったのですが、ジェイソンのツアーへの参加が土壇場ですべてキャンセルとなり、イギリスのハープおたく達 (私を含む) を悲嘆にくれさせたのでした。ジェイソンは、理由を詳しく語ることはできないと言っていましたが、ウォルターの事務所からちょっとひどい扱いを受けたようでした。ジェイソンもウォルターも素晴らしいミュージシャンですし、私はこの二人が一緒にする演奏はすごく好きなので、とても残念。良い友達で、演奏の息が合う二人が、「一緒に良い音楽を作り上げたい」 思うのはとても単純なことのようですが、そんな単純なことが、事務所などのビジネスがかかわることで、複雑になってしまうんだなあ、とちょっと切なくなったりもしました (ジェイソンは、今回のことはウォルター自身のせいではないと言っていました)。私も、ジェイソンのような大きなダメージがあるわけではないですが、純粋に 「大好きなもの」 であるはずの音楽が 「仕事」 になることによって、ジレンマが生じることはよくあります。

Walter Trout /Jason Ricci I got A feeling Ottawa Bluesfest 08

クリップは、ウォルター・トラウトのバンドと共演するジェイソン・リッチ。ジェイソンはイントロとソロでは比較的トラディショナルな演奏をしていて、これがめちゃくちゃかっこいい。そして、曲の終わり、ギターとの掛け合いでは、「ジェイソン節」 が炸裂します。

2010年が、ジェイソンにとって、更に実りの多い年となるといいなと思います。そして、皆さんにとって、良い年となりますように。

2009/11/25

David Barrett のニュー・サイト

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , , , , , @ 11:59 am by Yuki

デヴィッド・バレットは、演奏だけではなくて 「教えること」 に力を注いでいるハーピストのひとりで、彼の素晴らしいオンライン・マガジンについては、このブログでも紹介したことがあります。
David Barrett - The Diatonic Harmonica’s Greatest Strength

そのバレットが、ブルース・ハーモニカを学ぶためのホームページを近々リリースするそうで、これがかなりエキサイティングなものになりそうだということが、ハープ界で話題になっていました。YouTube にこのサイトを紹介するビデオがアップされていますが、多くのハーピストのインタビューなどもあり、確かに興味深いです。

BluesHarmonica.com Preview

私はデニス・グルンリング (Dennis Gruenling) が出てきたところで失神しそうになったのですが (声と話し方がセクシーなのよね。)、他にもリック・エストリン (Rick Estrin), ジョー・フィリスコ (Joe Filisko), ジェイソン・リッチ (Jason Ricci), ゲイリー・プリミチ (Gary Primich), ゲイリー・スミス (Gary Smith) などなど、盛りだくさんです。ちなみに私はリック・エストリンのところでは (良い意味で) 大爆笑してしまいました。各インタビューは約1時間半の長さというのもうれしいです。

このサイト (bluesharmonica.com) がリリースされるのは12月20日。月ごとに購読料を払って、すべてのコンテンツにアクセス可能となるシステムだそうです。私なんかはデニスのインタビューを見るためだけにでも購読料払っちゃおうかなと思います。
楽しみですね。

2009/05/19

Jason Ricci インタビュー その1

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 5:00 pm by Yuki

ジェイソン・リッチのインタビューです。
Blues Moose radio Interview Jason Ricci Ospel (NL) Moulin blues 2 may 2009

なかなか良いインタビューで、全体に興味深い話が続くのですが、一部抜粋します。

jason_phrs-2

「ジェイソン・リッチはジェイソン・リッチ以外の何者でもないわけだけれど、自分が他のハーモニカ・プレイヤーと違うのはどんなところだと思う?」 に対しての答え。

よくわからないけど、僕はただ音楽を演奏したいだけで、それがブルースであるかどうかということにはあまり感心がないってことじゃないかな。たぶん、ちょっとポール・バタフィールドみたいな感じかもしれない。それから僕は、ハーモニカ・プレイヤーというより、ギター・プレイヤーみたいに演奏するんだ。

「自分の演奏する音楽はブルースだと思う?」 の問いに対しての答え。

わからないな。ブルースはもちろん演奏するよ。でもこれは難しい問題だよね。トラディショナル・ブルースというものが、現在で言うところのトラディショナル・ブルース (リトル・ウォルターやビッグウォルターなどのことですね。) だと考える人も多いけれど、そういう人達が50年代に生きていたとしたら、50年代のブルースをトラディショナルだとは思わなかっただろうね。つまり、現在リトル・ウォルターそっくりにハーモニカが吹きたいと思っている連中がリトル・ウォルターの時代に生きていたとしたら、彼らはリトル・ウォルターの音楽なんて大嫌いだっただろうってことだよ。だから、僕の音楽を何と呼ぶかというのは、みんなが好きに決めたらいいさ。ブルースに影響を受けている音楽だと呼べることは確かだろう。でも僕の演奏する曲には、絶対に、100パーセントの確率でブルースではない曲もあるけどね。

「何がブルースで何がブルースでないかと決め付ける人はたくさんいるけれど・・・」 ということについての答え。

そんなのはばかばかしいことだよ。マディ・ウォーターズだってジェームス・コットンだって、ブルースがこうあるべきだなんて考えは持ってなかったんだ。ビッグ・ウォルターなんてラ・クカラーチャを演奏してたんだぜ。彼らはみんな音楽に対して偏見がなかったし、新しいものを取り入れる広い心を持っていたんだ。

僕はインターネットを通して若いプレイヤー達と話すことが多いけれど、若い人達や子供達は、新しいものに対してすごくオープンなんだ。僕は新しい時代のほんの始まりであって、これから僕みたいな演奏をする人達がどんどん増えてくると思うよ。移り変わりなのさ。音楽は変わらなくてはいけないんだ。変わらなくては、そこで終わってしまうから。

最後に、「これはいつもみんなに聞くことなんだけど、ブルースを演奏するのにはコットンを摘まなくちゃいけない思う?」 の問いに対しては、

いや、そうは思わないよ。でも僕は悪魔に魂を売らなきゃいけなかったけどね。

と、お茶目なジョークで締めくくっておりました。ゲイの人ってチャーミングな人が多いですね。

これは他のところで読んだのですが、ジェイソンの音楽を聞いて、「こんなのはブルースじゃない」 と言う人も多いみたいですね。でも、ここで彼が語っているように、何がブルースで何がブルースでないかというのは、そんなに簡単に定義できることではないのだと思います。リトル・ウォルターだって、今でこそトラディショナルとされていますけど、ジャンプ・ブルースのテイストを取り入れたり、ロカビリーのような音楽を作り上げたり、それまでのブルースとは程遠い、斬新なプレイヤーだったわけですから。ジェイソンの人となりが表れた、良いインタビューだと思います。

2009/04/20

Dennis Gruenling インタビュー

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , @ 11:51 pm by Yuki

最近、リチャード・スレイ (Richard Sleigh) がデニス・グルンリング (Dennis Gruenling) をインタビューした映像をアップしていました。内容は、デニスのレコード・コレクションについて、リトル・ウォルターやサニー・ボーイ一世のスタイルがそのキャリアの中でどのように変わって行ったかについて、などなど。デニスの演奏もちょっとですがあります。ジェイソン・リッチ (Jason Ricci) も下の方にコメントを書いていて、それもまた楽し。

Dennis Gruenling interview part 1

richard_sleigh1 denis_its21

デニスは、去年このブログでやった 「ブルース・ハープ界の色男たち」 という世にもくだらない企画で、見事に一位の座を獲得しました。リチャードは、ロッド・ピアッツァ (Rod Piazza) と並んで、今年の色男番付 (またやる気か?) の一位を狙っている最中であります。「お気に入りが二人そろって出てるからって、あまり興奮しなうように。」 と夫に釘を刺されてしまった私ですが、やはり素敵でございました。Part 1 ということなので、続編もそのうちアップされるのでしょうか?楽しみです。

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