2009/08/10

ジョー・フィリスコに会いに行く ・ その2 (貧乏音楽家的生活)

Posted in ハープ日記 tagged , @ 10:59 am by Yuki

今日は、貧しいミュージシャンの生活の様子を少し書いてみたいと思います。音楽とは直接関係のない話なので何の役にも立ちませんが、同じような貧乏音楽家的生活を送っている方の慰みくらいにはなるかもしれません。

今回のジョーのコンサートは、ブリストルから車で3時間ほどの街で行われました。コンサートが終わるのは深夜なので、一泊して旅の疲れを癒し、次の日にゆっくりと帰るというのが理想だったのですが、この週末は、翌日もそのまた翌日も、遠方でのギグが入っていたのです。それで、楽器やアンプなどのエキップメントを車に積み込んで出発し、ジョーのコンサートの後は一泊して、その翌日は家に帰らずに、ジョーとランチをした後、まっすぐギグをする街へ行き、そこでまた一泊して、その翌日に別の街でもう一本ギグをして家に帰るというスケジュールを立てたのでした。

私のような貧乏音楽家は豪奢なホテルに泊まる余裕などもちろんなく、いつもは安めのホテルやB&Bを利用するのですが、今回滞在した2つの街はどちらも観光地で、しかも今はサマー・ホリデー・シーズン真っ盛り、その上週末だったということもあって、一番安いホテルでもかなりの値段だったのです。それでどうしたのかというと、久しぶりにバックパッカーを利用しました。バックパッカー、つまりホステルです。とは言っても個室がとれたので、ホステルとしてはかなり優雅(?)な滞在ではあったのですが。

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さて、泊まる場所はかろうじて確保したとはいえ、次に問題となったのが、ギグの機材。イギリスでは (日本でもあることなのかもしれませんが。) 駐車している車から物が盗まれるということが決して珍しいことではないので、車の中には絶対に機材を残したくない。ということで、機材をホステルの部屋まで運ぶことにしました。そして、こういう時に限って、部屋は最上階と決まっているんですね。重いアンプやピアノを持って、6つある階段をぜええぜええ言いながら上ったですよ。全部で4往復はしました。荷物とギグの機材を運んだら、小さな部屋は既にいっぱい。ちなみに2日目は、ギグの会場の方が、親切にも機材を翌日まで預かってくれたので助かったのでした。感謝。

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ベッドと洗面台とデスクが置いてあるだけの小さな部屋。トイレとシャワーはもちろん共同。こういう宿に泊まる時に私の頭をよぎるのが、「シャワーのお湯が出るだろうか?」 ということなのですが、今回は、一つ目の宿はちょろちょろながらもきちんとお湯が出て、二つ目の宿は案の定、冷水シャワーでした。シーツも布団や枕のカバーもご自分でどうぞ、という感じで放置されています。でも私はこういう時、「洗濯されたシーツとカバーがあるだけまだまし」 と思ってしまうんですね。私は若い頃に、ヨーロッパ諸国をうんと過酷な旅をして回ったのです。見るからに洗濯されていないであろうシーツ、ワラジムシが歩いているベッド、水の流れないトイレ、電気が点かない廊下やトイレ、真冬なのに暖房の利かない部屋、朝までこうこうと電気をつけて大声で話す人達とのルーム・シェア、3週間パンとチーズだけという食事、暴風雨の中、びしょ濡れになりながらテントを張ってするキャンプ・・・そんなのに比べたら、今回の洗濯済みのシーツと洗面台付き個室なんて上等です。旅行に限らず、「あれに比べたらまだまし」 と思うような経験が私の人生にはいくつかあって、ひどい経験をするというのも時には役に立つものだと思います。

長時間のドライブ、ギグ、機材運び、スプリングが身体に当たるベッドと騒音による寝不足のおかげで、家に帰りついた時はどろどろに疲れておりました。貧乏音楽家はこうしてお金を節約して、ライブのチケットやCDやDVD、1本3万円弱するジョー・スパイアーズのカスタム・ハーモニカを買うお金を貯めたり、フェスティバルやワークショップに参加する費用を貯めたりしているのであります。

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