2011/05/20

動きがかっこいいハーピスト番付 ・ 本編

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , , , , , , @ 8:06 am by Yuki

ブルース・ハープ界の色男たち」 に続く、くだらない企画シリーズ第二弾。ということで今回は先日の予告通り、動きがかっこいいハーピスト番付の本編です。では、さっそく行きますよ!

第5位は、片足ロッド

>Rod Piazza

片足に重心をのせて、もう一方の足でリズムを取る姿がかっこいい、ロッドおじ様でございます。0:31 あたりで足元が写ります。ライブ見て惚れそうになりました。「このボーカル・マイクの持ち方はどうなんだろうか?」 という多少の疑問もあばたもえくぼの、最高にセクシーな63才。

第4位は、踊るビッグ・ウォルター

Big Mama Thornton, John Lee Hooker, Big Walter Horton & Dr Ross

以前にも書いたことがありますが、この踊るウォルター様は本当に素敵です。ビッグ・ウォルターって、(残っている他の映像を見る限り) あまり体を動かさなで演奏することが多いと思うのですが、そのイメージとのギャップが良いです。みなさん、女性を落とすにはギャップ、ギャップですよ!あ、でも狙ってやってもだめなんですけどね。

第3位は、トルネード・デニス

Dennis Gruenling – Sweet Home Chicago – Gloucester Blues Festival

うちの夫がデニスのライブを始めて見に行った時、私は日本にいたのですが、ライブの後に、「デニスすごかった!トルネードみたいだった!蛇みたいだった!」 という興奮した電話がかかってきました。その時はなんのこっちゃと思っていたのですが、翌年にライブを見て納得。これはその時の映像ですが、今見てもやっぱり惚れ惚れしちゃいます。シャッフルのリズムに合わせて身体がぐわんぐわんうねる様に動くその姿はまさにトルネード。身体をくねらせながら口を開ける様子は威嚇する蛇 (2:35 あたりくらいからがわかりやすいかと思います)。ちなみに、夫はこのクリップを見るたびに、デニスがこの時自分のアンプを使ったということを自慢します (笑)。私は一緒にピッツァを食べに行ったことが自慢 (爆)。

第2位は、バタ足キム

Kim Wilson, Charlie Musselwhite, Mark Hummel

キム・ウィルソンって、一見演奏している音楽とは関係ないようなところで足を上げたりバタバタさせたりぶらぶらさせたりしますよね。ハープ吹きの夫によると、「この感覚はすごくよくわかる」 とのことですが、私にはどうしてこうなるのかというのは未知の世界であります。でもやっぱりかっこいい。0:52 あたりで、思いっきり盛り上げた後に見せるちょっと攻撃的な表情もいいですね。ステージ上の存在感と歌の上手さも含めて、この人はやっぱり現代ハープ界の王者。

輝く第1位は、役者・サニーボーイ・ウィリアムソン II

Sonny Boy Williamson – Nine below zero

このサニー・ボーイ2世のクリップを見るたびに、大うけ (良い意味で。) する私です。ドレスアップしてお行儀良く聞いている観客がまたおかしい。最後の足の伸びもポイントが高いです。私は演奏家というのは、自分自身のストーリーを自分自身の言葉で語る役者のようなものだと思っています。歌詞がある場合はもちろんですが、歌なし、楽器だけの演奏でもそれは同じで、レッスンでもそういう話をよくします。このクリップのサニー・ボーイ2世の雰囲気の作り方はすごいですね。演奏を始める前から曲の世界に入り込んで、その空気に観客を飲み込んでいく様は、クラシックの演奏家にも似たものがあります。ということで、めでたくこの方が1位!

さて今回、特別賞もあります。

特別賞は、尻振りジュニア・ウェルズ

>Junior Wells – What’d I Say.mpg

ジュニア・ウェルズは激しいパフォーマンスの映像がけっこう多く残っているので、それを1位から5位までに入れても良かったのですが、今回私が取り上げたかったのはハーモニカを吹かずに “What’d I Say” を歌って踊りまくるクリップだったので、特別賞ということにしました。のっけからハイテンションで首を振るジュニア・ウェルズ。ん~感じてますね~バックビート。それからすぐにお尻をふりふりする様子がアップになりますが (0:21 と 0:45 あたり)、なんでしょうか、やっぱりカメラの人は目が行っちゃったんでしょうかね。グッド・ジョブです。2:12 あたりからもかなり振ってますね。まさに特別賞にふさわしい強烈なパフォーマンスです。

それから、オギさんに悪知恵を入れられて、激励賞というのも作りました。この賞は、動きがかっこ悪いハーピストに与えられるものです。

激励賞は、棒立ちジェリー

>Muddy Waters – Blow Wind Blow

ジェリー・ポートノイのファンのみなさま、どうか怒らないでくださいね。このブログでも書いてきた様に、私もジェリーの演奏は好きなんです。なんですが、この人はなぜにいつも、ほとんど直立不動なのでしょうか?ちょっと前かがみで上半身が固まっている感じで、肩もこりそうだし・・・。このちょっと抑制した感じがジェリー・ポートノイの良いところなのかもしれませんが、たまに 「Go Jerry! Go wild! Go crazy!」 と激励の叫びを上げたくなることがある私です。不自然に動き回るハーピストよりはずっと良いですけどね。それに何しろ、演奏が上手ければ身体の動き方なんてどうでも良いことなのですが。しかし何ですね、現在も素敵ですが、この頃のウィリー・スミスはかっこいいですね。セクシーですね (またそういう話・・・)。息子のケニー君もお父さんの若い頃にそっくりで、男前であります。

みなさま、独断と偏見による 「動きがかっこいいハーピスト番付」、いかがでしたでしょうか。みなさまのご想像通りデニスが1位でも良かったんですけどね、今回はセクシーさに限らないかっこよさということで、こういう結果となりました。でもやっぱりこういう番付は、生でライブを見たことのある人が入っちゃいますね。リック・エストリンなんてライブを見たら、すぐさまトップになりそうです。この方のライブはぜひぜひ見てみたい。こういう写真だけでもう大うけ。

くだらない企画にお付き合いありがとうございました。

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2011/05/06

バックビート、横ノリ – Randy Bermudes について思うこと

Posted in テクニック, ハーモニカ以外 tagged , @ 12:33 pm by Yuki

現在のブルース・シーンで活躍するベーシスト、Randy Bermudes。この方の作り出すグルーヴはすごい。私はバンドで (キーボードをスプリット・モードにして左手で) ベースを弾くことが多いので、人の演奏を聞く時も、意識してベースを聞くことが多くなります。ランディは大好きなベーシストで、彼の演奏からは学ぶことが非常に多いです。ベーシストでなくても、彼の演奏から学ぶことはたくさんあると思うので、今日は彼の演奏とブルースのノリについて書いてみたいと思います。

演奏はもちろん上手いのですが、ランディの場合、それに加えてグルーヴの感じ方が見てわかりやすいんですよね。何て言うんですか、こう、2拍目と4拍目に重みが来て、その間をグルーヴがうねるように流れている感じと言うのでしょうか。そういうブルースのノリの感じ方が、ものすごくわかりやすい。 ブルースというのはまあ、比較的シンプルな音楽ですけれども、その独特のフィーリングを表現するのは案外難しかったりします。そして、ブルースのこのフィーリングを作り出すのに欠かせない要素のひとつが、ノリの感じ方だと私は思っています。

下のクリップは、John Nemeth と演奏するランディ。1:55 あたりくらいからがわかりやすいかと思います。

>John Nemeth & Kid Andersen – Come And Get It

ランディが演奏している様子を見て改めて思うのは、「ブルースというのは、バックビートの音楽なんだよなあ」 ということです。本当に当たり前の話で申し訳ないのですが、でも実はこのバックビートができていない人がけっこう多いんですよね。バックビートというのは、4拍子のオフビート (2拍目と4拍目) を強く感じて演奏するノリのことで、クラシック音楽などの様にオンビート (1拍目と3拍目) を強く感じたり、4拍全てを均等に感じたりしてブルースを演奏すると、ものすごくダサい (死語?) 演奏になってしまいます。それからやはり、縦ノリというより横ノリですね。1、2、3、4、1、2、3、4、、、と、首を縦に振ったり拳を振り上げたりして全てのビートを均等に感じるノリは、ロック (ロックンロールではない) の縦ノリであって、ブルースでこれをやると、所謂 「白人ブルース・ロック」 になってしまう危険性大です。誤解のない様にちょっと説明すると、私が言いたいのは、ロックが悪いということではなくて、クラシックとブルースのノリが違う様に、ロックとブルースのノリも違うのだということです。それから、「白人ブルース・ロック」 というのはもちろん、肌の色の話ではなくて、その音楽の形態の話です。現代では白人でも黄色人でもブラックなブルースを演奏する人はいるし、黒人だからといって、ブルースが演奏できる能力が先天的に備わっているというわけではないと思います。何はともあれ、このバックビート、横ノリというのは、ブルースに限らず、ジャズ、リズム・アンド・ブルース、ロックンロールなど、ブラック・ミュージック全般に共通して言えることだと思います。

次のクリップなんかは、「白人ブルース・ロック」 になりがちな可能盛大の曲ですけれども、そうならずに済んでいるのはランディの力が大きいのではないでしょうか。こういうロック調の曲でも、ランディの演奏はバックビート。そして、ビートとビートの間のうねりが感じられます。

John Nemeth & Kid Andersen – She’s Looking Good

ランディは Kim Wilson 率いる The Fabulous Thunderbirds のベーシストでもあり、私は何度か生の演奏を見ているのですが、グルーヴに浸り切って、ベースを愛でるようにひたすら弾くその姿は本当にかっこいい。ベースを弾いているというより、メイクラブしているかのようなせくしーさで、キムそっちのけでランディに見入ってしまった瞬間が何度もあった私でありました。ああ素敵 (このブログの行き着くところはまたそういう話・・・)。まあそれはともかく、私はそういうランディの姿をイメージして演奏することが少なからずあります。そうすると、良いグルーヴが作り出しやすいんですよね。

関連記事>ブルース・ロックというもの、横ノリ縦ノリについてもう少し

2010/10/15

リトル・ウォルターのコピー

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, ハーモニカ以外 tagged , , , , @ 3:25 pm by Yuki

エリック・クラプトン (Eric Clapton) の新しいアルバムにキム・ウィルソン (Kim Wilson) が参加しているというので、Spotify で聴いてみました。キムが演奏しているのは、リトル・ウォルター (Little Walter) の “Can’t Hold Out Much Longer” と、スヌーキー・プライアー (Snooky Pryor) の “Judgement Day” の2曲。”Judgement Day” の方は、キムらしいフレージングの演奏で、「さすがキム!」 などと思ったりしたのですが、”Can’t hold Out Much Longer” のイントロとソロは、かなり厳密なウォルターのコピー。「キム・ウィルソンがリトル・ウォルターを正確にコピーするとどうなるか」 という点としてはおもしろいですが、私は個人的には、キム自身のテイストをもっと取り入れた演奏の方が良かったのでは?と思います。ブルース・ハープを学ぶには、オリジナルを一音一音正確にコピーするという行為は欠かせないことではありますけれど、最終的には自身のテイストで演奏するというアプローチの方が私の好みです。

リトル・ウォルターのコピーで私が特に好きなのは、リック・エストリンとロッド・ピアッツァ。リック・エストリンのこの “Juke” は、とりわけすごいと思います。
Rick Estrin & the Nightcats “Juke”

キム・ウィルソンも “Oh Baby” などはすごく好きです。先日話題にした Amanda’s Rollercoaster では、デニスが “Juke” をサード・ポジションで演奏しているクリップがありましたね。これもおもしろかったです。(このクリップは最近、YouTube から消されてしまったようで、残念です!)

全くの余談ですが、エリック・クラプトンといえば、彼が70年代に公の場 (自身のコンサート会場) で、人種差別的発言をしたことは有名な話ですね。イギリスにおける移民問題についての発言でしたが、その内容は、「イギリスは白人の国であって、有色人種の移民を受け入れるべきではない」 という、人種差別以外の何物でもありませんでした。更に彼がそこで使った言葉は、”black wogs”, “fucking Jamaicans”, “coons” など、軽蔑に満ちたひどいものばかりです。クラプトンはその後、「自分は人種差別主義者ではない」 と言ってはいますが、このコンサートでの発言を撤回したり、謝罪の言葉を述べたり、などということは今日までしていません。数年前においても彼は、移民問題に対する自分の意見は変わらないし、自分はやはり Enoch Powell* を支持する、という発言をしています。

有名なミュージシャンの中には人格に問題がある人も多いので (日本にも、障害者いじめをしていたことをインタビューで悪びれる様子もなく話していたミュージシャンなどがいますね。)、そういう意味ではさほど驚くべきことでもないのかもしれませんが、ブルースなどのブラック・ミュージックを演奏して金儲けをしているクラプトンがこういう発言をしたというのは (彼がブルースという音楽を世に広める貢献をしたという事実はあるにしても)、やはり許せないことであると感じます。

おそらくクラプトンは、ブルースという音楽に本当に魅せられたからこそ演奏しているのだと思うし、黒人のブルース・ミュージシャン達を尊敬しているのだろうとも思います。でもそれと、自分の国に移民を受け入れることとは、彼の頭の中では別の問題なのだと思います。黒人の音楽は好きだけれど、自分の国に黒人が増えるのは困るのだ、と。そういう考え方の人が世の中に存在するということは、日本という移民に対して閉鎖的な国で育った私は、なんとなく想像ができます。

* イノック・パウエル。イギリスの保守派の政治家で、その移民問題に関する演説は人種差別的であるという物議をかもし出した。クラプトンはこの70年代のコンサートで、パウエルを支持するという発言をしている。

2010/10/09

Amanda’s Rollercoaster

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 10:43 am by Yuki

日本ではどうなのかわかりませんけれども、こちらでは、「夫婦そろってハープおたく」 という例は少ないようです。男性が圧倒的に多いブルースハープ界ですが、ギグやジャム、コンサートやフェスティバルなどに、奥さんやガールフレンド同伴で来る人は非常に少ない。女性のハープ吹きもたまにいますが、こちらも、旦那さんやボーイフレンドを連れて来る人はあまり見かけません。中には、奥さんがブルース嫌いとか音楽嫌い、という人までいます。

それで私はたまに、「あなたがこうやって、一緒にジャムをしにでかけたり、コンサートを聞きに行ったり、ブルース・ハープについてディープな話ができる妻を持てたのは、幸せなことだと思う」 などと夫に言って、誇大妄想気味に妻のありがたみの押し売りをしたりするわけです。それで夫が同意しようものなら、更に調子にのって、「有名なプレイヤーでもそういう例は少ないんじゃないかなあ。ロッドとハニーくらいじゃない?」 などと暴言を吐いたりします。そこで夫が言う言葉は・・・

「いや、アマンダがいる。」

ああ、そうでした。アマンダ。キムのパートナー、いえ、最近結婚したようなので、奥さんです。

前置きが長くなりましたが、ブルース・ラバーである彼女がオーガナイズしたブルース・フェスティバル “Amanda’s Rollercoaster” の模様が YouTube にアップされております。キムはもちろん、James Cotton, Hubert Sumlin, Junior Watson, Jerry Portnoy, Joe Filisko, Dennis Gruenling, RJ Mischo, Lazy Lester などが三日間にわたって演奏する、なんとも贅沢なイベントです。

YouTube で “Amanda’s Rollercoaster” を検索したら、色々と見られると思います。私はやっぱりデニスが好き。この人の演奏は、すぱっと私のツボにはまるんですよね。このスロウ・ブルースは特にすごい。デニスの演奏を聴くと、いつもハープが吹きたくなります。

Amanda’s Rollercoaster / Dennis Gruenling #2

2010/07/16

アイドル、キム・ウィルソン

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , @ 11:57 am by Yuki

お久しぶりです!みなさま、ハープおたくな日々を楽しんでいらっしゃいますでしょうか?実は私は最近、バイオリンにはまりまくり練習しまくりで、ハーモニカはちょっとさぼり気味だったのでした。ピアノもハーモニカも難しいですけど、バイオリンの難しさは半端じゃありません。修行僧のような勢いでバイオリンの練習に献身していた毎日でした。気づけばこのブログも1ヵ月以上更新なし・・・。
しかしですね、先日、The Fabulous Thunderbirds のライブに行って、またハーモニカ熱が戻りつつありますよ。やっぱりかっこいいですよね、ブルース・ハープ。そして、Kim Wilson。

多くのハープ・ファンにとってそうであるように、キムは私たち夫婦にとって、最もリスペクトするモダン・ブルース・ハーモニカ・プレイヤー (片仮名にすると長いですね。) の一人です。私ももちろん大好きですが、うちの夫にとってはもう、神様というか、アイドルというか、そういうレベルです (神様とアイドルを並べるのもどうかとは思いますけれども。)。キムに誘惑されたら、あっさりと身体を許すんではないでしょうか、この人は。

キムと夫 (の頭)、記念撮影。↓

というわけで、最前列のど真ん中、かぶりつきで見ました。バンド・サウンドとしてはステージのまん前は好ましくないことは承知ですが、やっぱりせっかくだから近くで見たいじゃないですか。完璧なサウンドを求めるのなら、家でCDを聞いていれば良いわけですし。

毎度のことですけれど、ライブで見るキムは一段とかっこいいですね。デニスやロッドの時ように惚れそうになるというのではないですけど、トップ・プレイヤーのオーラというか、貫禄というか、そういう気配がむんむんです。演奏が始まってすぐ、サウンドマンにモニターの調整をジェスチャーで指示したのですが、その様子だけでもうかっこいい (笑)。

今回特に 「やっぱりキムはすごい」 と実感したのは、そのフレージングでしょうか。そこをそう攻めて、ここはこう来て、あ?そこはこう来るのね。それで・・・え?そこでスペース?やられた~!てな感じです。まあこれはCDを聞いたり、ライブのクリップを見たりする時も感じることではありますけど、生キムがやっているのを間近で見るのは、やはり受けるインパクトが数倍違います。良い意味で聞き手を裏切る演奏ができる人って、なかなかいないですよね。こういった感じのフレージングにかけては、キムの右に出る人はいないのではないかと思います。

そんなわけで、キムには2回も握手をしてもらい、買ったばかりのTシャツにバンドメンバー全員のサインをもらい、すっかりミーハー (死語?) な一夜となりました。毎年ライブに行っているので、バンドのマネージャーさんは私たちの顔を覚えていてくれて、「来年はただで入れてあげるよ!」 なんて言っていましたけど、本当かなあ (一応、名刺をいただいて来ましたけど)。去年はバンドのギターピック・セットをもらったんですよね。こうして、毎年じりじりと少しずつ近づいていって、そのうちバックステージに通してもらったり、お友達になったりなんてことは・・・ないですね。

2009/06/06

クルージング

Posted in ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 8:32 pm by Yuki

キム・ウィルソンのライブを見て来ました。生でキムの演奏を聞くのは3回目。いつもかっこいいキム兄ですが、今回が一番良かった気がします。キムやデニスやロッドなど、大好きなハープ・プレイヤーのライブを見る時は、いつもステージのまん前で盛り上がる私であります。バンド全体のサウンドとしては、後ろの方 (特にミキシング・デスクに近い所) が音もバランスも良いことはわかってはいるのですが、やはり近くで見たいという思いが強くて、かぶりつきで見ることが多いです。

今回、キムを見ていて特に感心したのは、そのリラックス度。先日の記事 (So I don’t have to be blowing so damned hard) で、身体をリラックスすることの大切さを書きましたが、キムはその極致。上手い人は誰でもリラックスしているはずですが、キムのは見ていてすごくわかりやすい。身体に音を共鳴させているのが目に見て取れるようでした。

Kim_Wilson_bt

以前紹介したキムのインタビューの中で、今回のキムの演奏を聞いて私が感じたことをそのまま表していた部分があるので、それを紹介します。

ハーモニカプレイヤーってのは、アンプリファイドのような音をアコースティックの演奏で出そうとすることに、一生を費やすようなものなんだ。そしてそれを達成するために目指すことは、リラックスするってことなんだ。俺のすごく良い友達で、マディ・ウォーターズと演っていたこともあるジェリー・ポートノイに言ったことがある。大きな車を運転しているみたいなものなんだってね。でかいエンジンを持ったやつだよ。それを運転していると、そのエンジン音を聞いて、みんなが俺がパンチできるってことを知っているんだ。でも、俺はクルーズしているだけなのさ。パンチはしない。みんなが 「パンチが来るぞ」 って予想しているところでは、絶対にパンチはしないんだ。俺がタイヤを焦がすだろうって期待させるに留めておくのさ。たまに 「キュィィィィーーッ!!」 と一発お見舞いして、すぐにやめるんだ。そしてまたクルーズする。そうすれば、みんなをまた、その焦げたタイヤの匂いを期待させる状態にしておくことができる。

このインタビューはこちらにあります。
Honest I Do - Kim Wilson の場合

2009/04/05

アンプは楽器の一部

Posted in ハーモニカ小物 / お手入れ tagged , @ 1:43 pm by Yuki

先日、ハープ仲間でアンプを持ち寄って、アンプ比べ大会を行いました。アンプは全部で5台でしたが、メインは Fender Bassman 2台 (1台は Rod Piazza モデル) と Sonny Jr Four-Ten の吹き比べ。同じセッティッングでどれだけ音が違うかとか、マイクを変えたらどうなるかとか、ああでもない、こうでもない、とハープおたくが集まって楽しい一時を過ごしたのでした。

機材にはどうものめりこめない私は、おたく度丸出しの集まりに参加して、やっぱりもっと勉強しようかなあと反省したりもしたのですが、それと同時に、エキップメントにものすごく詳しい人が、「タングブロック・ベンドがまだできないんだよね。」 などと言っているのを聞いて、「機材へのこだわりに費やすその膨大な時間を、タングブロック・ベンドの練習に少し回した方がよいのでは?」 と人事ながら疑問に思ったのも事実です。大切なのはバランスですね。

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ジャムなどに参加するたびに思うのは、アンプを本当の意味で使いこなせている人は非常に少ないということです。私を含む初心者は、マイクのグリップが上手くできていなかったり、アンプから聞こえてくる音に惑わされて身体への共鳴ができなくなったり、音のイメージとテクニックが結びつかなかったりなどの理由から上手くいかないことが多いのですが、長年アンプリファイド・ハープを吹いてきた人でも、アンプを楽器の一部として使いこなしている人はほんの一握りだと感じます。

アンプを通して吹く場合、強いアタックを使ったりディストーションを起こしたりして、ヘビーなサウンドを作り出すことに心を砕く人が非常に多いです。でも、アンプリファイド・ハープの魅力はそれだけでは決してないと思うのです。曲の最初から最後まで、ヘビーなサウンドでがーっと吹き倒す人も多いですが、そういうのを素晴らしく上手くやってのけるのはジェームス・コットンくらいではないでしょうか。大抵の場合は、一定の大きな音量、一定のヘビーな音色が延々と続くそういう演奏は、半分くらい聞いただけで、「もうやめて~」 と思ってしまいます。先日紹介したキム・ウィルソンのインタビューでも、キムが言っていましたね。聞き手が 「パンチが来るぞ!」 と予想している所では、パンチはしないものなのです。まして、パンチだらけでは聞き手はすぐにおなかいっぱいになってしまいます。パンチは有効に使いましょう。

上手い人達の演奏を聞くと、「何か特別なことが奏者とアンプの間で起こっている。」 と目に見えて感じる瞬間があります。私自身できるわけではないので具体的な説明はできないのですが、眠っていたアンプの機能がぱっと目覚めたような音がするのです。でも彼らは、決して強く吹いているわけではないんですよね。マイクを離して吹き続けてもらい、アンプを通さない音を聞くと、「こんなに静かに吹いているんだ」 と驚きますよ。上手い人達に共通するのは、楽器やアンプを強いることではなくて、同調させることで多彩な音色と表現力を作り出そうという姿勢だと感じます。そしてそれが、「アンプを楽器の一部として鳴らす」 ということだと思うのです。

2009/03/18

Tiger Man

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , @ 10:47 am by Yuki

キム・ウィルソンが演奏する曲で好きなもののひとつに、”Tiger Man” があります。エルヴィス・プレスリーが演奏したので有名な曲らしいですが、私はこの曲はキムから入りました。なんかこの曲、かわいくて好きなんですよね。何と言っても、はじまりの歌詞が、

俺はジャングルの王様だ
やつらは俺のことを、虎男 (タイガー・マン) と呼ぶのさ

I am the king of the jungle
They call me the tiger man

ですから。
2番では山にも登っちゃいますよ!

俺は山に登って、俺の黒猫を呼ぶんだ
I get up on a mountain
And I call my black cat back

こんな感じで本人は強がっているんですが、どこかぬけて感じられるところが好きです。30代も半ばに差し掛かろうとしている女としては、男ってかわいいよな、と思わせる歌であります。もっと若い頃なら、こんなふうに山の上から威張って呼ばれたら、「ふん、何さ。そんなに偉そうにして呼んだって行かないわよ。」 と言うこともあったかもしれませんが、最近は、「かっこつけちゃって、仕方ないわねえ。はいはい、今、行きますよ。」 とあしらうことができる気がします。尤も、こういうマッチョ系の人を好きになることはあまりないのですが。

YouTube に、この曲の作曲者でもあるジョー・ヒル・ルイス (Joe Hill Louis) による演奏がありました。ハーモニカは・・・この演奏はたぶん、ビッグ・ウォルター・ホートン (Big Walter Horton) でしょうか。

Tiger Man – Joe Hill Louis

続いて、キム・ウィルソンとキッド・ラモス (Kid Ramos) のデュオ。1995年の映像だそうです。キムの同名のアルバム “Tiger Man” がリリースされたのが93年ですから、そのちょっと後ですね。ここではアコスーティックのハープを吹いています。

Fabulous Kim Wilson-Tigerman

以前、キムのライブを見に行った時、キムが、「リクエストはある?」 と観客に聞いたことがありました。私は思わず 「タイガー・マーン!」 と叫びそうになったのですが・・・なんだか恥ずかしくてできなかったです。

2009/03/01

革命児 リトル・ウォルター

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged , @ 9:29 pm by Yuki

少し前に、キム・ウィルソンがサウンド・トラックで吹いているという映画、”Cadillac Records” について書きました。(>Kim Wilson – Juke, My Babe)。首を長くして待っていたこの映画、ようやくイギリスでも公開になり、早速観に行って来ました。

全体としては不満 (というか物足りなさ) も正直ありましたが、見終わった後に、「マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターは、やはり革命児だったんだよなあ」 と改めて思ったということを考えると、良い映画だったのだと思います。

cadillac-records-jeffory-wright

アンプリファイドの演奏を一般化したということで革命児扱いされることが多いリトル・ウォルター (この映画でもそうでした)。彼が素晴らしいアンプリファイドの演奏をしたことはまぎれもない事実なのですが、私はそれは彼が起こした革命のほんの一部にすぎなかったと思うのです。彼の真の功績は、全く新しいアプローチでハーモニカを演奏したことと、全く新しいスタイルの音楽を作り出したということにあると思います。

先日の記事 (Little Walter の未公開映像 - その後) で紹介した映像でも、衝撃を受けたフレーズがいくつもありました。特に2曲目のインスト・ナンバーは、目を見張るというか耳を疑うというか、これまで聞いたことのない斬新なリックが所々にあって、何度聞いても 「おおおお」 と唸ってしまいます。彼の死からは40年以上が経っているわけですが、その間誰も思いつかなかったようなリフをこうしてアドリブでやっているのを見ると、もうお手上げだなあと思います。本当にこの人は、信じがたい天才です。アンプリファイドの時とアコースティックの時では奏法を使い分けているのは明らかですし、「どうやったら楽器 (アンプなどの機材を含む。) を最も効果的に鳴らすことができるか」 ということを本当によく知っていた人だと思います。

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キム・ウィルソンがサウンドトラックのハーピストというのは、見事に適役だったと思います。キムはよく、リトル・ウォルターと比べられたり、その演奏を 「リトル・ウォルターのコピー」 と言われたりしますが、本人はそれを、「リトル・ウォルターに対する冒涜 (sacrilege) だ。」 とインタビューで言っておりました。

映画全体の感想は日常のブログの方に書いてありますので、興味のある方はそちらをご覧下さい。

2009/01/08

Kim Wilson – Juke, My Babe

Posted in ハーモニカ・プレイヤー, 本 / DVD / 映画 tagged , @ 7:05 pm by Yuki

昨年12月にアメリカで、”Cadillac Records” という映画が公開となりました。ご存知、チェス・レコードの話で、Muddy Waters、Little Walter、Willie Dixon、Howlin’ Wolf、Chuck Berry、Etta James なんかが出て来ます (もちろん本物ではないですが)。去年の初め頃にこの映画のことを知って、ずっと楽しみにして公開日をチェックしているのですが、イギリスでは春ごろということです。ブルース・ファンの人は納得行かない部分も多いらしく、賛否両論あるようですが、やはり楽しみであります。

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チェス・レコードの話ということで、もちろん音楽が出てくるわけですが、オリジナルではなくて、この映画のために演奏 / 録音された音楽が使われています。ハーモニカを吹いているのは、我らがキム・ウィルソン (Kim WIlson)。YouTube に “Juke” と “My Babe” の録音があったので、アップします。

Juke – Cadillac Record Sountrack
>My Babe – Cadillac Record Sountrack

kim_wilson_wt

ハーモニカ好きとしては、キムの演奏が聴けることも、この映画を見るひとつの楽しみになりそうです。

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