2010/11/02

NHL Festival 2010 – その1・ David Barrett

Posted in ハーモニカ・プレイヤー tagged , , , @ 7:46 pm by Yuki

先週末は、NHL (National Harmonica League) のフェスティバルに参加しました。

なんといってもすばらしかったのが、デヴィッド・バレットのワークショップ。デヴィッドは教え方が上手いことで有名で、彼のウェブサイトオンライン・マガジンにお世話になっている私はとても楽しみにしていたのですが、結果、私の期待を遥かに上回る内容でした。

ワークショップは、最初に質問を受け付けて、それについてひとつずつ説明して行く、という形で行われました。実は私は、初心者から上級者まで色々なレベルの人が混じったクラスで、こういう質問→応答という形態のワークショップをするのは危険ではないか?と心配したのです。例えば、「ヴィブラートの仕方」 や 「ベンドの仕方」、「曲中でのポジションの変え方」 なんて、それぞれが、説明するのに1時間かけてもまだ足りないというような質問ですよね。それで、そういうのをうだうだとやっているうちに時間が過ぎてしまって、結局学ぶこと (素晴らしいミュージシャンのワークショップだからこそ学べるはずのこと) はあまりなかった、というようなことが過去の経験としてあるのです。しかしデヴィッドは、そんな私の心配をよそに、手際よくワークショップを進めて行きました。質問は全部で12~13個はあったと思うのですが、1時間という短い時間の中で、全ての質問にさくさくと的を得た回答をするその姿は、お見事としか言い様がありませんでした。

更に、各質問に対する答えは、初心者にわかりやすく、かつ中級者・上級者にも更なる上達のヒントを与えるような内容で、もう本当にすばらしかったです。ひとつひとつが、楽器の仕組み、身体の使い方をしっかりと理解した人ならではの核心を突いた説明で、何度も目から鱗が落ちました。

夫はドイツでのフェスティバルに参加した際に会っているのですが、私は、生バレットは初めて。実際に実物を見た感想は、「さっぱりしている」。ウェブサイトのビデオなんかでもさっぱりしていますが、実物はよりさっぱりとクリーン、穏やかで、教養のある感じ。ブルース・プレイヤーがこんなにさっぱりしてしまって良いのでしょうか。つるっと剥けたゆで卵みたいです。雰囲気的には、リー・サンキーとかぶるのですが、リーの方はもうちょっとクリエイティブで常に頭が高速回転しているという気がします。全くの偏見に基づいた個人的な印象ですけれども。

写真は、深夜にホテルのバーで行われたジャム・セッション。左から、Brendan Power, Lee Sankey, David Barrett, Mick Kinsella。

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2010/03/28

Lee Sankey – sweet vibrato

Posted in テクニック tagged , , @ 1:01 pm by Yuki

先日取り上げたスウィートなビブラート (>ベンド音のビブラート) について、リー・サンキー (Lee Sankey) が実演で説明しているクリップがあります。顎を使ってする、ジョー・ビブラート (jaw vibrato) です。

>Advanced Harmonica Vibrato – sweet vibrato on bends like Sonny Boy Williamson

先日のクリップでデニスが使っているのはこれですね。ウェスト・ウェストンの方は何しろ音が短いのでわかりづらいのですが、これは喉を使ってするスロート・ビブラートかなあ、という気がします。ブルー・サードにスロート・ビブラートを使ってスウィートなサウンドを作り出すというのは、上手い人がやると本当にいい音がしますが、これはかなり難しいテクニックだと思います。私はベンド音のジョー・ビブラートとナチュラル音 (ベンドしない音) のスロート・ビブラートはまあなんとか (自分なりのレベルで) 納得できる音が出せるのですが、ベンド音 (特にブルー・サード) のスロート・ビブラートにいたってはまだまだですね。どうしても、よいよいよい~となってしまう。なめらかでスウィートにできるようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。

2009/10/26

ハーモニカ熱再び

Posted in ハープ日記, ハーモニカ・プレイヤー tagged @ 9:02 pm by Yuki

年に一度ブリストルで行われるハーモニカ・フェスティバルに参加してまいりました。いつもなら数週間前からわくわくと楽しみにしているところですが、最近私生活がかなり大変なことになっていてハーモニカから遠ざかっていたので、実は今年はあまり乗り気ではなかったのです。「まあせっかくだから顔だけでも出すか・・・。」 くらいの気持ちで出向いたのですが、1年ぶりに会うハーモニカ仲間と話をしたり、ゲストのリー・サンキー (Lee Sankey) の姿を見たりしているうちに、どんどん気持ちが盛り上がってきました。初日はジャム・セッションで、当初は全く演奏する気はなかったのですが、ついつい調子に乗ってジャムに参加してしまったのでありました。

ジャムでの演奏は、2ヶ月近く全くハーモニカに触っていない身としては、なかなかの出来だったと思います。というか、夫や友人などこれまでの私の演奏を見てきた人達はみんな、「今まで最高の演奏だった。」 と褒めてくれました。夫と一緒に一曲やったのですが、中には私の方が上手かったとか音がよかったなどと言ってくれた人もいて、すっかり嬉しくなってしまったのであります。しかし今回は、自分の音がよく聞こえたとか、機材のセッティングが私の音に合っていたとか、バンドがすごくよく反応してくれたとかいう幸運あってこその演奏で、「どんなシチュエーションでも安定した演奏ができる」 というレベルでは全くありません。それでも、「(毎回とは行かないけれど) かなり良い演奏をすることもできるのだ」 という自分の可能性を知ることができたのは、これからハーモニカを続けていく上での大きな糧となると思います。

もうひとつ嬉しかったのが、聞いていた人はみんな、私がセカンド・ポジションでやっていると思ったということです。今回は夫がEの曲をやりたいと言ったので、Cハープしか使わない私はフィフス (5th) ・ポジションを使ったのですが、後で聞いてみたら気付いた人はいなかったようです。私の目標はあくまで、「様々なポジションを使いつつトラディショナルなテイストを持ったブルースを演奏する」 ということであって、色々なポジションでの演奏をひけらかす目的でCハープのみを使っているわけではないのです。なので、良い演奏だったと褒めてくれた人がセカンド・ポジションだと思ったというのは、5th でもかっこよくブルースができるのだということを自分に証明できたようですごく嬉しいです (なぜ私がCハープしか使わないのかということはこちら>一本勝負!)。

lee-sankey

というわけで、久々にハーモニカ熱が戻ってまいりました。ワークショップやコンサートはもちろん楽しいしためになるのですが、私がこのフェスティバルで好きなのは、一日のプログラムが終わった後の集いです。ホテルのバーで久々に会う仲間と親交を深めたり、ゲストと話をしたり、深夜までみんなでジャムをしたり。今年は、リー・サンキーと話ができたことが一番の収穫だったと思います。数年前に別のフェスティバルでワークショップとコンサートをやっているのを見た時は、実はあまり心を動かされなかったのですが、今回は時間があって彼の色々な話が聞けたのが嬉しかったです。とてもオープンで正直で聡明で精力的な人という印象を受けました。個人的には、その頭の良さが演奏に現れすぎてしまう場面が時々あると感じるのですが、もちろん素晴らしいプレイヤーです。

Lee Sankey – slow blues clip
Lee Sankey solo harmonica blues piece entitled “Work’n”